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2014年10月号 運賃の上昇をまぼろしにしない!

運賃の上昇をまぼろしにしない!

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運賃交渉を成功に導く

イメージ01  昨年秋の佐川急便とアマゾンによる運賃闘争を皮切りに、物流関連の運賃は上昇の波に乗り始めました。特に昨年末は、燃料高騰や人手不足により、荷物に対応できるトラックが大幅に不足したこともあって、荷主側も止む無く値上げに動かざるを得なくなったのです。しかしながら、H2年に最後の認可運賃が定められて以降、20%以上も値下がりしたままの運賃から回復していくのは容易ではありません。H26年9月1日より最大手の日本通運が15%値上げを断行するなど、運賃の値上げ傾向は業界全体に拡がりを続けています。メーカー物流においては主にトラック不足が値上げの要因とされていますが、今年の夏商戦では宅配便最大手のヤマト運輸がチルド輸送で昨年末配送未達を教訓に総量規制をかけるなど、運賃値上げを後押しするような事象が数多く見られました。荷主も受け入れ傾向にある運賃値上げですが、荷主が流通業である場合は交渉が難航、せいぜい1~2%程度に留まっているようです。また全日本トラック協会調査によると、全体の6割程が運賃値上げと無縁の営業を続けているとのこと。燃料高騰や人手不足を補える程の十分な運賃確保にはまだまだ遠い道のりが続きそうです。ただそれでも、現在の状況を黙って受け入れたままでは、会社の存続が近い将来危ぶまれることになってしまうはず。過半数を占める運賃未交渉業者の皆様には、是非とも強い覚悟を持って今一度荷主へ訴えを始めていただきたいと願います。

 運賃交渉を成功に導くにはしっかりとした準備も必要です。現段階で“あたって砕けろ”的な嘆願は必要ありませんし、行なっても逆の効果しか生まないと思われます。“値上げ”の理由はいちいち言わなくともわかるくらい正当なものばかりですが、それでも必要性を証明するデータ(燃料費の推移や人件費、車両維持費の高騰なども)はきちんと明示致しましょう。今更燃料高騰や人材不足を知らない荷主がいるはずもなく、誠意ある態度と正しいデータを示すことで、受け入れざるを得なくなることもあるのではないでしょうか。もちろん運賃値上げの大前提として、普段の仕事をきちんとこなしていることは言うまでもありません。無事故や高いサービスレベルを日頃から徹底できていなければパートナーとして値上げをお願いする資格もうすいような気がします。一方で多少運賃を上げても失いたくない、と思われている業者であれば、余程のことがない限り交渉は上手く行くことでしょう。顧客満足(CS)を経営の柱としてきた事業者には多くの成功事例があることからも、いかにCSが重要であるかが明らかになってくるはず。どうしてもコストに合わない仕事は断る覚悟も必要でしょう。窮状やかかっているコストを突き付けても、理解してくれない荷主の仕事を続けることは赤字を膨らませるだけかもしれません。赤字を続けるならば、会社をたたんで、駐車場にした方がまし、とする経営者もおられました。特に大型車両の不足は著しいものがあり、荷主変更も視野に検討をしていくことも必要でしょう。人材不足が顕著化しドライバーが圧倒的に足りなくなっているという認識は社会全体に拡がりつつあります。若年労働力の不足がトラック業界のみの問題ではないだけに、その確保に向けた取り組みは一層強化していかねばなりません。そのために欠かすことのできないのが、収益向上と運賃の値上げなのです。

 物流サービスは日々高度化し、それに伴う人材教育もこれまで以上に欠かせぬものとなってきました。顧客満足度を限りなく追及し、物流業の枠をさらに拡げて行く事で業界のイメージも大きく変わるはずです。高いスキルを持った物流のプロは、やがて若者の“就きたい職種”として今までとは違った形で脚光を浴びるようになる―我々が理想とするこの状況を一日も早く実現するためにも適正な運賃収受は絶対に獲得したい始めの一歩なのです。交渉の準備を怠ることなく、自信を持って臨んでいただきたいと思います。先のデータ明示に加え、できる限り荷主側に寄り添った業務提案(共同輸送やネットワークなど)を行い、全体のコスト削減を話し合ってみることも誠意ある態度を示すことにつながります。全国規模に拡がってきた運賃上昇の波に乗らない手はありません。交渉のチャンス再来ととらえ、ものに致しましょう。

