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2014年8月号 “選ばれる企業”を意識しよう

“選ばれる企業”を意識しよう

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物流ビジネスにさらなる変化が…、体力強化の必要あり

イメージ01  物流コストの上昇を改革で乗り切ろうとする大手荷主やCVSなど、国内の物流環境に大きな変化が現れています。近年佐川急便を始めとする大手宅配便業者が打ち出した、“コストに合わないものは運ばない”経営方針により、はじき出された企業貨物などが各地で停滞しているという事実がここにきて明らかになってきました。(週刊ダイヤモンドにも特集)

 燃料高騰や人材不足で、もはや後がない苦境にあえぐ物流業界にとっては、まさにさらなる余震の到来でしょう。“物流業界を覆う濃い霧”の発生には、やはりそれなりの深い要因がいくつもあるのです。少しずつ湧き上がってきたこれらつじつまの合わぬゆがみが、ついに表面に向かって噴出し始めたのかもしれません。さかのぼってみると物流業が認可制から許可制へと変更された平成2年以降、激化する競争のはざ間で差別化をうたえぬ中小運送業者は、荷主に対して従属の姿勢を余儀なくされながら、サービスの一環として当然のごとく値下げを繰り返してきました。以来上下する燃料費をものともせず、運賃は実に30%近くも下がり続けたのです。下がった運賃を最初に吸収したのが、ドライバーの給与。それまでは“ハードでも高収入”な職業として若者にもそれなりの人気を保っていたトラックドライバーが、3K(きつい、汚い、危険)と言われるようになるまでそう長い時間は要りませんでした。現在荷物に対し、不足しているドライバーは約10万人、数年後にはこれが14万人(約1.5倍!)にまで増えると言われています。“大手”というもんどころがこの先いつまで有効なのか、疑問視する声も上がり始めています。現在、佐川急便+ヤマト運輸で約8割強を占める宅配便業界ですが、それら大手のわずかな“弱み”を逆手に取った戦略で、少しずつ力を蓄える中小業者の存在も気になるところでしょう。実際このところ佐川が避けてきた大型貨物は、その方面と得意としてきた西濃運輸や、さらにはその先の小規模業者が受け皿となり、急場をしのぐ形となっています。ただ、圧倒的に不足する現ドライバーの数では、大小いずれの荷物も賄えない、許容をはるかに超えた状態ですから、繁忙期や夏場商戦が加わると、再び新たな事故発生につながる可能性もあるでしょう。このような問題に直面するたびに再認識するのはやはり一刻も早く“ドライバーを確保しなければ…”ということです。もちろん人手不足については各社すでにあらゆる対策を講じておられることと思います。しかしその結果は先の“運べない”状態が表す通り、芳しいとは言えません。しかし少数派ではありますが、そのような中でも新卒採用や定着率向上に成功した人材対策の“勝ち組”があるのも事実です。それらの企業に共通しているのは、トップ自らが社員の意見に耳を貸し、待遇改善に挑んでみたり、高校や各種学校に出向き少しでも物流に関わりを持つ学生を紹介してもらい直接アタックしたり、などの行動を起こしていること。この前向きな姿勢と行動が会社全体の雰囲気を上げ、周囲も熱心でしっかりとした会社、と信用してくれるようになる…、何よりも社長自身が動けば“事”が現実味を増してくることは確かなのです。

 値上がり始めた運賃に高騰する燃料費や人件費が加わってくると、近い将来宅配便を始めとするほとんどの貨物類が大幅な値上げとなる可能性は大きいと思われます。その時一般消費者を始めとする顧客は一体どこを選ぶのか…、“配送料大値上げ時代”を見据え、“選んでもらえる”事を意識した対策を開始しておかねばなりません。人を財産とする物流業としては何よりもまず優秀な物流マンの育成に焦点を合わせることが勝利へのカギとなるはず。再度原点に戻り応募する側の目線になって、他社のホームページなども参考にしてみるなど、人材対策の確実な検証に入ることから、始めたいものです。

神奈川県トラック協会調査、ドライバー不足大型ほど顕著に

イメージ02  神奈川県トラック協会が6月に実施した調査でドライバー不足が深刻化する中、高校生の意識としてドライバーは長時間労働で賃金や社会的評価が低いと考えられていることが明らかになりました。この調査は会員企業に対し、トラック運送業で“少子高齢化に対応した労働力確保”をテーマとした調査と、県下17高校の在校生を対象に、“運輸業務や職業選択”に関する意識調査を、それぞれ実施したものです。調査結果によると、事業者向けアンケートでは6割以上がドライバー不足だと回答。ドライバーが不足している免許の種類としては、大型免許を挙げた事業者が51.9%、限定中型免許(旧普通免許)が37.2%、限定解除を含む中型免許が35.5%、けん引免許が16.6%、新普通免許が7.4%…と、大型化するほどドライバー不足の深刻さが増していることが明らかになりました。また、事業者側が考える「ドライバー採用の障害となる求職者のドライバー業務へのイメージ」に関する質問(複数選択)では、「労働時間が長い」と答えた事業者が72.8%に上り、次いで「賃金が高くない」(65.3%)、「社会的評価が高くない」(41.4%)…と、労働条件に関する項目が上位を占めました。協会はこれらの結果に対し「高校生(若年者)の採用に際して、中型免許制度と育成の余裕がないことが障害になっている」「ドライバー業務のイメージとして、労働時間、賃金水準、危険度の労働条件が良好でないと認識されている」とまとめました。

 一方、高校生向けアンケート(県内高校生1273人が回答)では、職業選択で重視する要素として「経営が安定している点」との回答が52%で最多となり、「仕事のやりがい」(48.4%)、「給与水準が高いこと」(41.2%)を挙げた高校生も多くなっていました。運輸関係の仕事やトラックドライバーに対する就業希望に関する質問では、「考えていない」が全体で72.8%、男子生徒で62.8%、女子生徒で83.2%。逆に、「考えている」と回答したのは全体で4.2%、男子生徒6.2%、女子生徒2.2%となりました。運輸関係の仕事やトラックドライバーを将来就きたい職業の一つとして考えている割合は今のところまだ非常に少ないのですが、男子では若干高くなる傾向も明らかになりました。神ト協は「事業者と高校生のドライバーに対するイメージは、労働時間、賃金水準、業務の危険度について否定的な内容で合致」していることを指摘しています。

国土交通省、事業用自動車事故調査委員会を設置

イメージ03  国土交通省はこのほど、交通事故総合分析センターを事務局として、各分野の専門家で構成される事業用自動車事故調査委員会を設置することにしました。第1回会合を6月26日に開催、トラック重大事故の現状と背景などを分析しました。同委員会の開催は、社会的影響の大きな事業用自動車の重大事故について、事故の背景にある組織的・構造的問題の更なる解明や、より客観的で質の高い再発防止策が必要との社会的要請に応えたものです。

 発生する事業用自動車の交通事故のうち、社会的影響が大きく、事故原因が自動車運送事業者の組織的・構造的問題に起因する可能性がある場合や有効な再発防止策を必要とする等の重大な事案については、同委員会で、事故要因の調査分析と再発防止策の提言を行っていくことにしています。

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