運送RMニュース - バックナンバー

2015年1月号 適正運賃の収受を目指す

適正運賃の収受を目指す

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事業強化を目指し運賃交渉を成功させよう

イメージ01  宅配便大手の佐川急便が昨年秋“アマゾン”の配送をしたことが運賃値上がり傾向に拍車をかけ、H26年9月には最大手の日本通運が15%値上げを断行する事態となりました。荷主側であるメーカでもトラック不足や燃料高騰、人手不足を受け、運賃値上げを受け入れる傾向にありますが流通業などでは交渉が進んでいないのが現状です。他にも運賃値上げの動きが中小トラック業まで行きわたっているかと言えばそうでもない、ということがこのたび全ト協の調査で明らかになりました。

 同協会が12月1日に発表した「燃料価格高騰分の転嫁状況についての実態調査」によると、真荷主からの燃料サーチャージまたは燃料高騰分の運賃の収受状況について、燃料価格高騰分を全く収受できていない元請事業者が27.6%と約3割を占めていることがわかりました。荷主への「燃料高騰分の交渉」状況では、料金の値上げ要請を行った事業者は68.7%と実に7割近くを占めています。この中で値上げ成功できた事業者は要因として、「運送会社の実情、原価等を理解し、厳しい状況を理解してくれたため」=81.5%、次いで「社会情勢の変化(全体的に運賃が値上げ傾向にあるなど)によるもの」=58.0%、「長年の取引による信頼関係があるため」=52.2%という結果でした。一方で値上げ出来なかった事業者はその要因を、「真荷主が自分の取引先(着荷主)から燃料高騰のコスト増分の転嫁を受けていないため」=52.2%、「真荷主の経営状況が厳しいため」=44.6%、「一層の自助努力を求められた」=33.1%となっています。荷主が物流業者である場合は特に燃料サーチャージの仕組みが複雑かつ手間暇もかかる、などの理由により、より一層交渉が難航しているようです。また荷主がメーカである場合でも荷主の運賃は年間予算化されており、同様に交渉は容易ではないことも明らかになっています。また中には、委託先の3PL業者に値上げ分の負担をさせている荷主も少なくないとか。

 この実態調査は、国土交通省が、元請業者、物流子会社を対象に、各都道府県トラック協会に依頼し行ったものです。燃料価格高騰分の転嫁の定着を図る上で、荷主、協力会社(下請事業者)との取引が重要な役割を果たすことを確認、浸透させようとする目的がありました。この結果をもとに、国土交通省では「適正取引推進(サーチャージ導入・価格転嫁)強化月間」を11月に設定し、荷主等とトラック事業者の適正取引について強力に推進していくとしています。

 佐川ショック以降業界全体が値上げの追い風に乗れているのでは、との期待感も高まりましたが、実際には大手と小規模、また都市部と地方の間で運賃上昇の実態には開きが残ったまま、2014年も終わろうとしています。景気の格差同様、下支えに回る側が結局ツケを払う…、という声も聞こえて参りそうではありますが、この様な悪条件が揃えば揃う程有利になってくるのはかねてより法令を遵守し、顧客を第一に考えた経営に徹するため、地道な努力をこつこつと続けてきた企業であります。ルールを守らず“今日の荷物だけを運ぶ”ことだけを考えやってきた業者との差は荷主が厳しい選択をする事態に陥った時こそはっきり現れてくるもの。“例え明日地球が滅亡せしようとも、私は今日林檎の木を植える”という言葉をこのところよく思い出します。できることは全てやれただろうか…、もう一度本年を振り返り、再交渉に臨みたいものですね。

交通基本法最終案、ネットワークがキーワードに

イメージ02  昨年成立した交通政策基本法に基づき、社会資本整備・交通政策審議会計画部会は前月17日、その最終案をとりまとめ、近く閣議決定する計画です。基本方針は、(1)生活交通対策(2)国際・地域間交通・物流ネットワーク構築(3)安全・安心の3つを掲げ、いずれもネットワークの必要性が強調されています。

