法律に関するお悩み

法律Q&A

法律Q&Aの概要

会社運営・尊属に関わる法律のうち、下記の分野についての話題をQ&A方式でお知らせいたします。

  1. 会社法
  2. 借金・債務・保証
  3. 相続・遺産

※質問の左にある+アイコンをクリックすると回答が表示されます。

会社法に関するQ&A

  • 新会社法では、有限会社はどのように取り扱われるのでしょうか。

    新会社法の施行に伴い、有限会社法は廃止されました。 これにより従来の有限会社で、会社法の施行の際に現に存在するものは、 新会社法の規定による株式会社として存続するものと取り扱われることとなります。

    この場合、有限会社の定款、社員、持分及び出資一口は、 それぞれ株式会社の定款、株主、株式、一株とみなされることになります。また社員名簿は株主名簿とみなされることになります。

  • 株主総会はどのような事項について決議をすることができるのですか。

    株主総会の決議事項は、取締役会設置会社とそれ以外の会社とで違いがあります。
    取締役会設置会社の場合、株主総会は、法令に規定する事項又は定款に定めた事項に限り決議することができます。取締役会設置会社の株主総会が、法令に規定する事項又は定款に定めた事項以外について決議した場合、その決議は無効となります。

    これに対して、それ以外の会社の株主総会は、法令に規定する事項に加えて、強行法規又は株式会社の本質に反しない限り、株式会社の組織・運営・管理その他株式会社に関する一切の事項について決議することができます。

  • 株主総会は、いつ、どこで、誰によって、召集されるのですか。

    1.いつ
    株式会社は、毎事業年度の終了後一定の時期に株主総会を招集しなければなりません。これを定時総会といいます。
    また株式会社は、定時株主総会のほかに、必要に応じ株主総会を開催することができます。これを臨時総会といいます。
    なお、定時総会も臨時総会も株主総会である以上、その権限に差はなく、決議をなしうる事項の範囲に変わりはありません。
    2.どこで
    改正前の商法では、総会は、原則として、本店の所在地又はこれに隣接する地に召集しなければならないとされていました。
    これに対し、新会社法ではそのような制限はなく、会社は適宜開催場所を定めることができます。
    3.誰によって
    株主総会の招集は、取締役会設置会社では取締役会が決定し、その決定に従い代表取締役が招集行為を行います。
    取締役会設置会社以外の会社では、取締役が招集の決定、招集行為のいずれも行うこととなります。
  • 株主総会の「普通決議」「特別決議」「特殊決議」とはどのような決議のことをいうのですか、また特別決議・特殊決議が必要となるものには何がありますか。

    1. 普通決議とは、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し(定足数)、出席した株主の議決権の過半数の賛成により成立する決議をいいます。なお、定足数については、定款の定めにより変更することが可能です。
    2. 特別決議とは、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる賛成により成立する決議をいいます。普通決議と同様に、定足数を定款の定めにより変更することは可能ですが、3分の1未満にすることは認められません。
      法が特別決議事項として定めているものとしては、定款変更、事業譲渡、合併、株式交換、株式移転、会社分割、資本金の減少、特に有利な払込金額・条件による募集株式・新株予約権の発行等、株式の併合、全部取得条項付種類株式の取得、等があります。
    3. 特殊決議とは、特別決議よりもさらに厳格な成立要件が定められている決議のことをいいます。法が特殊決議事項として定めているものには、定款変更により株式を譲渡制限株式とする場合、全株式譲渡制限会社が剰余金の配当を受ける権利、残余財産の分配を受ける権利、株主総会の議決権につき株主ごとに異なる取扱いを行う旨の定款を変更(廃止を除く)する場合、等があります。
  • 取締役会は、その権限を代表取締役、業務執行取締役、常務会等の下部機関に委任することはできますか。

    1.取締役会は、その権限を代表取締役等の下部機関に委任することはできるか否かは、事項によって異なります。

    2.まず、取締役会が決定すべきものと法定されている事項、例えば

    1. 重要な財産の処分及び譲受け
    2. 多額の借財
    3. 支配人その他重要な使用人の選任及び解任
    4. 支店その他重要な組織の設置、変更、廃止
    5. 社債の募集に関する重要な事項
    6. 公開会社における募集株式や新株予約権の募集事項の決定
    7. 代表取締役の選定などについては、定款をもってしても下部機関に委任することはできません。

    3.他方、上記法定事項以外の事項については、その決定を下部機関に委任することができます。

  • 取締役会の決議をいわゆる持ちまわり決議で行うことはできますか。

    取締役は、各自が会社にその経営手腕を見込まれて、株主から会社の経営を委任されている者であるから、取締役会に出席し、意見を交換した上で議決権を行使することが要求されていると考えられています。
    したがって持ちまわり決議をすることは原則として認められていません。ただ、これでは、取締役が海外にいる場合などに機動的な意思決定ができず不便です。

    そこで新会社法では、取締役が決議の目的である事項にかかる提案をした場合において、その提案につき取締役の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは(監査役が異議を述べた場合を除く)、その提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることは認められています。これを取締役会決議の省略といいます。
    取締役会決議を省略できる場合について、会社法は特に制限を置いていないため、緊急の場合に限らず、一般的な場合にもこれを用いることができますと解されています。

