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2014年6月号 時代変化に対応する物流業の取り組み

時代変化に対応する物流業の取り組み

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必要性を増す3PL事業

イメージ01  現在日本の市場では、4人に1人が高齢者という超高齢化が進み、少子化問題と併せると消費活動が非常に困難となっています。この状況が続けば、需要はますます減退していくと推測されており、「モノ(商品)余り」や「モノ(商品)離れ」時代がますます本格化してしまうことにもなりかねません。このような市場の中では普通にものを作って流通させても、商行為としての成立は得にくいはずです。お客様に「これが欲しい!」と思わせるモノ(商品)でなければ売れない…、ということは、商品に標準レベル以上の付加価値や、サービスが伴っていることが絶対条件となってくるでしょう。商品を生産販売する荷主にとって今は非常に厳しい時代であり、高品質やサービスレベルといった分野に、今まで以上に力を注いでいかなければならないのが現状です。このような状況の中、荷主は自社のコストを見直し、自社管理が困難な分野や物流部門のアウトソーシングを行ってコストを減らし、自社の強みであるコア事業に経営資源を集中することで、他社との競争力を高めていく経営手法を取り入れようとしています。今物流業者はその生産と消費をつなぐ間で、最も効率的かつ品質の高いサービス提供を求められる立場にあると言えます。そのサービスこそ、3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)事業と呼ばれるもので、国交省でも現在強く奨励している形態であります。ただ残念なことに、アウトソーシングを受託する3PL業者は、いまだにこのニーズに応えていると言えない部分も多いようです。戦略的なロジスティクスの提案と実行力を求められる3PL形態が十分に機能していない…、この様な声が内外から聞こえてくるのは一体何が原因なのでしょうか。

 国交省が行った荷主側のアンケート調査結果はそのまま荷主ニーズとしてとらえることができます。まとめてみると、(1)プロフェッショナルな人材に安心して任せたい(2)提案やコンサルティングを受け、改善したい(3)コストを削減し、コア事業に集中投資したい(4)情報システムも含めノウハウを蓄積したい…など。これに対する物流業者側の課題は、(1)プロフェッショナルがおらず、コンサルティング能力が乏しい(2)結果としてコストダウンにまでつながらない(3)専門知識不足、などがありました。3PLを受託する物流業者自身が専門性構築のため費やす時間とコストを確保できない、ということがまず大きな問題でしょう。現在の運送業の延長戦上に3PLがあると勘違いしたままで、荷主物流を引き受けてしまうと、悲惨な結果を迎えることになってしまいます。まずは業者自身がとことん3PLを知り尽くすことから始めなければなりません。荷主共々利益を向上させるための一歩は、ここからです。専門知識を効果的に習得できる3PL講座などを営業社員に受講させるか、そのノウハウを持つ事業者と一緒になって荷主改善に取り組み、そこから学ぶことが有効だと思われます。現在開講中のものでは、「日本3PL協会」が実施している「3PL管理士講座」など、信頼性の高いものを選ぶべきでしょう。国交省も日本物流団体連合会と一緒に3PL人材育成講座を行っています。ただしこちらは時間数が短く、基礎から学ぶには少し物足りない気がいたします。今後の3PL事業は、これまでよりさらに踏み込んだ戦略的、効率的なロジスティクスの提案が求められて参ります。受託業者はまず自らが専門知識を持つコンサルティング会社やシステム、マテハン業者などと連携し、知識を蓄えた上で現場改善に臨むべきでしょう。荷主にとって、より良い経営環境が実現できることで、物流業者への仕事の依頼も増え、連携する会社も活気を帯びるという良いサイクルが出来上がってくることが理想です。

 次世代のビジネスチャンスは、思わぬ所に潜んでいるのかもしれません。時には思い切った舵取りで新たな挑戦にかけることも必要です。何はともあれその際は、十分な情報収集と下準備を怠らない…、このことをお忘れにならなければ、その道もきっと明るいものになるでしょう。

JILS発表、2013年度売上高物流コスト

イメージ02  日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は4月27日、2013年度物流コスト調査結果を発表、近年は概ね5%弱で推移しており、前年度調査より0.05ポイント上昇し、4.77%となりました。

 業種別では製造業で、「窯業・土石・ガラス・セメント」の売上高物流コスト比率が最も高く、8.69%。卸売業では、「卸売業(食品飲料系)」が6.13%、小売業では「小売業(通販)」の12.09%が最も高い数値となっています。

 物流コストに占めるリバース物流コストの割合は、2013年度は2.67%。領域別では返品・返送物流費が1.69%、回収物流費が0.74%、廃棄物処理が0.14%、リサイクル物流費が0.10%でした。

 物流コスト削減策についての回答(N=182)で、最も多かったのが「積載率の向上」の118、次いで「在庫削減」の107、「物流拠点の見直し」104でした。今後物流コスト削減として力を入れたい分野として、配送拠点の見直しと共同配送を挙げる荷主が多く、今後の物流チャネルなど推移が注目されるところです。

日本経団連運輸委員会開催、新物流背作大綱について学ぶ

イメージ03  日本経済団体連合会はこのほど運輸委員会を開催、成城大学の杉山武彦教授が総合物流施策大綱(大綱)の評価と今後の物流政策のあり方について解説、その後意見交換を行いました。

 杉山教授は大綱に、東日本大震災の教訓を踏まえた「物流における災害対策」が追加されたことや、経団連提言を受け、今後の物流施策が目指すべき方向性として「全体最適な物流の実現」での責任部署や目標の達成時期が明示されたことを評価しましたが、経団連委員から要望のあった大綱の施策の方向性や優先順位の明確化については、踏み込み不足となっていると指摘しました。

 物流をめぐる今後の展望では、震災後、日本企業の新興国への海外展開の目的は、生産コストの低減から市場の獲得へと進化しており、新たな業種や中堅・中小企業の海外進出が加速することで従来とは異なる物流ニーズが発生するなど余地は大きい、としています。今後、アジア等の各種インフラ整備の必要性の高まりを受け、環境・エネルギーや水、交通をはじめ複合的なインフラ・システムの輸出が実現すれば、関連する中小企業の進出が一層進展することとなり、それに伴う物流機能の需要も発生することにもなります。こうした動きに対し、国内空洞化を懸念する声もありますが、日本企業の海外進出は日本の経済の成長に不可欠であり、国内での生産活動が国際分業体制に適切に位置づけられることが重要と指摘しています。

 今後の物流政策のあり方で、物流の普遍的な課題は、高度化する荷主のニーズに応えるため、輸送や荷役など物流活動を構成する個々の機能の向上あるいは機能の組み合わせの工夫により、全体としての物流を効率化・合理化することがガキとなります。そのための具体的手法としては、「個々の荷主あるいは物流企業による省力化・機械化」「物流拠点の集約・分散と情報化」「サプライチェーン全体による共同化」「インフラ整備」などがあります。産業政策の推進と物流体制の改善・強化は表裏一体であり、物流は基本的に産業を支えるもの、として物流政策も個別企業の取り組みと産業動向を踏まえたかたちで実施されることを望みたいものです。

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