運送RMニュース - バックナンバー


オリジナルファイルのダウンロード(PDF)
今年の8月、高速道路において故障により路肩に駐車していた貸切バスに大型トラックが追突し、2名の死者を出した重大事故を受けて、 先般国土交通省より貨物自動車運送事業者に対して、高速道路の路肩に駐車している車両への追突を防止するための取組みを強化するよう通達が出されました。そこで今回は、高速道路の路肩駐車車両への追突事故の要因と防止対策について考えてみます。
駐停車車両への追突事故の要因
★前方不注意をもたらす要因
駐停車車両への追突事故の大半は前方に対する注意の欠如により発生していると考えられますが、それを
もたらす主な要因としては次のことがあげられます。

•長時間の連続運転により疲労が蓄積されると注意力
や集中力が低下して、漫然運転の状態に陥りやすい。
•高速道路の運転は単調で刺激が少ないため眠気が生
じやすく、漫然運転や居眠り運転に陥りやすい。
•深夜から明け方の時間帯は意識の覚醒水準が最も低
下するため、眠気に襲われやすい。
★漫然運転の危険性
漫然運転は、駐停車車両の発見を遅らせるだけでなく、次のような危険も招きます。
•緩やかなカーブの場合はカーブであることに気づきにくくなり、ハンドル操作をしないまま走行して路肩に
はみ出し、駐停車車両に追突する。
•夜間は、駐停車している車両のハザードランプを走行車両のテールランプだと錯覚して、追従しようとして
接近し駐停車車両だと気づいたときには回避できず追突する。(高速道路はスピードが出ているため、発見
が遅れると 回避できない危険性が大きいだけでなく、追突時の被害 も甚大になることを認識しておく必
要があります。)
駐停車車両への追突事故防止対策
●運転者の皆さんへ
•長時間の連続運転は絶対に避け、指示された休憩場所や休憩時間を守って走行しましょう。
•走行中に少しでも眠気を感じたとき、無理をせず最寄りのパーキングエリアなど安全な場所に停止して休憩を
とりましょう。
•高速道路に駐停車車両はいないという思い込みは危険です。特に行楽期は、高速道路走行に不慣れな車も
多く、車両トラブルにより路肩に駐停車したり、なかには運転を交替す

るために本線車道で停車する車さえ
います。また、路肩に駐停車した後、本線に出てくる人
もいますから、常に前方の状況に目を配り早めに駐停車
車両を発見するよう努めましょう。
•駐停車車両があるときは、人が本線車道に出てくる場
合に備え、後続車がいないことを確認したうえで、早
めに右側車線に進路変更しておくとよいでしょう。
●事業者の皆さんへ
•「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
(改善基準告示)」に示されている拘束時間や休息期間、運転時間等を遵守した勤務時間や乗務 時間を定め
ましょう。
•乗務開始前の点呼の場を活用して高速道路の駐車車両に対する注意喚起をしましょう。
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。