運送RMニュース - バックナンバー

2014年1月号 見直そう、エコドライブの威力

見直そう、エコドライブの威力

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増え続けるコストへの対応は?

イメージ01  現在輸送業界においては、深刻な経営問題に加え環境問題が大きなコスト負担となり、企業の行く手に立ちはだかっています。これまで運賃下落に対応するためにコスト削減の一環としてトラック事業者の大事な経営資源であるトラックの代替を遅らせ、経営費用の削減を図ってきました。しかし東京都など9都県市が導入した環境確保条例によって、大型トラックで10年、普通トラックでも7年で代替を行う必要に迫られています。また改正NOxPM法によって、東京千葉埼玉神奈川、大阪、兵庫、愛知、三重の一部では一定の車齢を越えての車検を受けることができないことになっているという現実も苦境に拍車をかけている理由のひとつです。ここにきてあらたに規制適合車両を購入する必要が多くの運送会社で発生しているのです。一方で車両メーカー側もこの環境規制に対応する車種を開発するためのコストがかさみ、その結果トラックの車両価格が大幅に引き上げられることにつながりました。大型車両では尿素によるNOXPMを緩和することが主力となっており、そのための費用も負担になるという理由もあります。これら降りかかる課題にどう対応して行けば良いのか、明確な答えはなかなか出て参りません。ただひとつ確かなのは、“基本に忠実なエコドライブを徹底していれば万事に通じる”ということでしょうか。当たり前のように使われるあまり、今やインパクトの薄い印象となってしまったエコドライブという言葉ですが、この意味と、もたらす効果を再び叫ぶ時が来ているように思えます。丁寧な運転と安全を意識しなければ、このエコドライブに至ることはできません。つまりこれだけでも、燃料削減と事故の減少につながるのです。「トラックは道を譲ってくれないし、運転も荒いし、怖くて嫌い」というあまたの悪評を払しょくするにも一役かえます。

 来年度の消費税アップが刻々と近づく中、増税分の転嫁を思い悩むゆとりすらない、といった経営者の声も少なからず聞こえて参ります。航空業界、海運業界では燃料費の高騰がそのまま、運賃のアップやサーチャージとして利用者に負担してもらえる図式が成り立っていますが、とりわけ中小規模の事業者が多いトラック業界では燃料費高騰分の運賃転嫁問題の方が、まだ深刻なのでしょう。業界団体である全日本トラック協会の荷主団体や政府などに対する救済措置が功を奏する時を待つ一方で、引き続きドライバーの安全に対する教育や運転改善などを推進し、地道にエコドライブの徹底に努めて行くことが賢明であると考えます。

 トラック業界全体のテーマでもある「ムリ、ムダ、ムラのない輸送」実現という観点からもエコドライブは重要なポイントであり、コストの削減に大きな効果をもたらします。繁忙期を無事に乗り切り、新しい年に突入した時点において必ず12月を中心とした2013年の反省事項を洗い出し、改善作業に取り掛かることも忘れてはなりません。安全やエコドライブ以外にも、車両の回転率やドライバーの働き方など、メスを入れなければならない課題は、まだ多いと思われます。それでもできるところから、ひとつずつ解決していかなくては、2014年の厳しさに対応していけません。会社全体の意識をひとつにしつつ、さらなる飛躍の年をスタートさせたいものですね。

国交省、環境行動計画策定へ

 国交省は新たな国土交通省環境行動計画を策定するにあたり、現在社会資本整備・交通政策両審議会合同会議による審議を進めています。その中で物流関係では、新たな施策として大型CNGトラックによる幹線輸送と9月に施行された改正道路法による大型車両の通行誘導などが挙げられています。政府全体の温暖化対策としては新計画の検討を9月から再開し、11月6日に開かれた環境部会合同会議で、計画の骨格が示されました。計画期間はまだ定まっていませんが、11日から始まったCOP19の目標に合わせ、2020年までを視野に入れていれたものとなっています。運輸部門の対策は、政府全体のとりまとめを行う中央環境・産業構造審議会合同部会で「運輸部門の革新的技術は出尽くしており、2020年や30年に向けて(既に明らかになっている)技術を実用化・普及させることに焦点を当てるべき」「単独の技術だけでなく交通流対策やまちづくりなどシステム化した対策を進めるべき」などの意見が出されています。