  • 監査役は、選任に際して、何か注意することはありますか。

    1.監査役の資格

    (1) 欠格事由
    会社法は、監査役について一定の欠格事由(資格制限)を定めています。
    具体的には、(1)法人(2)成年被後見人・被保佐人(3)会社法・証券取引法・金融商品取引法・中間法人法・民事再生法・会社更生法・破産法等の罪を犯し刑に処せられた者などは取締役となることができません。
    なお、旧商法では、「破産手続き開始の決定を受け復権していない者」も欠格事由とされていましたが、新会社法では欠格事由ではなくなりました。

    (2) 兼任禁止
    監査役は、会社の取締役・使用人又は子会社の取締役・執行役・使用人を兼任することはできません。
    なお、兼任禁止に触れるものが監査役に選任された場合は、従前の地位を辞任して監査役に就任したものとみなされると解されています。

    2.選任方法
    監査役は、株主総会の普通決議で選任されます。
    3.選任議案への監査役の同意権
    取締役は、監査役がある場合においては、監査役の選任議案を株主総会に提出するには、監査役の同意を得なければなりません。
    4.監査役の提案権
    監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができます。
  • 合併はどのような手続きで行われるのですか。

    株式会社の合併は、概ね以下のような手続きで行われます。

    1. 合併契約の締結
    2. 合併契約の備置、株主・債権者による閲覧
      合併の当事会社は、合併契約等備置開始日から、一定の期間、合併契約を本店に備え置かなくてはなりません。 また、株主・債権者は、営業時間内は、いつでも、合併契約の閲覧・謄本又は抄本の交付等の請求ができます。
    3. 株主総会の特別決議による、合併契約の承認
    4. 反対株主等の株式買取請求・新株予約権買取請求
      消滅会社の反対株主・新株予約権者及び存続会社の反対株主は、株式・新株予約権の買取を請求できます。
    5. 債権者の異議
      合併当事会社の債権者は、一定の期間、合併に対して異議を述べることができます。
      債権者が、合併に対して異議を述べたときは、株式会社は、原則として、その債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければなりません。
    6. 消滅会社の株主・新株予約権者に対する金銭等の割当
    7. 合併の登記
  • 代表取締役の選任・終任について、留意するべき点はありますか。

    1.選任について
    取締役会設置会社において、取締役会は取締役の中から代表取締役を選定しなければなりません。代表取締役の員数には制限はなく、一人でも数人でも選任することができます。
    任期については、会社法上特に制限は置かれていませんが、代表取締役の地位は取締役の地位を前提とするものである以上、取締役としての任期を超えることはできないとされています。
    2.終任について
    取締役会は、その決議をもって、いつでも代表取締役を解任することができます。
    また、前述のとおり、代表取締役の地位は取締役の地位を前提とするものであることから、取締役の地位を失うと当然に代表取締役も就任となります。
  • 計算書類に関して、株主総会の承認を得る必要がないのは、どのような場合ですか。

    計算書類について、株主総会の承認が不要となるのは、

    1. 会計監査報告の内容に、無限定適正意見等が含まれていること
    2. 監査報告に、会計監査人の監査の方法又は結果が相当でないと認める意見がないこと
    3. 監査報告に付記された内容が、会計監査人の監査の方法又は結果が相当でないと認める意見ではないこと
    4. 特定監査役が通知すべき日までに監査報告の内容の通知をしないことにより、監査を受けたものとみなされた場合でないこと
    5. その株式会社が取締役会を設置していること

    の全ての要件を満たす場合です。

借金・債務・保証に関するQ&A

  • 公正証書によって金銭消費貸借契約を作成するとどのような利点があるのですか。

    1.公正証書とは
    公正証書とは、契約の成立や一定の事実を、公証人が実際に体験したり、または当事者から聞いて作成する文書のことです。公正証書は全国の主要都市にある公証役場で公証人によって作成して貰います。
    2.公正証書作成のメリット
    金銭消費貸借契約を公正証書で作成するメリットは、まず、裁判官経験者などの法律に精通した公証人が第三者的な立場で作成するため、私人間で作成される通常の契約書に比べて証拠としての価値が高いという点です。裏をかえせば、公正証書が作成されてしまうと、証書の内容を争うのは極めて困難になります。
    しかし、公正証書作成の最大のメリットは公正証書に執行受諾文言を記載することによって、これが債務名義となり、強制執行が可能となる点です。執行受諾文言とは、債務者が債務を履行しない場合に強制執行を受けても異議のないことを認める文言で、通常「債務者は本証書記載の金銭債務を履行しないときには、直ちに強制執行に服する旨陳述した」と、公正証書に記載されます。この執行受諾文言の記載された公正証書を執行証書といい、強制執行に関して判決書と同様の効力をもちます。
    つまり、執行証書を作成することにより、裁判という時間と費用のかかる手続を利用せずに、債務者が借金を返済しない場合に、簡単に強制執行手続に移行できるのです。
    3.公正証書の作成方法
    金銭消費貸借契約書を公正証書にて作成する場合には、貸主・借主本人が出頭します。その場合、確かにそれぞれが本人であることを証明するために、各人が印鑑と印鑑証明書を持参するのが原則です。また、事前に契約書の案文をファックスで結構ですから公証役場に送っておくとスムーズです。公正証書は、代理人によって作成することも可能です。その場合には、本人は委任状と委任状に押印された印影の印鑑証明書とを代理人に渡します。代理人自身も実印と印鑑証明書が必要です。
  • 返済期日を定めないで貸してしまったお金を返してもらうにはどうしたらいいでしょうか。

