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2014年9月号 物流業の地位向上を図ろう!

物流業の地位向上を図ろう!

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物新免許制度を味方に人を呼ぶ

イメージ01  ドライバー不足が深刻化する中、警察庁は7月10日、運転免許の区分を新設し、18歳で運転できるトラックの総重量を5t未満から7.5t未満に引き上げることを決めました(来年の通常国会に道交法改正案を提出予定)。これは主に高校新卒者を意識、彼らが運送業界に就職しやすくなることが重要な目的で、ドライバー不足が深刻化する中、運送業界の期待は大きいものがあります。今回の見直しで、普通免許と中型免許の間に車両総重量3.5~7.5t未満の新区分免許を創設することが決まっています。受験資格は従来通り18歳以上、新区分免許で頻度の高い普通4tなどCVS配送車両、宅配便配送車両を運転することが可能となります。そもそも中型免許は普通取得後2年以上経過した20歳以上に受験資格がありました。新区分免許は普通を先に取得することが条件となりますが、トラックを使った教習を受けて試験に合格すれば、18歳から運転できるようになります。これまでの中型免許の取得可能年齢20歳という条項が実質緩和されたことにより、高卒者の就職に光がさしたとも言えるでしょう。今回の改正を最も強く後押ししたのは全国高等学校長協会などの教育機関による政府への要請です。もちろん国土交通省もドライバー不足が深刻化する中、ワーキンググループを設けてこの動きをトラック業界団体と共に政府に働きかけてきました。全日本トラック協会では高校新卒者をはじめとした若年者のトラックドライバー就業に大きな効果が期待されるとしています。

 ただ免許制度が改正されたからと言ってそれだけで安心はできません。ドライバー不足がこれで即改善されるほど、問題は単純でないということです。未解決のまま残っている課題は、とりもなおさず働き手の環境改善や賃金に代表されるものでしょう。中小企業が多いこの業界では適正運賃の収受すら未だ成立していないのです。“残業ゼロ”“週休2日”などもってのほかという空気も、そう簡単に払しょくできるものではありません。国交省は安全基準など厳しくすることで事業者数の適正化や競争が促され、健全化が図れるとしていますが、現実はそう甘くもない気が致します。

 現在自家用トラックによる輸配送車両は事業用の実に6倍。業務委託の名のもと、自営トラックによるサービス代行業者が多数存在します。“便利屋”サービスなどの小規模業者に至るまで実に幅広い業態の事業者を、一律に規制しようとすること自体無理なことにも思えます。営業トラックの健全化を図る前に膨大なすそ野を占める自家用トラックを、正しく規制することが先決でしょう。いずれにせよ法整備や規制緩和により念願の若手労働力を手にできたとしても受け入れ態勢が整っていなければ、人材定着に結び付けることはできません。これにはまず肝心の企業側が物流業者としての社会における役割を理解した上で、プロフェッショナル意識を高めておく必要があるでしょう。ドライバーを始めとする業界のイメージが中々改善しないのは業者側に専門職としてのプライドがまだまだ希薄だからではないか、という意見も少なからずあります。長年にわたり蓄積してしまった運送業のイメージが、残念ながらほとんど“悪”であるだけに解決は一朝一夕にいかぬ、といったところでしょう。この点についても国交省は業界団体や事業者と共に話し合いを進め、少なくともトラックドライバーという職業の価値を今以上に上げていくための取り組みを始めています。まず若者にも興味を持ってもらえるように、ドライバーとして採用された後のキャリアパスを明確にすること。ドライバーを専門性が薄いバイト的な仕事ととらえがちな点も、実は不人気の一因であるとした上で、技能検定などでスキル化し第三者から見ても技術の高さを一目で判断できるようにしたいとしています(トラックマスターズ、トラックスーパーバイザー等=仮称)。すでに検討段階に入ったこれら認知向上への取り組みも、受け入れる業者全体の協力なくしては成立しないもの、1社ごとの力は小さくとも、地道に取り組む前向きな姿勢を崩さず、業界全体の隆盛を実現させたいものですね。

全日本トラック協会、“緊急”事故防止対策を実施

イメージ02  全日本トラック協会は「交通事故死者数の減少に、あらゆる施策を講じ取り組む必要がある」とする緊急宣言を7月17日開催の常任理事会で行ないました。警察庁の有識者検討会が18歳で取得できる新区分免許(車両総重量3.5~7.5t)創設を決定したことに伴い、総合安全対策が必要との見解が示されました。このことも大きな要因ですが、これまで減少傾向にあった営業トラックの事故が増加していることから緊急宣言を期に事故防止対策を強めることにしたものです。

 中型免許制度見直しが行われた警察庁の「貨物自動車にかかわる運転免許制度のあり方に関する有識者検討会」で「車両安全対策」「運行管理者等機器普及拡大」「トラック運転者への指導・監督強化」「トラック運転者教育の充実」が掲げられ、警察・国交省庁から死者数の削減に向けた共同啓発活動の推進要請が全ト協に対して提出されました。緊急宣言の内容は「トラック運送業界として、過労運転の防止はもとより輸送の安全確保に万全を期すことにより、交通事故死者数の増加にかかわる事故防止対策の強化を申し合わせる」となっています。各県トラック協会に対しては、事故防止対策会議を開催するなど交通事故防止の推進を要請しました。

 国土交通省が策定した総合安全プラン2009では「2018年(平成30年)までに事業用貨物自動車が第一当事者(過失が最も重い)となる事故死者数を220人以下にする」目標を掲げていました。中間年である2013年の目標は330人以下ですが、実績は349人で目標未達となり、さらに2014年は5月まで150人と、前年(135人)を1割強上回る状況となっているのです。過去3年間の各県ごとの車籍別死亡事故件数は車両台数規模の差はあるものの、大幅に減少しているところと増加しているところが混在しており、各県の取り組みおよび交通環境に差異がある可能性もあります。全ト協では交通対策委員会で別途詳細な検討を行うことにしています。

センコー、ランテックを子会社化

イメージ03  センコーは7月31日、ランテックの株式47.7%を10月2日付で取得し、連結子会社化することを発表しました。 両社は資本業務提携を行い、センコーはランテックの取締役の過半数を派遣することにしています。ランテックが発行する株式29.8%を取得するとともに、ランテックの株式17.9%を保有する光輝からも譲り受けることで、議決権総数の47.7%を取得することになります。

 ランテックは定温輸送を主力とし、冷蔵倉庫業なども手掛けています。特にJR冷凍コンテナを含む保冷車を主体とするトラック保有台数は1000台強。九州から関西、関東、東北地区まで冷凍冷蔵保管拠点を展開し、協力会社との連携で定温物流の全国ネットワークを構築しています。 センコーは、自社の量販・小売分野などの物流ノウハウと、ランテックの持つ定温物流のノウハウを一体化させることで、相互に顧客ニーズを補完し、新規顧客開発が行えると判断したものです。 子会社化後は、ランテックが築き上げてきた定温輸送のブランド力を最大限に発揮するため、ランテックの社名、商品名(フレッシュ便)については、取引先との関係などを尊重しながら業務提携を進める考えです。

 ランテックは、センコーが全国に配置する物流センターや営業基盤を活用し、冷凍・冷蔵事業の営業開拓を進めるほか、センコーと国際物流戦略で連携し、海外で冷凍・冷蔵事業の拡大を図ることにしています。取得する株式の29.8%分は41億4500万円で取得(光輝からの取得額は未公表)。今回の株式取得は故・高谷孝会長の死去に伴い、その遺志に基づいて行われたとしています。

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