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2016年11月号 物損事故で約33億円の賠償支払い命令

物損事故で約33億円の賠償支払い命令

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 2008年8月3日に首都高速道路でタンクローリーが横転・炎上した事故について、2016年7月14日東京地方裁判所より、事故を起こしたトラック運送会社と運転者に対して、32億8900万円の賠償金支払いを命じる判決が出されました。そこで今回は、自動車の物損事故としては過去に例をみない高額賠償判決を取りあげます。

高額賠償判決

◆約45億円にのぼる損害額
 この事故は、ガソリンや軽油を積んだタンクローリーが、首都高速のジャンクションの急な右カーブにおいて、法定速度を超える速度で走行していたためにカーブを曲がりきれずに横転し、積み荷のガソリンなどが数時間にわたって炎上したというものです。
 この事故によって、橋桁が変形し路面が歪むなど高速道路施設に甚大な損傷を与えただけでなく、近隣のマンションの外壁などにも広く被害が及びました。その復旧工事費用だけでも相当な金額に上りますが、それに加えて長期間の通行止めによる逸失利益などを合わせると、約45億円の損失にのぼりました。

◆保険から約12億円が支払われる
 損害賠償については、事故を起こした運送会社が加入していた保険から、危険物輸送に係る補償の最高限度額10億円に7年分の利息を合わせた11億8000万円が支払われました。
※危険物積載車については、保険金額が「無制限」で
 あっても 最高限度額が設けられている場合があります。

◆残りの約33億円が運送会社と運転者に請求される
 保険で支払われた金額は、損害額の4分の1強にすぎませんから、残りの損害額約33億円が運送会社と運転者及び荷主や元請に対して請求され、裁判の結果、運送会社と運転者に対して賠償支払い命令が出されました。荷主や元請運送会社に対しては、「指揮監督関係が運転者まで及んでいたとは認められない」として、損害賠償責任は問われませんでした。
 なお、事故を起こした運送会社は、今回の賠償支払い判決をうけ、裁判所より破産開始決定を受けました。

事業者の皆さんへ

◆トラックの特性などを指導する
 車高が高いため重心も高くなるトラックは、乗用車と比べると横転しやすい特徴があります。特にガソリンなどの液体を運搬するタンクローリーは、液体がタンク内で動くために重心が移動し、カーブを走行するときや交差点を右左折するときなどは横転しやすいといわれています。
 トラックにはさまざまな種類があり、種類に応じた特性があります。また、積荷の種類もさまざまで、積荷の種類や積み方によって運転に与える影響も異なります。
 こうしたトラックの運転特性や積み荷が運転に及ぼす影響などをしっかり指導して、事故を起こさない安全な運転を徹底していくことが大切です。

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。
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