運送RMニュース - バックナンバー

2014年12月号 物流環境の変化に対応しよう

物流環境の変化に対応しよう

オリジナルファイルのダウンロード(PDF)

物流コンペにも変革の兆しが・・・

イメージ01  荷主企業がコスト削減を至上命題として行ってきた物流コンペ。これに際し物流企業が今まで安価な金額を提供できてきたカラクリの1つに、トラック供給過剰による運賃ダンピング競争がありました。しかしこのところのように燃料価格の高止まりが続き、人手不足によるトラックの台数減少で傭車費も上昇してくるようになると、このスタイルを維持して行くことも困難になってきます。結果として価格競争コンペから、本来あるべき姿である企画・提案型コンペに移行する傾向が目立つようになってきました。ある物流コンペで再落札を果たした3PL企業のトップに話を伺ったところ、「傭車費が上昇しているので10%アップで入札したがそれでも最安値だった」とコメント。さらには「荷主側も原油価格の上昇で製造原価は上昇している。その分物流コストを抑えたいはずなのに、こちら側の実情を察しようやく認め始めてくれているようだ」との印象も持たれたようです。

 コンペ(competition)は御存知のように「競争」という意味を持ちますが、物流コンペはその目的から、大きく2つに分類が可能です。コスト削減を至上命題とするタイプと、荷主企業の事業展開を支えるサプライチェーンマネジメントをはじめとした、物流改善提案の優劣を競うタイプとに、区分できますが、改善提案型のコンペは、運営を仕切る事務局の手間がかかるため、比較的安易にコスト削減できる相見積り形式の物流コンペが多く採られてきました。しかしながら現在、物流企業側に真の提案能力が備わっていないというケースも少なくはありません。中堅物流企業の間では、数年前から物流コンペへ参加しないという考えも多くなってきています。コンペで仕事を得て専用の設備投資を行っても、償却できない段階で契約期間が終わり、なおかつ次のコンペで簡単に契約を切られてしまうことも少なくなかったようです。それ以降ある企業ではこれらを教訓に、物流センターを汎用型にし、共同センター・共同物流を強化しているとしています。ネームバリューのある荷主に新規参入するためのコンペなら、少々赤字が出ても・・・という価格で挑んだケースも過去にはあったようですが、コストは安価でも、業務品質が悪くなったことが目立ち、結局途中で契約解除されたケースや、半年程で追加費用を求める物流企業もいたりと様々。これらの理由からコスト削減を至上命題とする物流コンペが物流業者側から敬遠されだした形となっているのです。またそれを加速させているのが、昨今の人手不足によるトラックドライバーと庫内作業員の減少。

 日本ではアセット型の3PL企業が多いため、営業利益を圧迫する傭車費の上昇には常に敏感です。ある調査によると、現在の傭車費増加分は「ほぼ荷主に転嫁できた」と「増加分を荷主と折半している」がほぼ半々。オーナー系地場の中小物流会社の方が、腹をくくった対応をし始めているようだ、としています。作業員の確保については、「一括受注した業務の構内作業員として外国人研修生を受け入れた」「日本国籍を持った2世、3世を採用した」など、コストダウンに向けた努力も目立ってきています。荷主と物流企業は「Win-Win」や「パートナー」としての関係が理想ではありますが、支払う側と受け取る側という立場の違いからくる歪を消し去ることは難しいというのが現実でしょう。物流企業側が荷主へ確実なビジネスメリットを与え得ることが、双方のメリットをより平等に近づけることになるはず。「オンリー安価」のコンペから「企画・提案型」コンペへ移行する条件は、現在整いつつあるように思えます。“チャンスをつかめる企業”としてのチャレンジ。機会があれば参加してみる価値はありそうですね。

