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2013年10月号 進化する物流への対応

進化する物流への対応

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動き出す新物流施策大綱、人材育成にも注目

イメージ01  9月に入り、日暮れも随分早くなって参りました。例年であれば夏の名残りの台風が日本列島を襲うのが、この時期の常であったはず。予測不能な豪雨や竜巻がその台風にとって代わり始めたのは、いつの頃からでしょうか。はっきりした四季を気象の特徴としてきた日本の人々は、長きにわたりその気候にあった作物を育て、魚を捕って暮らしてきました。“異常と言われる今をこれからは普通であると思い直し、それに合わせた品種の改良や対策を続けていくしかない”―猛暑で被害を受けた農家の方の言葉が頭に残ります。

 物流業界にも新たな変革の嵐が近づきつつありますね。すでにTPPの影響を予感させるような動きもいくつか出始めています。日本郵政と米大手保険会社との提携もそのひとつ。3PLを含む進化した物流システムを看板に、新たな競争相手が海外から押し寄せてくる日もすぐそこまで来ています。守りを固め体力を強化する意味でも、今一度それにふさわしい人材の育成を考え直しておきたいもの。6月末に閣議決定された新物流施策大綱の中でも優秀な人材を育てるにあたり、いくつかの提案がなされました。興味深いその他の内容も少し見てみることに致しましょう。今後5年間の物流施策の方向性を示した新総合物流施策大綱、各省庁では現在、2014年度予算要求に盛り込む項目をめぐり最終的な作業が行われています。以前小覧でも取り上げたことのあるこの施策ですが、最大の焦点は、わが国物流システムを海外にどう売り込み、アジアの成長を取り込むことができるか、その一方で懸念される国内空洞化を国内物流面でどう阻止するかにあると思われます。

 新大綱は、有識者検討委員会の提言を踏まえ、経済産業・国土交通両省が中心となって策定されました。最終的な調整で財務省、総務省、農林水産省、海上保安庁なども積極的に関与し、具体的には輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)の海外展開、G空間(地理空間)情報を活用した新しい物流サービスの創出、卸売市場ではコールドチェーン整備や災害時の生鮮食料品供給拠点としての役割を果たすこと、海上交通センターの機能向上などが盛り込まれています。これ以外にも関連団体によるヒアリングが大綱の内容に反映されていることが今回の特徴とも言えそうです。例えば物流システムの海外展開に関して、物流連は「国際的な認証制度の創設」を求めており、今後どう制度化されるかが注目されるとしています。企業の海外移転を防ぐ上でも、わが国の立地競争力を強化することは重要でしょう。 これを受ける形で国際コンテナ戦略港湾と国内各港を結ぶ国際フィーダー航路の充実、戦略港湾以外の物流機能強化など多くの施策が盛り込まれましたが、問題は限られた予算の中で、集中と選択を誤ることなく進めて行くことと思われます。決して単なるバラまきではなく、十分内容を理解した上で、世界に通用するようなハブ港湾・空港を描き達成目標とすべきでしょう。成長性の観点から優先順位をつけ、実施することが必要と思われます。新大綱でも「(これまでは)重点的に取り組む事項が明確でなかった。国際競争の中で国がスピード感を持って施策を展開する必要がある」と明記しており、今後施策の優先順位付けを行うことが必要としています。物流コスト問題は、「単に運賃を下げるのでなく、ムダをなくすことが重要」ですね。大綱のキャッチフレーズにも「ムリ・ムダ・ムラのない全体最適な物流の実現」が掲げられています。ムダのない物流を目指す施策には、“適正な在庫管理を伴わない受発注”“短納期、梱包規格の不統一”を非難。運送契約の書面化により、あいまいだった運送条件や待機料金も明確化されます。物流事業者による荷役稼働率など業務に関するデータ分析やKPI(重要業績評価指標)の設定なども掲げられており、これらを今後どう実現していくかも重要な課題だと言えるでしょう。
なお新大綱では「送料無料と銘打った商品の販売が広く行われ、消費者が物流コストを正しく認識しづらい状況にある」ことも指摘しています。

 物流人材の育成も国を挙げて行うべき課題に挙げられています。有識者検討委員会でも「物流学科」の増設に力を入れたいとしており、国内に数校しかない現状の打破を目指すとしています(物流学科は米国で80校、中国では200校)。グローバル化した物流に応えられる人材を今後5年間で育成するのが目標、サービスとシステムを輸出する上でも今後人材育成は重要課題だと考えられています。