    1.相当期間を定めた催告
    返済期限を定めないで貸した金銭も、後から返済期限を設ける方法があります。通常、貸主が借主に対して「○日以内に支払え」とか「○月△日までに支払え」という内容証明郵便などを送って催促(催告)をすることによって、その期限の日が返済期日となります。なぜかというと、民法が、期限の定めのない消費貸借契約は「相当の期間を定めて催告することができる。」としているからです。
    ですから、上記の「○日以内に」とか「○月△日までに」という期限は、法律上「相当の期間」でなければならないことなります。
    問題は何をもって相当の期間が定まるかという点です。法人でもない一般の個人に対し、「明日までに1億円を支払え」と催告しても、相手がよほどの金持ちでも相当な期間を与えたことにはならないでしょう。期間が相当であるかは、貸した金額や相手方の支払能力などの事情によって定まるものです。一般に100万円未満の個人間の金銭の貸し借りの場合を例にとると、相当な期間は1週間から10日前後が多いように思います。
    しかし、万一、期間を定めず催告だけした場合や、相当でない期間を定めて催告した場合でも、催告をした日から客観的に相当な期間が経過した日が返済日となるので、催告自体が無効となってしまうわけではありません。
    2.催告のメリット
    催告したあと期限が到来すると、相手には借りたお金を返済する法律上の義務が発生し、もしこの日までに返さなければ翌日から遅延利息が発生します。この遅延利息は支払う約定がなくても請求でき、民法上は年5%、商売をしている人(商行為による場合)なら商法により年6%の利息を請求できます。
  • 借りたお金を返そうと思っていますが、領収書や借用書との引き換えによることは要求できますか。

    1.領収書の重要性
    金銭の貸し借りでは、返済したか否かで貸主と借主の水掛け論になることがよくあります。これは、領収書がないことが最大の原因といえます。領収書がないがために、お金を返したにもかかわらず同じ借金について再び請求されたり、債権を譲り受けたという第三者から請求されてしまうことも現実にあることです。ですから、お金を返済するときに特に重要なのは、領収証を確実に受け取ることです。貸主に借用書があって、借主に領収書がない場合、借主は二重払いを強いられる危険があります。
    したがって、領収証にはその債務を特定したうえ(平成○年○月○日付けのいくらの借金であるか)、借金についてあなたが返済し、これを貸主が受領したという事実が記載されている必要があります。
    2.領収書との引き換えを要求する
    借主は、借金の返済に際し領収証を交付するよう請求できます。さらに、借主は貸主に対して「領収証との引き換えでなければお金は支払わない」と主張することもできるのです。この場合、貸主が領収証を交付しないうちは借主がお金を返済しなくても遅滞の責任(遅延利息の支払など)は負わないことになります。
    したがって、借金の返済時には、領収書と引き換えに返済をするべきなのです。
    3.借用書の場合
    では、さらに進んで、借用書も同時に返還してもらうことはできるのでしょうか。結論はできません。確かに、借用書も返還してもらえば領収書をなくしても二重払いの心配は極めて低くなりますし、民法も、お金を返済した借主が貸主に対して債権証書(借用書など)の返還を求める権利を認めています。
    しかし、この場合には領収証の場合と異なり「債権証書と引き換えでなければお金は返さない」という主張まではできないとされています。これを認めると債権証書を紛失した貸主は貸金の返還を請求できなくなってしまうからです。
  • 1人の貸主から何回かお金を借りています。この場合、債務の全額に足りないお金を返済した場合どの借金を返済したことになるのでしょうか。

    1.弁済の充当
    これは弁済の充当の問題です。一部弁済があったときには弁済をどのような順序で充当していくかについては、まず、当事者間の合意に委ねられています。しかし、このような合意がない場合を考慮して、民法がルールを定めています。
    2.充当の指定
    いくつかの借金がある場合、民法によると、まず返済した人は、弁済の時にその弁済を充当する債務を指定することができます。つまり返済する借主からこの借金の弁済に充ててくれと指定することができるのです。次に返済した人がこの指定をしなかったときは、弁済を受け取った人がいずれかの債務に充当することができます。
    つまり貸主の側からこの借金に充てるよと扱うことができるのです。ただしこれに対して返済した人が直ちに異議を述べた場合には次に述べる法定充当のルールが適用されることになります。
    3.法定充当
    法定充当は、次のようなルールです。(1)全ての債務のうち、弁済期にあるものと弁済期にないものがあるときは、弁済期にあるものを先に充当します。(2)全ての債務がともに弁済期にあるとき、またはともに弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益の多いものを先に充当します。(3)債務者のために弁済の利益が同じであるときは、弁済期の到来したもの、または先に到来するものを先にして充当します。(4)以上の基準でも充当の順序が決められないときには、各債務の額に応じて充当します。
    とはいっても、法定充当の規定は具体的に適用しようとするといろいろな問題があります。たとえば(2)、(3)でいう「債務者のための弁済の利益」とは一般に借金の利率の高低や、担保の有無などが基準としてあげられますが、判断が困難なケースもあります。詳しくは弁護士に相談してください。
  • お金を友人に貸すにあたり、保証人を求めようと考えています。何に注意点したらよいでしょうか。