 基本計画は、3つの基本方針ごとに、これまでの取り組みをさらに推進していくもの、取り組み内容を新たに検討するもの、および数値目標が掲げられました。(1)生活交通対策には、過疎地物流確保、先進技術を利用したドライバー運転支援を推進します。(2)国際・地域間交通・物流ネットワークには三大都市圏環状道路整備、戦略港湾での大水深コンテナターミナル整備や内航の活用促進、海上と鉄道を組み合わせたシー&レールなどモード横断的な輸送の積極的な導入、道路による都市間速達性の確保、鉄道貨物輸送を推進するとともに、新たな取り組みとして、幹線交通と地域内交通の連携強化、鉄道貨物輸送の拡大を検討する考えです。国際輸送関係では、農林水産物・食品輸出の物流面からの支援、交通事業・都市開発事業の海外市場への参入を促進させます。最後に(3)安全・安心への取り組みとして、災害時に経済活動が維持できるよう代替ルートの確保および輸送モード間の連携、モーダルシフトを、新たな取り組みとして生産性向上や人材確保を含めた競争環境の整備を挙げています。17日の計画部会で、政府が進める地方創生とも相まって、いずれの施策においても「ネットワークが必要となる」ことを確認しました。同委員会は安全・安心の面から「労働時間、とりわけ運転者の改善基準が守られていない」として、監査要員の外部委託も検討すべきとの意見も出されました。 閣議決定後、実行段階に入る予定ですが、「優先順位やメリハリは付けるだろうが、道路の維持管理など、ネガティブなものに対してコンセンサスを得ることは重要なこと」だとし、新たな課題として挙げられました。

全日本トラック協会、第3四半期景況感発表

イメージ03  全日本トラック協会は2014年7~9月の景況感を発表しました。同調査によると7月~9月期は、消費税増税後の反動により引き続き景気が落ち込み、企業マインドを低下させる要素となった、としています。日銀短観の9月調査における業況判断DIは大企業製造業において改善が見られたものの、大企業非製造業、中小企業のいずれも悪化するなど、企業マインドの低下が確認されています。このような中、トラック運送業界においては、消費税増税後の輸送量減少が継続しているなど事業環境は厳しく、トラック運送業界の景況感の判断指数は▲34.7となり、前回(▲30.8)から僅かに悪化しました。景況感の判断指数は、いずれの規模においても低下していますが、大規模事業者の下げ幅は6.9ポイントとやや大きくなっています。

 今後は、消費税増税後の反動減からの回復が期待されるものの、トラック運送業界では円安の影響から燃料費の高止まりが懸念されており、また労働力の不足感も強まっていることから、景況感の判断指標は、今回から1.0ポイント悪化の▲35.7が見込まれています。業種別では一般貨物で、輸送数量が「減少」とする事業者が33.4%、「増加」とする事業者が22.1%で、判断指標は▲16.5となり、前回(▲4.4)から12.1ポイント低下しました。特別積合せ貨物では宅配貨物で輸送数量を「減少」とする事業者が46.3%、「増加」とする事業者が9.8%で、判断指標は▲36.6となり、前回(▲23.7)から12.9ポイント低下しました。宅配以外の特積貨物では、輸送数量を「減少」とする事業者が52.9%、「増加」とする事業者が14.3%で、判断指標は▲38.6となり、前回(▲23.4)から15.2ポイント低下となりました。また運賃水準は、一般貨物は+8.0(前回+8.0)と横ばい、宅配貨物は+4.9(前回+23.7)と18.8ポイント悪化、宅配以外の特積貨物は+44.3(前回+39.1)から5.2ポイント改善となっています。雇用状況(労働力の過不足)は+61.3(前回+61.5)とほぼ横ばいで、依然として不足感が強いままです。また採用状況は2.2(前回▲3.8)で指標は6.0ポイント改善し、所定外労働時間は▲7.5(前回▲2.1)と5.4ポイント減少、などとなっています。いずれの数値も、実質景気回復の遅れを反映するものと思われ、新年早々厳しい状況への対応が求められるところです。

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