全日本トラック協会、事業者大会を開催

イメージ02  全日本トラック協会(星野良三会長)はこのほど、第19回全国トラック運送事業者大会を開き、トラック業界の交通安全対策や人材確保などについて討議を行い、軽油高騰対策の推進などを盛り込んだ大会決議が採択されました。
 大会には全国から1500人余が参加。開催地ブロックの原重則九州トラック協会長のあいさつに続き星野会長は、軽油価格の高止まりやドライバー不足など業界を取り巻く厳しい環境について触れ、「トラック運送事業者は事業存続の危機に直面している」と述べました。特に燃料高騰対策として “軽油引取税の旧暫定税率廃止、少なくともトリガー条項発動” の全国一斉署名活動について、「目標100万人の2倍となる200万人の署名が集まった。今後、政府・与党関係機関へ提出、改善に向けた施策の実施を強く求めていく」方針を示しました。

 大会では第一分科会「トラック業界の交通安全対策の推進について」、第二分科会「トラック業界の人材確保および育成について」をテーマにパネルディスカッション。第一分科会では、デジタルタコグラフやドライブレコーダーなどを活用した運行データに基づく安全運転指導の重要性が指摘されました。実績を挙げている企業は「他社よりも厳しく、細かく社内ルールを定めている」として「一番の効率は安全をつくること」との意見もありました。第二分科会では、ドライバーの教育システムを確立することで未経験ドライバーを積極的に採用する事例が紹介された。また高等学校の立場から、「トラック産業やGマークはあまり認知されていないので、積極的にアピールしてほしい。求人の資料を送るだけではだれも見ない」と、丁寧な求人活動も求めました。

 記念講演は、石原進九州旅客鉄道相談役による「鉄道の再生~JR九州の経営を通して」。国鉄時代からの赤字脱却の道のりを語り、人員の削減などコスト削減と同時に、九州を走る様々な観光列車の登場など「発想の転換とアイデアによる新規事業への挑戦」の重要性を強調しました。
 その後、「旧暫定税率の撤廃」など8項目からなる大会決議と、「各都道府県別の車両1万台当たり死亡事故件数を『2.0』以内とする目標に向けた安全対策の取り組みの推進」など2項目を盛り込んだ「事故防止対策の徹底にかかわる大会決議」をそれぞれ採択しました。

日通総研、短期企業動向調査発表、回復基調も足取り重し

イメージ03  日通総研日通総研は10月21日、短期企業動向(2014年7~9月実績)を発表しました。国内向け出荷量『荷動き指数』は、7~9月実績(見込み)では、前期(4~6月)実績より1ポイント低下して△4となった一方、10~12月見通しでは3ポイント上昇して△1と見込まれ、小幅ながら改善するものと見られています。国内向け7~9月実績の業種別『荷動き指数』は、7業種において前期実績よりも上昇する一方、他業種では低下するなど、業種により跛行性がみられました。10~12月見通しでは、4業種がプラスに反転するなど、11業種において『荷動き指数』の上昇が見込まれています。輸送機関利用の7~9月実績の見込みは、特別積合せトラック、宅配便では前期(4~6月)実績から横ばいで推移し、その他の輸送機関においては上昇しましたが、全輸送機関でマイナスとなりました。10~12月見通しでは、引き続き全輸送機関において『利用動向指数』がマイナスとなる一方、一般トラック、特別積合せトラック、鉄道コンテナでは小幅な改善の動きがみられる見込み。内航コンテナでは横ばい、宅配便、国内航空では悪化する見込みとなっています。

 物流コスト割合の7~9月実績『動向指数』は、輸送用機械が1ケタのプラスにとどまる以外は、残り14業種が2ケタのプラスを示しました。業種全体では+24と、前期実績からは横ばいで推移。10~12月見通しでは、精密機械など4業種でプラス幅が縮小する一方、食料品・飲料、木材・家具など9業種でプラス幅が拡大する見通し。この結果、業種全体の『動向指数』は4ポイント上昇して+28と見込まれ、物流コスト割合の拡大はさらに続くと見込まれています。

TOPページへ戻る

おすすめコンテンツ

  • 地域AD倶楽部
  • ベルマーク運動
  • 運送ラボ
  • 建設ラボ
  • フード&アグリラボ
  • ケア・フレンズ
  • ベストケアサポーターのご紹介
  • eco now
  • インターリスク総研