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2013年11月号 環境と物流を考える

環境と物流を考える

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環境改善にも貢献してきた物流業界のこれからは?

イメージ01  “トラック輸送などをはじめとする物流企業は、環境を破壊している”・・・一般的に社会からいだかれている業界のイメージは、とかく悪役のようです。確かに少し前までは、おびただしい排出ガスと騒音をまき散らし、公道を走るトラックも目立ちましたが、京都議定書以降、特定荷主及び貨物輸送業者への厳しいルールが制定されてからはCO2排出量も格段に減少、業界をあげてグリーン経営を推奨し続けてきました。その結果は御存知の通り、膨大な数の営業トラックなどを有する運輸業界においては当初の削減目標が達成されました。ただその分1990年に比べ、大幅に増加した自家用車が業界削減以上にCO2を排出し、全体目標を邪魔することとなったのです。折しも先般、世界各地で海水温や海面の上昇も新たに確認され、地球温暖化へ向けたより強い警鐘も鳴らされたばかりです。とりわけ国内においては原発問題や燃料の高騰など、エネルギー削減をより推進せねばならない要因が多く存在しています。その削減計画を、強化する上で平成18年に施行された改正省エネ法(地球温暖化対策促進法)を再度知っておく必要があります。

 これまでの工場や事業所に加えて、一定規模以上の事業者(輸送業者鉄道=300両、トラック、バス200台、タクシー350台、荷主3千万トン)にも省エネ計画書と報告の義務が発生したのが改正省エネ法。以来先に述べた通り、業界全体の地道な努力が功を奏しCO2排出量は削減を続けていました。しかし経産省と環境省発表(公表制度による)2010年度実績では一転増加に転じたのです。これは前年度のリーマンショックによる大幅減の反動が大きく影響していると推察されます。今年で5回目となるこの公表制度ですが、ここにきて各社の環境への取り組みが減ってきたというわけではないと思われます。事実特定荷主の報告を見てみると2008年度9.4%減、2009年度12.7%減と、削減努力を続けてきたことが見てとれます。さらに物流各社の環境報告書を見ても2011、12年度と引き続きCO2排出量削減に向けて精力的に取り組む姿勢がはっきり現われています。

 しかし、このまま物流業界のみで削減努力を続けていっても、その結果には当然限界もあるはず。一般乗用車のドライバーに向けたエコドライブや省エネ運転の呼びかけも、今のままではさほどの効果につながらないと思われます。省庁の広報活動をさらに拡げ、一般用CO2削減の協力要請も強力に推進して欲しいものです。さらには業界でも荷主を巻き込んだJITサービスの見直しや共同配送の推進など、引き続き行なっていくべきでしょう。

 地球温暖化対策は前民主党政権が、温室ガス排出量を2020年までに、1990年度比25%削減するとした地球温暖化対策基本法案が、昨年12月の衆議院解散により廃案となっています。その後は「地球温暖化対策本部」が今年11月にワルシャワで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議者(COP19)までに、新たな地球温暖化対策を策定する方針を示しています。環境省と経済産業省の合同会議も審議を開始しました。社会資本・交通政策合同部会では、2012年4月に国土交通省の中期的温暖化対策の中間取りまとめを行なっており、これにそって審議されることになります。中間取りまとめでは、個別対策・施策13分野のひとつに「物流の効率化」が盛り込まれ、モーダルシフト、荷主と物流事業者の協働、貨物の利器上輸送距離の削減、ゼロエミッションポートの推進、グリーン認証制度の普及、トラック輸送の効率化の6つが掲げられました。この中にはすでに来年度予算要求されている「中・長距離貨物輸送分野の低炭素モデル構築事業」などもあります。この事業は5000km程度の幹線輸送に一定規模の台数の大型CNGトラックを投入、合わせて大型車両用のCNGスタンドを起終点に配置し、モデルとなる事業計画を策定・これを認定し、トラックやスタンドなどの設備投資を支援するものです。これまで進められてきたトラックの営自転換が限界近くにきており、こうした新たな施策の立案が望まれているのです。日本の平均気温は今後100年間で世界平均を上回る2.1~4.0度も上昇すると予測されています。物流分野が日本全体の温暖化対策をリードする、この目標に向けた取り組みは今後も続いていくことでしょう。

国土交通省、運送会社の監査・処分を強化

イメージ02  国土交通省は9月17日、悪質なトラック事業者などに対し、集中的に他より優先して監査を行う新たな方針を、10月1日から施行することを発表しました。行政処分基準も改正し、11月1日から適用を開始することも決定しました。これまで車両使用停止処分としていた法令違反のうち、7項目を“30日間の事業停止処分”へと厳格化、2014年1月1日以降の違反に適用されます。

 手法と範囲が見直された新たな監査により、違反歴などの事業者情報を把握しやすくなります。先に述べたように重大・悪質違反の疑いがある事業者に対して、優先的に監査を実施することにしたため、「優先的監査の実施事業者」と「継続的に監視していく事業者」のリストを体系的に整備、違反行為を繰り返す事業者の違反歴を処分内容に反映しやすくする計画です。11月1日からの施行となる行政処分基準の改正では、悪質・重大違反に対する処分を強化する一方、軽微な違反の対象(文書警告=行政指導)を拡大。事業停止処分後に改善されない事業者の許可を取り消すようにするほか、記録類の改ざん、交替運転者の配置違反、日雇い運転者の選任などで処分量定を引き上げることにしました。

改正されるのは、これまで車両の使用停止処分としていた(1)運行管理者の未選任(2)整備管理者の未選任(3)全運転者に対する点呼未実施(4)監査拒否・虚偽の陳述(5)名義貸し・事業の貸し渡し(6)乗務時間の基準に著しく違反(7)すべての車両の定期点検整備が未実施 ― の7項目。これらには、来年1月1日から30日間の事業停止処分が課せられます。さらに運行管理者資格者証返納命令の適用事項を見直し、運行管理者の名義貸しの禁止も明示しました。またこれまで記録の記載不備については、1回の監査で違反件数が多い場合は車両停止処分となっていましたが、文書警告にとどめるなど、改定することにしています。

SGホールディングとハマキョウ、株式交換中止を発表

イメージ03  SGホールディングスとハマキョウレックスは9月27日、資本業務提携の中止を発表、提携関係は今後模索されることになりました。

SGHDグループの国内3PL事業を担う佐川グローバルロジスティクスをハマキョウが10月1日付で完全子会社化し、代わってハマキョウの株式20%をSGHDが取得することとなっていましたが、実行まで数日に迫った土壇場での破談となってしまいました。

 SGHDとハマキョウは今年5月24日付で、国内3PL事業の統合を柱とした資本業務提携と株式交換契約を締結、具体的な協議を進めてきましたが、SGHD側が「両社のシナジー効果を創出するための協議が不十分」だとして、「来年3月までの株式交換延期」を要請、さらには9月24日の取締役会・臨時株主総会でも「現状のまま、重大な契約である株式交換を実施するには時期尚早」と判断されたため、株式交換の中止を決議しました。
これを受けてハマキョウは「SGHDで中止が決定された以上、当社としても解除せざるを得ない」として9月27日に株式交換契約と資本業務提携契約の解除・中止を決めたものです。

 そもそも佐川グローバルロジスティクス(国内3PL)の再生をはかるSGHDが、国内有数の3PL企業であるハマキョウとの提携を申し入れたものでした。ハマキョウとしても今後国内外のネットワーク強化を図れるとして両者の株式交換が行われることになっていたものです。
両社は「株式交換と資本業務提携は中止となるが、引き続き業務面での協力体制を維持していく」との見解を示しています。

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