運送RMニュース - バックナンバー

2015年2月号 物流環境変化への対応

適正運賃の収受を目指す

オリジナルファイルのダウンロード(PDF)

物流子会社の存在意義に変化が

イメージ01  物流子会社が存廃の岐路に立たされています。全日本トラック協会は、第1種自動車利用運送事業者を、貨物利用運送事業法から貨物自動車運送事業法の適用対象に移し、実運送事業者と同様の規制を適用するよう国交省に求めており、その場合ノンアセット型である物流子会社への影響は少なくありません。一方で物流子会社の存在感が高まりつつあることも事実でしょう。親会社がSCMを進める重要な役割を担わせるため、第一線のスタッフを物流子会社に投入するなどの変化もみられるだけでなく、実物流企業を傘下に治めるなど機能や役割も変わってきました。親会社が事業の選択と集中を進める中で、物流子会社の(1)物流品質(2)外販比率(3)差別化要因(4)SCM対応力(5)コストなどに注目が集まり、検証も始まっています。結果として、コカ・コーラウエストのように物流子会社を解散させ、外部の物流事業者にアウトソースするケースも出てきているようですが、物流子会社は、既得権だけでは維持しにくいのが現実で、大きな転換期を迎えているとも言えるでしょう。業界の人手不足によるトラック台数減少で傭車費が上昇、親会社から元請け物流会社に流すだけの経営では利益が出せなくなっていることも理由のひとつ。これらの事からも今後、本来あるべきサプラーチェーン・マネジメント(SCM)の軸として物流子会社の役割を果たすと共に、親会社に対する業務受託価値を高め、利益貢献できる物流会社への変貌が求められていると言えるのではないでしょうか。

 このような中、解散や第三者への売却を判断する親会社の気配もあり、年明け以降大きな「変化」が起こる可能性も指摘されています。実際昨年12月22日「ソニー」は、2015年4月をメドに“物流子会社ソニーサプライチェーンソリューション株式の66%を、約180億円で三井倉庫ホールディングスに譲渡する”と発表しました。物流子会社の売却は「日本通運」がほぼ1年前、“パナソニックロジスティクス”“NECロジスティクス”というわが国を代表する電機系物流子会社2社の株式を取得した事でも話題となりました。電機系会社が物流子会社の存廃判断をし始めたのは10年以上前になるでしょうか。2004年の富士通ロジスティクスに始まり、TDK物流、オムロンロジスティッククリエイツなど、グループとは無縁な第三者の物流企業へと売却が続きました。流通系、とりわけ百貨店においても、「大丸」の物流子会社であったアソシアが「日本郵政」に売却され、「H2Oリテイリング」も阪急と阪神両百貨店の配送を担っていた江坂運輸と阪神運送を「センコー」に売却しました。「コニカミノルタ物流」の場合は、「DHLサプライチェーン」と「コニカミノルタホールディングス」が、“企画・計画策定、オペレーションまでの包括的・戦略的ロジスティクスを提供するLead Logistics Provider契約”を結ぶ形で事業を廃止。「タカラトミー」は、タカラトミーロジスティクスとタカラトミーマーケティングを合併させ、タカラトミーマーケティングが商流・物流を一元管理する形に変更、物流子会社をグループ内でM&Aしたとも受け取ることができます。

 本来あるべきSCMの軸となる役割を果たし、外販で親会社に利益貢献する物流会社としては、日立物流、アルプス物流、名糖運輸を筆頭に、外販を増やし、他社の物流子会社を引き取るまでに変貌してきました。日本ではメーカーを中心に、ほぼ一貫して物流子会社の設立が続き、親会社の定年退職者や余剰人員の受け皿としての役割を担うところからスタートしています。この場合自社車両は少ないか、保有しておらず、手数料を収受しつつ、運賃の一部をグループ内にとどめるためだけ、というところも依然として少なくはありません。売上原資の主なものは、利用運送事業者としての手数料収入に依存しています。多くの物流子会社はトラック、ドライバー、倉庫、作業者などを抱えず、外部調達(傭車、再委託、業務委託、派遣など)で利益を上げてきましたが、現在の人手不足、燃料高騰、コンプライアンス経営の局面など、あらゆるコストアップが経営を直撃しているのです。この様な経緯を受けとめる形でも国土交通省はコンプライアンス強化に重きを置いた利用運送業者の実態調査に乗り出しています。利用運送業者を経た荷物が次々と下請けに流れ、無理な運行につながり、安全運行の確保に障害となるケースが発生していることも背景にあります。物流子会社も実運送事業者との協同体制の確立に本腰を入れて行かねばこの波を乗り切ることは難しいかも知れません。