国交省来年度概算要求、物流人材確保に注力

イメージ02  国土交通省の2016年度予算概算要求と税制改正要望が8月28日、与党国土交通関係会議で了承されました。物流部門(物流審議官所管)は物流産業イノベーション推進予算を大幅に増額要求したのをはじめ、環境省のエネルギー特別会計を含め18項目に及ぶ要求を行ないました。
 来年度予算は、省全体で公共事業6兆121億円(前年度比1.16倍)、非公共事業6,749億円(同1.12倍)を要求。公共事業のうち、道路整備は、効率的な物流ネットワーク強化として3,277億円をあて三大都市圏環状道路を整備するとしています。首都圏3環状道路(首都高環状・東京外環・圏央道)は2015年度の概成を目指すことにしています。空港整備の特記事項は沖縄県と国内外とを結ぶ人・物流の拠点となる那覇空港の滑走路増設を引き続き行う計画。港湾整備のうち、国際コンテナ戦略港湾政策を加速するため、公共事業793億円、非公共20億円により大水深コンテナターミナル整備、背後地物流施設整備、ゲート前渋滞緩和の取り組みを強め、背後への産業集積による創貨および広域的な集貨を行う予定です。非公共のうち、物流部門は地域創生、労働力確保、国際物流、グリーン化、災害対応を重点5分野に設定しました。特に労働力確保は、女性・高齢者・若者へどういったアプローチが効果的かの意向を把握し、就業促進策を検討するとともに、荷主に対して商慣行やオペレーション(長時間待機や荷役作業の要求など)適正化に向けたガイドライン策定を行う予定です。
 また環境省との連携は、鉄道による国際海上コンテナ輸送促進事業を新規に要求。40フィート背高コンテナを鉄道輸送する際、トンネルの高さ制限が解消できない区間があるため、300ミリ低床化した貨車を開発した上で実証実験を行うことにしています。自動車部門(自動車局)でも人材確保育成に1億5,000万円を新規要求、女性・若年者雇用の先駆的モデルケースや先進事例を収集・分析したガイドラインの作成や、実証実験として東京~大阪間輸送の際、「名古屋で中継して複数人で運送を分担」する「ITを活用した中継輸送」のテストを行うことも計画に盛り込みました。一方、安全情報の分析機能強化を新規要求。要監視事業者リスト作成や事業者格付け情報の提供などに結びつける予定です。

全国物流ネットワーク、
 女性ドライバー確保へ、労働環境整備プロジェクト発足

イメージ03  ヤマト運輸など全国大手事業者で構成される全国物流ネットワークは8月26日、会員各社で働く現役女性ドライバーの目線から見た魅力ある労働環境作りについて調査研究するプロジェクト立ち上げを発表しました(プロジェクトは10月27日に立ち上げる計画)
 現在トラックドライバー73.3万人のうち約2万人が女性ドライバーです。ただ他産業と比べ労働時間が長いことや、荷役なども多く、働きづらい労働環境にあるとして敬遠されがち。安部内閣が打ち出している女性活用に基づき国土交通省では2020年のオリンピック開催時までに女性ドライバーを4万人に増やす計画を持っています。プロジェクトは会員各社のトラックに乗務する現役女性ドライバーで編成、勤務形態、勤務地、作業体制、子育て支援策、安全対策、研修制度などをテーマに、行政や先進事業者の取り組み事例なども参考にした上で、女性が働きやすい営業用トラックドライバーの課題と方向性などを整理することにしています。今後プロジェクト会議は10月から3月まで毎月定期的に開催、具体的な計画を進めていく考えです。

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