    1.資力や信用を確実に調査する
    お金を借りたい人は、自分が用意しなければならない保証人について、「信頼できる」「資力が十分にある」「まちがいない人物」などというのが当然ですが、お金の借主のいうことは話半分に聞き、貸主自らが保証人の資力や信用の調査等を充分に確認する必要があります。
    2.保証人のチェックポイント
    保証人と保証契約を締結するに先立って(1)保証人本人の信用調査(保証能力)、(2)保証人が債務を保証する意思(保証意思)をもっているか、を十分に確認する必要があります。
    • (1)まず、信用調査のためには、保証人候補者と直接面接して、本人であることを確認することが欠かせません。免許証などで確認してください。続いて支払能力を把握するために財産や収入についても確認が必要です。たとえば、サラリーマンなら会社の源泉徴収票の提示を求め、自営業者なら確定申告書の控を提示させます。会社をすぐに変わる人もいますので、会社の勤続年数や職歴なども確認しておくべきです。
      また、忘れてはいけないのが、保証人候補者の、その時点での他の債務です。保証人自信に大きな借金がある場合は、返済余力が低いからです。さらに、保証人候補者のもっている不動産などの財産についても登記簿謄本などで確認すべきです。他にも、借主と保証人候補者との関係(いつからの、どういう付き合いか)も確認しておくべきです。両者の信頼関係が強いほど、相互に裏切れない関係であり、返済の確実性に繋がります。
    • (2)次に、保証人になる意思を確認する必要があります。これは、保証契約書に保証人本人が直接署名、捺印することで確認できます。したがって保証契約書を作成し、契約書の保証人欄には、保証人本人に署名捺印させます。捺印には実印を要求し、契約書に印鑑証明書を添付させれば、信用性が増し紛争の予防になります。
  • 友人に貸した50万円を返してもらうため、少額訴訟という制度を利用しようと考えています。少額訴訟制度とはどのような特徴があるのですか。

    1.少額訴訟制度の特徴
    少額訴訟制度は、一般市民にも利用しやすい訴訟制度として平成10年1月に導入された制度で、60万円以下の金銭の支払いを求めるための簡易裁判所における特別な訴訟手続です。
    少額訴訟制度の利用は、支払を求める金額が60万円以下で、金銭の支払を求める訴訟に限られますが、原則として1回の期日で審理を終了し、直ちに判決を言い渡すなど、簡易迅速な手続きであり、ご質問のように60万円以下の貸金の返還を求める場合には、使いやすい手続きといえます。
    2.少額訴訟手続利用時の注意点
    この制度を利用できるのは金銭の支払いを求める場合だけなので、物の引渡しを求めることや、債務がないことを確認することはできません。
    また、利用回数にも制限があり、同一の簡易裁判所においては、1年に10回までしか少額訴訟手続を利用することはできません。判決に対して異議申立てはできますが、控訴することはできません。
    3.審理・判決
    原則として、1回で審理が終わることを予定しているため、証拠調べはすぐに取り調べることができる証拠に限られます。そのため、必要な証拠(契約書等)や証人は、裁判の日に持参、同席できるよう準備・手配しておかなければなりません。
    判決の言渡しは、原則として、口頭弁論の終結後直ちにすることとされています。また、裁判所は、判決で分割払いとしたり、遅延損害金の支払を免除したりすることもでき、通常の訴訟よりも柔軟な措置をとることができます。
    4.専門家への依頼
    本人だけでも利用できるように作られた制度ですが、弁護士を代理人として依頼することも当然可能です。
  • 利息を決めずにお金を貸しましたが、利息をもらうことはできるでしょうか。