国土交通省、2012年度宅配便実績取りまとめ

イメージ02  2012年度宅配便等取扱実績の取扱個数は、35億2,600万個だったことが国交省の発表によりわかりました。内訳は、トラック運送が34億8,596万個、航空等利用運送が4,004万個でした。
前年度と比較すると、1億2,504万個(前年度比3.7%増)の増加となり、3年連続で対前年度増加であることがわかりました。うち、トラック運送は1億2,296万個(3.7%増)、航空等利用運送が208万個(5.6%増)でした。便名ごとのシェアをみると、トラック運送は、上位5便が全体の99.5%を占めており、さらに「宅急便」、「飛脚宅配便」、「ゆうパック」の上位3便で92.5%にものぼります。また航空等利用運送は、「飛脚航空便」、「宅急便タイムサービス等」、「フクツウ航空便」及び「スーパーペリカン便」の4便で全体の約半数に。

 増加の要因としてインターネットなどを利用した通信販売による需要拡大や各社の営業努力による新規需要開拓などが寄与したと考えられています(日進月歩の商品開発も、もちろん理由のひとつでしょう)。これまで個人(CtoC)から企業(BtoC)への市場拡大によって業績を伸ばしたヤマト運輸の宅急便などが顕著な例です。今後、通販やネットスーパーなどの市場は拡大傾向にあり、今後も宅配便は堅調に推移すると見込まれています。

 なお、2012年度のメール便取扱冊数は、54億7,135万冊、前年度と比較すると、1億3,243万冊(2.5%増)の増加となっています。メール便のシェアをみると、「ゆうメール」と「クロネコメール便」の上位2便で、95.3%を占めており、他社の追従を許さない状況が続いています。

道路交通マネジメントISO39001、トラック7社が取得

イメージ03  昨年10月に国際規格として発行された道路交通安全マネジメント(ISO39001)、国内での認証取得事業者が7月末現在で24社になりました。うち、トラック運送事業者は福山通運(本社=広島県福山市)やトヨタ輸送(同=愛知県豊田市)7社が取得しています。 ISO39001は、全世界で年間100万人といわれる自動車事故による死者数を減らすため、ISO国際審議委員会(TC241、議長国=スウェーデン)が中心となって策定、昨年秋よりISOとして世界に普及され始めました。ISO39001は経営トップが率先して事故防止の大方針を決定し、体制を整備して計画を策定、PDCAサイクルによる継続的な取り組みを行うことが特徴です。ここまでは運輸安全マネジメント制度と同じですね。ただし審査は登録制で取得は任意(運輸安全マネジメントは評価制度)であること、グローバルスタンダードであること、ヒューマンエラーへの対応も対象範囲や計画の範囲など任意で決められることになっています。
昨年10月発行後、いち早く日本興亜損害保険など損保会社が認証を取得しました。運送業界でも名正運輸(本社=愛知県海部郡)や福山通運が昨年中に取得。両社はこれまでも、デジタコやドラレコの搭載を積極的に進めており、より安全への取り組み強化として導入に踏み切ったものです。今年に入り、東海流通システム(同=愛知県弥富市)やトヨタ輸送など5社が相次いで取得しました。導入各社では、ISO39001の導入により徹底したPDCAサイクルが構築されることによって、運輸安全マネジメントなど従来の取り組みとの有機的連携が進み、安全が一層増進されるなどの効果が出ている、としています。運送事業者の取得はタクシー3社含め10社、損保会社や自動車リース、商社などいわゆる白ナンバーは13社、ほか運行支援サービス1社の合計24社が取得しています。諸外国ではイギリスやスウェーデンでまだ数件あるのみで、日本での認証取得が最も進んでいるのが特徴です。ISO39001国内審議委員会の事務局である独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)では、翻訳版の発行や安全マネジメント講習会で概要を説明するなど普及・広報活動を行っています。また東京・名古屋・大阪の各主管支所で、認証取得を希望する事業者に対して昨年度は10社(運送事業者6社、自家用事業者4社)にコンサルティングを実施、今年度も新たに5社で実施しており、今後は大手事業者を中心に取得が進むものと考えられています。

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