温暖化対策、物流分野荷主との連携がカギに

イメージ02  昨年12月1日から14日までペルー・リマで国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)および京都議定書第10回締約国会合(CMP10)が開催され、2020年以降の各国の削減目標を今年11~12月にパリで開催されるCOP21の場で正式に決定することが決まりました。COP21に先立ち、来年の第1四半期までに各国が約束草案を提出することも決定しており、このための施策立案が急がれています。わが国の温室効果ガス排出量は、2013年度実績で13億9,500万トン(CO2換算)。2009年度以降4年連続の増加となり、京都議定書の基準である1990年度比10.6%増、今後の基準となる2005年度比でも1.3%増と増加しています。2005年度比増の大きな要因として、火力発電の増加による化石燃料消費量の増加、オゾン層破壊物質からの代替に伴う冷媒分野からのハイドロフルオロカーボン類の排出量増加が挙げられています。運輸部門の2013年度CO2排出量は2億2,200万トン。近年は自動車の燃費改善により旅客部門も減少しており、2005年度比は12.6%減少しましたが、1990年度比は2.3%増となっています。ただ貨物輸送部門では順調に減少しており、2005年度比は実に15.1%減の実績となっています。

 日本経団連は、2020年を目標年次とする低炭素社会実行計画を2012年度に策定し、毎年度フォローアップを実施してきました。今般まとめた2014年度フォローアップ結果(2013年度実績)によると、物流分野は産業部門を中心に物流拠点の集約化、3PL事業者の活用、荷主と物流事業者の連携などによる物流の効率化、低CO2排出型車両への転換などの取り組みにより、多くの業種で輸送量あたりエネルギー使用量が改善しているとの見解を示しています。先に開催されたグリーン物流パートナーシップ会議でも、温暖化防止の観点から物流はますます重要な分野になるとし、より多くの荷主と物流事業者の連携も求められるとの指摘がなされており、2020年以降を見据えた取り組み強化が必要になっています。

国土交通省、物流施策大綱の見直し

イメージ03  国土交通省は12月26日、総合物流施策推進会議を開催。総合物流施策推進プログラムに掲げた全127施策の実施状況を検証、関係民間団体からの意見を踏まえて見直しを行いました。

 総合物流施策大綱では、同大綱に基づいて策定された推進プログラムを毎年度検証、見直すこととされており、現大綱策定後1年を経て初の見直しを実施したものです。国交省では国際コンテナ戦略港湾政策、過疎地などでの宅配サービスの維持、物流業界の労働力不足に対応した施策の検討といった重要施策を推進してきましたが、今回の検証ではそれぞれの施策がプログラムに従い「ほぼ着実に実施されている」ことが確認できました。この検証結果と2013年9月以降の物流を取り巻く環境の変化を踏まえ、総合物流施策推進会議は5項目にわたる施策を追加。日中韓3国でリターナブルパレットの実証実験を行い、ASEANへの普及などを目指す政策対話を進展させることや、農産物の輸出促進に関する情報共有の仕組みを構築、海外販路拡大に向けた取り組みを行うことや、インターネット通販市場の拡大に伴い宅配再配達の削減して行くこと、また過疎地などで宅配サービスを維持するための貨客混載や物流業界の労働力不足対策…を盛り込みました。

 特に労働力不足問題に対しては、物流政策アドバイザリー会議や物流問題調査検討会を設置し、対応方策を検討。あわせてトラック運転手確保・育成、女性の活躍のための環境整備を始めとした制度改善に総合的に取り組むこととしました。

TOPページへ戻る

おすすめコンテンツ

  • 地域AD倶楽部
  • ベルマーク運動
  • 運送ラボ
  • 建設ラボ
  • フード&アグリラボ
  • ケア・フレンズ
  • ベストケアサポーターのご紹介
  • eco now
  • インターリスク総研