    1.民法と商法の定め
    金銭の消費貸借契約は民法上、無利息が原則とされています。したがって、貸主、借主が利息の約束をしない限り、利息は発生しません。これに対して、会社間などの取引は商法の定めによって、利息がもらえるのが原則とされています。したがって、当事者間で利息の約束をしていなくても、商事法定利率である年6分の利息はもらえます。この商法の定めが適用されるのは、当事者がともに法律上の「商人」(会社など、営利事業を営む者)にあたる場合です。
    したがって、貸主(債権者)・借主(債務者)の双方が商人ではない場合、または貸主(債権者)・借主(債務者)の一方が商人ではない場合には、利息についての合意がない限り利息はつきません。
    これに対して、貸主(債権者)・借主(債務者)の両方が商人である場合には、利息についての合意をしなくても年6分の利息がつくということになります。
    2.遅延損害金と利息
    商法の適用がなく、利息の約束をしなかった場合(無利息の場合)でも、貸主は借主が返済期限になっても返済しないときは、残金に対し年5分の割合で損害金を請求できます。遅延損害金は遅延利息と呼ばれることもありますが、利息とは異なり返済日が過ぎてから実際に返済されるまでの間に発生する「損害金」です。ですから合意がなくても返済日を過ぎれば民法の定めによって、年5分の割合で請求できるものです。
    3.利率の定め
    なお、商法の適用がない場合で、利息の約束はしたもののその率までは定めなかった場合には、民法所定の利率(年5分)となります。
  • 連帯保証と通常の保証の違いを教えてください。

    1.連帯保証と通常保証
    保証には、通常の保証の他に連帯保証と呼ばれるものがあります。もっとも、世の中で通常使われているのは連帯保証の方であるといっていいと思います。なぜかというと、債権者にとって都合がよいからです。
    すなわち、借金をした人を主たる債務者、お金を貸した人を債権者とすると、通常の保証は主たる債務者がお金を返済できなくなったときにはじめて代わりに返済義務を負うのに対し、連帯保証の場合は主たる債務者がどうあれ債権者が保証人に請求したときは保証人が返済しなければならないのです。
    2.補充的な性質の有無
    通常の保証は、主たる債務者が債務を履行できない場合に、これを補充するもので、補充的な性格をもっています。たとえば、通常の保証では、債権者からいきなり債務の弁済を求められた場合には、まず主たる債務者に請求してほしいということができます(これを催告の抗弁といいます)。また、主たる債務者に財産があるときは、まずは主たる債務者の財産について差押えなどの強制執行をしなければなりません(これを検索の抗弁といいます)。
    これに対して、連帯保証の場合には、このような主張が通りません。(催告の抗弁、検索の抗弁がありません。)そのため、主たる債務者が弁済するかどうか、できるかどうかにかかわらず、連帯保証人は、債権者から請求をうけることになります。
    その他にも、保証人が2人以上いる場合、通常の保証ならば、保証人の数に応じて保証債務が分割されます。たとえば、主たる債務者が1000万円の債務を負っている場合にA、B二人が保証人になると、A、Bが負担する債務はそれぞれ500万円になります。ところが、連帯保証の場合は保証人が複数でも1000万円全額の債務を負わなければなりません。
    また、連帯保証の場合は、債権者が連帯保証人に対して履行の請求をすれば、その効果が主たる債務者にも及んで時効が中断されます。このように、連帯保証の方が債権者にとっては、魅力的な担保としての機能を有しているのです。
  • 高齢者を保証人にする場合はどんなことに注意すべきでしょうか。

    1.意思能力
    高齢者を保証人とする場合の注意点として、高齢者に、物事を判断しそれに基づいて意志決定出来る能力(意思能力といいます)があるかいないかをまず確認することがあげられます。これは、保証契約に限らず、高齢者との契約一般についてあてはまります。意思能力を欠く者との契約は無効となるので、意思能力の有無の確認は非常に重要です。
    問題は確認方法ですが、直接本人と会話をして、相手の話を理解することができているかをチェックすることが一番簡単な方法でしょう。もっとも、契約の内容までは理解できなくても、簡単な日常会話はこなせる場合もありますので、契約の内容まで理解できる判断能力があるかどうか、会話の難易度を考えて十分に判断能力を確認しておくべきです。
    2.後見登記制度
    また、判断能力が不十分な高齢者などの保護を図るため、家庭裁判所によって成年後見人等が選任されている場合があります。このような場合は、高齢者本人とではなく、選任された成年後見人と契約をする必要があります。なぜなら、このような場合にその高齢者(成年被後見人といいます)とした契約は後から取り消されてしまう可能性が高いからです。
    したがって、契約の当事者となる高齢者に判断能力の程度によって選任されている成年後見人、補佐人、補助人がいないかどうか確認しておく必要があります。家庭裁判所によって選任された後見人等がある場合は、登記がなされていますので、法務局で登記事項証明書を入手して確認することができます。
    3.相続による影響
    その他にも、高齢者の方に、万一のことがあると、保証債務は原則として相続されて、相続人の数に分割されて担保としての機能が弱まることもあります。また、貸金等根保証契約では相続によって元本が確定します。したがって、このような事態も予想しながら契約内容を確認しておく必要があります。
  • 株式会社で会社が保証人となる契約を締結する場合には、どのようなことに注意すべきでしょうか。