 今回示された行動計画の中で、物流関連施策を具体的に見てみると、
  (1)環境対応車(次世代大型車を含む)の開発・普及、
  (2)エコドライブ普及啓発およびエコタイヤの導入促進、
  (3)交通流対策(走行速度を向上させる)として環状道路など幹線道路ネットワークの整備、
  (4)31フィートコンテナや切り離し可能なトレーラなどの導入推進による鉄道や海上へのモーダルシフト、
  (5)陸上輸送距離を短縮するためのターミナル整備、
  (6)トラック車両の大型化や自営転換の促進、地域内共同輸配送、グリーン経営認証・カーボンオフセットなど
    環境負荷の見える化推進、
など。加えて、CNG供給施設の導入支援、改正道路法による大型車両の適正化、など新たな施策も盛り込んでいます。改正道路法に関しては、大型車両通行を誘導すべき経路を国土交通大臣が指定することで、特殊車両通行許可手続きをスムーズにするもので、前の通常国会で成立しています。また鉄道へのモーダルシフトについて、「31フィートコンテナ導入のみ支援すれば推進できるものではない。もっと多様な要素があり検討が必要」との指摘もなされています。新行動計画は、次回年明けの合同会議で原案を提示し、年度末に策定する予定になっています。

宅配便、相次いでずさんな温度管理明らかに

イメージ02  ヤマト運輸は11月28日、常温下でクール宅急便の仕分けが行われていた問題を受け、全国3924拠点及び主管支店70か所の温度管理状況の調査結果と再発防止策を公表しました。調査の結果、仕分けルールが徹底できていない拠点が253か所(全体の6.4%)あることが判明。顧客28人から「過去にクール宅急便を利用し、体調不良になったことがある」との申し出が合ったことも明らかにしました。調査結果を受け、同社は「品質を持続的に維持、向上していくための人材の配置と体制づくり」「クール宅急便の取扱量増加に対応するための体制強化」「品質を維持するための定期的なモニタリングと、ルールの見直し」「クール宅急便の総量管理制度の導入」の4点を中心とした再発防止策をまとめたほか、社長ら役員6人の月額報酬を6か月間5-10%減額する処分を行ないました。また日本郵便も同27日の記者会見で、保冷ゆうパックの取り扱い不備が判明したことを受けて今月半ばから実施していた社内調査の結果を発表しました。ことし4月から9月までに取り扱った保冷ゆうパック1350万個のうち、賠償に至ったケースは1755件ありました。保冷ゆうパックの取り扱いがある区分郵便局(仕分け機能を持つ郵便局)60局、集配郵便局3520局、窓口で引受けのみを行う郵便局1255局の合わせて4835局に対し、支社の社員が立ち入り一斉検査を実施したところ、取り扱い方法の不備や保冷機材の不足、点検機材の不足などが現認されたのは、検査対象の1割に近い453局でした。同じく佐川急便も同29日、同社の保冷宅配「飛脚クール便」で温度管理の不備による輸送品質の劣化問題が判明したことを受けて実施した調査結果と対応策を発表しました。佐川急便の調査結果によると、ことし上半期(3月21日から9月20日)の飛脚クール便1535万1780個のうち、賠償に至ったのは3674件で、温度上昇によるものは891件あったことが分かりました。891件の内訳は、「運用未徹底・人為的ミス」が68%で最も多く、その中でも冷蔵、冷凍、常温の温度帯を誤ったミスが29%に上りました。食に関するチルド物流でのこのずさんな扱いは大きく消費者の信頼を失うと考えられるだけにその代償も大きいと言えそうです。

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