    1.会社の行う保証が利益反相反取引である場合
    利益相反取引とは、会社とその取締役又は第三者との間の取引のうち、会社と取締役の利益が相反するものをいいます。たとえば、取締役個人の借金に会社が保証人となるような場合です。このような利益相反取引は、取締役が会社の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益を図ることが行われやすいので、取締役会での承認決議が必要です。
    取締役は、(1)「自己又は第三者のために株式会社と取引しようとするとき」および(2)「株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき」、重要な事実を開示して、承認を得るための報告をしなければなりません。
    もしも、取締役会の承認決議がなされないまま保証契約を締結した場合、「債権者が会社の承認決議がないことを知りつつ保証契約を締結したこと」を会社が主張立証することにより保証契約は無効とされる場合があります。
    したがって、ご質問の保証契約の内容が利益相反取引にあたる保証でないか確認し、それに該当する場合は、取締役会の承認決議を経ることに注意すべきす。
    2.会社の行う保証が多額の借財にあたる場合
    保証が利益相反取引に当たらない場合でも、会社の資産規模、経常利益などと比較して保証金額が大きい場合は、会社法362条の「多額の借財」に当たることがあります。多額の借財に該当する場合も、保証契約について取締役会での承認決議が必要です。この承認決議を欠いた保証契約は原則として有効ですが、判例によれば「相手方が承認決議を経ていないことを知りまたは知り得べかりしときに限って無効である」とされています。
    したがって、その保証契約が無効とされないように、多額の借財にあたりそうな場合は取締役会の承認決議を得ておくように注意すべきです。

相続・遺産に関するQ&A

  • 相続とはどういうものですか。

    1.権利義務の承継
    相続とは、人の死亡により、被相続人の権利義務が他人に承継されることをいいます。亡くなった人のことを「被相続人」、権利義務の承継者のことを「相続人」と呼びます。
    人の死亡によって、権利義務の主体がいなくなるため、新たな主体へと権利義務を承継させる必要が生じるのです。
    承継の対象となる権利義務とは、積極財産(不動産、預金、有価証券等)だけでなく消極財産(借金、未払いの税金等)も含みます。ただし、被相続人のみに帰属する特殊な権利義務(一身専属的権利義務)は承継されません。
    2.相続の発生原因
    相続の発生原因となるのは人の死亡です。死亡には、自然死のほか、失踪宣告による擬制死亡等も含まれます。失踪宣告とは、長期間行方知れずであったり、事故に巻き込まれたことが明らかなときに死亡を認定する制度です。
    3.相続人の意思の尊重
    人の死亡によって相続が発生しますが、相続人側の意思で、相続財産の承継をしないという選択をすることも可能です(相続放棄等)。そうでないと、被相続人が消極財産のほうを多く残して死亡したような場合に不都合が生じるからです。
    4.遺言と法定相続
    被相続人が遺言を残していた場合には、遺言内容による相続が優先するため、相続手続としては遺言内容をそのとおり執行していく手続をとることとなります。
    遺言が存在しない場合は、相続人間で法定相続分を念頭においた遺産分割協議が行われることとなります。その遺産分割協議の内容に従って、個々の相続人の権利義務の承継が決定されます。このように民法上は、遺言による相続を原則とした取扱いをしているのです。
  • 相続資格はどのように決まるのですか。

    1.法定相続人
    被相続人が遺言を残さずに死亡した場合、相続人間で法定相続分を念頭においた遺産分割協議を行うことになります。
    民法は、被相続人の親族の中でどの範囲の人物までが相続権を有するかということを規定しています。これらの人物のことを「法定相続人」といいます。
    2.法定相続人の順位
    被相続人の配偶者は常に相続人となります。配偶者とは法律上の配偶者(婚姻関係にある者)のことをいい、内縁関係は含みません。
    第1順位の相続人として、子が定められています。子は実子、養子いずれも含みます。ただし、婚姻関係にない男女間に生まれた子(非嫡出子)の場合は、法律上の父子関係は父親の認知によって生じるため、実態として親子関係が存在しても、父親の認知がない非嫡出子は、認知請求しない限り父親の相続人になることができません。
    子(ないし子の代襲相続人)がいない場合、第2順位の相続人として直系尊属が定められています。尊属とは自分の父母、祖父母など、自分から見て直接前の代の人物のことをいいます。
    子(ないし子の代襲相続人)、尊属ともにいない場合、第3順位の相続人として兄弟姉妹が定められています。
    3.代襲相続
    法定相続人のうち、子や兄弟姉妹には代襲相続というものが認められています。
    代襲相続とは、子や兄弟姉妹が被相続人より先に死亡した場合に、それらの子(被相続人から見た場合、孫やおい、めい)が、子や兄弟姉妹が有していた相続権を承継するというものです。
    子の場合は何代にもわたって代襲相続が認められますが、兄弟姉妹の場合は1代に限って代襲相続が認められています。
  • 相続欠格とは何ですか。

    1.相続欠格
    相続権を有する相続人が、不正な行為により、相続を発生させようとしたり、自己の取り分を多くしようとした場合、そのような相続人に相続権を認めることは正義、公平の観点から許されません。相続欠格とは、そのような不正行為があった場合に相続権を剥奪するという制度です。
    2.欠格事由
    被相続人や他の相続人の生命侵害に関する行為、遺言への干渉行為をその柱としています。具体的には、
    1. 故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために、刑に処せられた者
    2. 被相続人が殺害されたことを知って、これを告発せず、または告訴しなかった者
    3. 詐欺又は脅迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、またはこれを変更することを妨げた者
    4. 詐欺または脅迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
    5. 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者
    と規定されています。
    3.相続欠格の効果
    欠格事由に該当する行為をした者は、特段の手続を要せずに、相続権を剥奪されます。この点は申立てが必要となる廃除と異なります。
    相続欠格の効果は、欠格事由に該当する行為をした対象の被相続人との関係で生じるもので、およそ一切の相続権を剥奪するものではありません。
    なお、欠格者の子が欠格者を代襲して相続人となることは認められています。
  • 相続の廃除とは何ですか。

    1.推定相続人の廃除
    廃除とは、遺留分を有する推定相続人(将来相続人となる予定の者)が被相続人に対する虐待や侮辱等を行った場合で、被相続人がその者の相続権を否定したいと判断した場合に、その者の相続権を消失させる制度です。 相続欠格と異なり、家庭裁判所の審判で廃除が認められることが必要です。
    2.廃除の対象者
    廃除の対象者としては、遺留分を有する推定相続人とされています。具体的には、配偶者、子、直系尊属までで、兄弟姉妹は含まれません。
    遺留分を有しない相続人(兄弟姉妹)については、被相続人が遺言を作成し、その者への相続を認めない条項を設ければ足りるからです。
    3.廃除事由
    1. 被相続人に対する虐待や重大な侮辱を加えたこと
    2. その他の著しい非行があったこと
    という包括的な要件が定められています。廃除が認められるかどうかは、家庭裁判所が判断するため、個々の事案ごとに、虐待や侮辱、非行の程度が相続権の剥奪という効果に見合う重大なものであったかどうかが判断されます。軽度の虐待や非行では、廃除が認められないことが多いでしょう。
    4.廃除の効果
    家庭裁判所で廃除を認める審判が下されたり、廃除を認める調停が成立すると、当該相続人はその相続権を失います。 廃除の審判が被相続人の死後になって下された場合でも、その効力は遡及し、被相続人の死亡時(相続発生時)にさかのぼって相続権を失います。
    なお廃除は、廃除を申し立てた被相続人との関係でのみ、推定相続人の相続権を失わせるものであって、相続権一切を奪うものではありません。
  • 相続する割合は決まっているのですか。

    1.法定相続分
    法定相続分とは、法定相続人が有する相続権の割合のことで、民法で具体的な割合が規定されています。
    遺産分割手続においては、この法定相続分を目安に遺産の配分を決定することが多いといえます。ただし、相続人全員が合意すれば、法定相続分と異なる遺産配分を行うことも可能です。
    2.具体的割合
    相続人が1人の場合は、法定相続分は100%(1分の1)となります。
    相続人が配偶者と子(ないし子グループ)の場合は、配偶者2分の1、子(子グループ)で2分の1となります。
    相続人が配偶者と直系尊属(ないし直系尊属グループ)の場合は、配偶者3分の2、直系尊属(直系尊属グループ)で3分の1となります。
    相続人が配偶者と兄弟姉妹(ないし兄弟姉妹グループ)の場合は、配偶者4分の3、兄弟姉妹(兄弟姉妹グループ)で4分の1となります。
    同順位の相続人が複数いる場合(グループとなる場合)、各人の相続分は均等に振り分けて計算します。
    ただし非嫡出子は嫡出子の2分の1、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1と規定されています。
    3.遺言による相続分の指定
    遺言によって法定相続分と異なる特別の相続分の指定を行うことができます。これを指定相続分といいます。 この場合には、指定相続分の割合が法定相続分に優先することとなります。
  • 相続人が不存在の場合は、遺産の配分はどうなるのですか。

    1.相続人の不存在
    相続発生時に、被相続人の相続資格を有する者(代襲相続人ほか包括受遺者を含む)が存在しない場合や、相続人はいるけれども全員が相続放棄をしたような場合に相続人が不存在となります。
    なお、非嫡出子は父の死亡後3年間は認知を請求できますので、父(被相続人)の死後に非嫡出子の認知請求が認められた場合には、事後的に相続人が発生するという場合もあります。
    2.相続人不存在の場合の手続
    被相続人の財産は相続財産法人となり、家庭裁判所によって、管理人が選任されるとともに、公告がなされます。 公告とは官報等により相続の発生、相続財産法人を告知することをいい、債権者に対する公告と相続人に対する公告があります。 債権者に対する公告とは、相続の告知により、被相続人に対して債権を有していた債権者に届出をさせて、相続財産からその債権の弁済をする手続です。いわば一種の清算手続です。
    相続人に対する公告とは、相続の告知により、本当に相続資格を有する者がいないのか、最後の発見の機会を与える手続です。この期間内に相続人として届出をしなければ、相続人の不存在が確定することとなります。
    3.特別縁故者への分与
    相続人不存在の確定後、特別縁故者(相続人ではないが、相続人と特別な関係を有した者)がいる場合、その者からの請求により、家庭裁判所の判断で相続財産の一部または全部を分与することができます。
    4.相続財産の国庫帰属
    清算、分与されない残余の相続財産があるときは、国庫に帰属することになります。
  • 寄与分とは何ですか。

    1.寄与分
    寄与分は、相続財産の維持増加に特別の寄与がある相続人がいる場合に、具体的相続分の算定の際にその寄与を考慮する制度です。
    たとえば、長男が小売業を営んでいる父を助けてその営業に従事した結果、大いに繁盛して財産が増えた一方で、二男はサラリーマンとして独立していたという場合、父親の遺産の増加に長男は貢献していますが、二男は貢献していません。
    父親と長男との間に雇用契約があれば、長男は自分の労働に対して対価を受け取ることになりますが、そのような契約関係がないと、父親の相続の際に長男の貢献は財産として評価されず、二男と同じ相続分となってしまいます。 寄与分は、このような不公正を是正するための制度です。
    2.寄与分が認められる場合
    寄与分は相続人にのみ認められ、内縁配偶者や長男の妻には認められません。
    また、寄与分が認められるためには、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与があることが必要で、扶養義務の範囲を超えない貢献をしたとしても寄与分は認められませんし、寄与について既に相当の対価を得ている場合には、特別の寄与とは評価されません。
    3.手続
    寄与分は、まず、共同相続人の協議で定めることになっています。
    共同相続人の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が審判で定めます。寄与分の審判の申立ては、遺産分割の手続の中で行うことが必要とされています。
  • 代襲相続とは何ですか。

    1.代襲相続
    代襲相続とは、先代が有していた相続権を後代に承継させるという制度です。
    例えば、父親の相続発生時に、その子供が既に死亡していたような場合、その子供側に父親の相続権を一切認めないとすると、本来、親→子→その子(孫)と承継されるべき相続の流れが中座してしまいます。
    また、子が生存して父親を相続していれば、その子から財産を承継し得たはずであるという孫の期待は法律上、保護に値するものといえるでしょう。
    そこで、民法は代襲相続という制度を認めています。上記の例で、孫(代襲者)が親(被代襲者)を飛び越えて祖父の財産を相続するという制度です。
    2.代襲相続の要件
    相続人(子ないし兄弟姉妹)が、①相続開始以前に死亡したとき、②相続欠格に該当して相続権を失ったとき、③廃除によって相続権を失ったとき、の3場面において、その相続人の子が相続人に代わって相続することになります。
    直系尊属には代襲相続が認められないこと、相続放棄をした場合は代襲相続の原因とはならないことに注意が必要です。
    3.再代襲相続
    被相続人の子に代襲原因が発生すれば、 孫が代襲相続人となりますが、 その孫についても代襲原因が発生した場合は、 孫の子(曾孫)がさらに代襲相続することができます。 曾孫以下の直系卑属についても同じ扱いです。 一方、 被相続人の兄弟姉妹の場合には、代襲相続は1代限りで、再代襲相続は認められていません。すなわち、代襲者は被相続人のおい、 めいに限定されています。
  • 相続人に未成年者がいる場合、遺産分割はどう行うのですか。

    1.未成年者の判断能力
    遺産分割は、誰がどのように遺産を取得するのかを決定する手続です。
    権利義務の変動をもたらす重要な行為ですし、自己の取り分を巡って、相続人各人の利害が対立しやすい面といえます。また、遺産の理解やその評価、自己の取り分が相当性の判断についても、相当に成熟した判断能力を有します。
    相続人に未成年者が含まれる場合には、未成年者が単独で遺産分割に参加しては不都合ではないかという価値判断が働きます。
    2.未成年者の法律行為
    未成年者は父母の親権に服します。
    親権者は、子の財産に関する法律行為を代表(代理)すると定められているため、未成年者が当事者となる遺産分割は、親権者が法定代理人として、未成年者を代理します。法定代理人は判断力が未熟な未成年者を保護するための規定です。
    親権は共同行使が原則とされていますから、未成年者の父母が共同して(ただし、一方が親権を行うことができない場合は他の一方のみで)遺産分割協議に参加することになります。未成年者と法定代理人との父母との利益が相反する場合については別途特別代理人を選任する必要があります。
    3.法定代理人が参加しなかった遺産分割協議の効力
    法定代理人が参加しない、あるいは未成年者が法定代理人の同意を得ないで行った遺産分割協議は取消すことができます。
  • 遺留分とは何ですか。

    1.遺留分
    被相続人には、生前の財産処分の自由ほか遺言の自由があり、自己の財産について誰に、どの財産を与えるかを自分の意思で決定することができます。しかし、一定の法定相続人については、一定割合において被相続人の財産を承継する権利が保障されています。これを遺留分といいます。
    遺留分の侵害があった場合、遺留分権利者は侵害者(被相続人から生前贈与や遺言による財産の承継を受けた者)に対して、一定割合での財産の返還を求めていくこととなります。この権利の行使を遺留分減殺請求といいます。
    2.遺留分の制度趣旨
    遺留分の制度の存在根拠については、遺留分権利者が被相続人の遺産に対して有していた潜在的持分の顕在化あるいは、遺留分権利者の生活保障という説明がなされています。
    これは相続の制度趣旨とも共通するものといえるでしょう。
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