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2013年8月号 景気の回復に向け、競争力を高めよう

景気の回復に向け、競争力を高めよう

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アベノミクス効果、物流業には効果至らず?今しばらく、企業努力の継続を

イメージ01  安倍政権による経済政策効果は、いまだ一部の産業に留まったまま足踏みを続けています。金融緩和や規制緩和を引き金にインフレ転換を図り、デフレから脱却しようとするアベノミクスは、小泉首相時代にも推し進められた政策とほぼ同じですが、当時多くの企業が国際競争にさらされ、結果として国内産業が米国等海外ファンンドの傘下となり、大量の国内資産を失うことになりました。現政策は自動車産業など一部大手には効果があっても、企業の約9割を占める中小事業者にはその恩展も少ないものです。先日も安倍首相は国内中小企業経営者と懇談会を持ちましたが、厳しい競争と山積する課題に直面する経営者達との温度差は大きいものに思えました。「アベノミクスに対する企業の意識調査」(帝国データバンク6月13日発表)によると、運輸・倉庫業界の評価は予想通り低く、「国内景気はアベノミクスにより押し上げられていると感じるか?」の問いにもイエスは36.6%、ノーが38.4%を占めました。最も好感触であったのは不動産業界で、53.7%が景気上昇を感じていると回答。またアベノミクスによる自社業績を問う質問には運輸・倉庫業界の51.7%が「これまでと変わらない」、さらには22.3%が「マイナスの影響がある」と答えました。調査の結果を見るまでもなく、経済政策の効果を寝て待つ暇など、国内の中小物流企業にはあるはずもないということでしょう。先に閣議決定された新しい物流施策大綱にしても、前回同様具体策の実施にはまだ大きな懸念が残るというもの。“頼れるのは自分のみ”という基本姿勢は、当分くずす訳にいかぬようです。物流業界の景気回復は、国内物流量に大きく左右されます。多くの国民が豊かさを感じ、購買意欲を膨らませて始めて増える物量でありますから、景気の好転より一歩二歩、遅れて業界の春は訪れる、ということになるのです。

 それにしても次々と降りかかる火の粉の中で、身を守るポイントを一つに絞るとすれば今、何が最適なのでしょうか・企業によって状況に差はありますが、最もお勧めしたいのはやはり“他社にはない付加価値を、ひとつ作ること”であります(もちろんその“オンリーワン”以外も通常のコンプライアンスに乗っ取ったものでなければなりません)。ではその“付加価値”をどうやって作ろう?という時に効果を発揮するのが荷主に対するアンケートです。定期的に(年に1回とか半年に1回とか)荷主企業の社長宛に直接アンケート用紙を郵送し、回答をもらって参考にしている企業も少なくありません。ドライバーの態度や、サービスについて、また今後の要望など回収したアンケート用紙は、宝の山と言っても過言ではないはずです。アンケートの最後に“評価したいドライバーがあれば教えてください”との設問を設け、後の表彰にも利用するとのこと。社員のモチベーションもあがりそうです。会社の成長や武器に必ずつながるものとして、これらアンケートを地道に実施していくことはとても有効な方法でしょう。豊かな物量の回復を待つための企業体力強化に向け、独自の工夫を行ない、苦境を乗り越えていただきたいものです。

 参議院選挙の街頭演説で安倍総理は、“皆さんが景気回復を実感していないことは、よくわかっている”とした上で“この夏、国内旅行に出かける人は過去最高を記録、景気は良くなった”と声を上げました。本当にそうなのでしょうか。海外旅行ではなく、ささやかな国内旅行の方を選ぶ庶民の心情や、旅行どころではない人々、とりわけ仕事に追われる中小運送業経営者の皆様が多く存在することを、国家の主導者には理解していただきたい…心の底からそう感じたものでした。

政府、新たな物流施策大綱を閣議決定

 政府は6月25日、物流施策や物流行政の指針を示し、関係省庁が連携し総合的・一体的な物流施策の推進を図るものとして、「総合物流施策大綱(2013-2017)」を閣議決定しました。新たな大綱の概要は「強い経済の再生と成長を支える物流システムの構築~国内外でムリ・ムダ・ムラのない全体最適な物流の実現~」を目指すべき方向性としており、平成29年(2017年)の年次目標を目指し、推進することになります。

 概要は第一に産業活動と国民生活を支える効率的な物流の実現として(1)我が国物流システムのアジア物流圏への展開(2)我が国の立地競争力強化に向けた物流インフラ等の整備、有効活用等(3)物流を支える人材の確保・育成(4)荷主・物流事業者の連携による物流の効率化と事業の構造改善(5)国民生活の維持・発展を支える物流を掲げています。次にさらなる環境負荷低減に向けた取組や安全・安心の確保に向けた取組として(1)物流における災害対策(2)社会資本の適切な維持管理・利用(3)セキュリティ確立と物流効率化の両立(4)輸送の安全、保安の確保などを実施するとしました。今後の推進体制として具体的な物流施策をプログラムとして取りまとめ、工程表を作成した上で、PDCA方式により進捗管理を適切に行うことにしています。

国土交通省、契約書面を浸透へ

イメージ02  トラック産業の契約書面化推進策などを検討している国土交通省“トラック将来ビジョン検討委員会取り組み作業部会”の第2回会合が12日に開かれ、各検討課題に対する施策実施の目標スケジュール案を説明しました。契約の書面化については、定着させる一環として、現在実施しているパブリックコメント(意見募集)を1カ月延長して募集した上で、荷主への説明を充実させることなどが報告されました。

 今後国土交通省が省令・標準運送約款の改正を行うとともに、書面化のガイドラインを策定することにしています。パブリックコメントと並行して各地域別事業者の意見を聞きつつ、今年度内に施行する予定です。書面化は定着・浸透を図ることが重要であり、施行にあたっても「行政処分の対象とすることは当面考えていない」との考えも示しています。契約書面はトラック事業者の末端までまだ浸透していないことから、特に地方に十分説明する必要があることと、受ける側の荷主への理解が重要となるとの指摘もあることから、今夏以降に啓蒙・普及のためのセミナーや意見交換を継続的に実施していくことにしています。特にメールでも送れる簡易な書面化の例を同省がガイドラインの中で提示し、推進していく考えです。一方荷主、具体的には真荷主、元請け事業者、利用運送事業者すべてに対し、十分な意志疎通を図るとともに、トラック事業者の書面提出前に荷主が行う運送状の提供、書面契約に基づく安全運行支援を要請する考えです。その際、どのような行為が荷主勧告の対象になるか(優越的地位を利用し、トラック事業者にムリな行為を依頼するなど)を、具体例をあげて説明していくことにしています。なお、荷主勧告も今年度内に運用を強化することにしています。

 取り組み作業部会では、今後共同点呼の実施も予定されていることなどを踏まえ、今夏から全日本トラック協会(全国適正化実施機関)や日本路線トラック連盟と連携した点呼の励行啓発活動を行うことにしています。また、安全性優良事業所認定制度(Gマーク)取得へのインセンティブを拡大するため、優良事業所表彰(運輸局長表彰・運輸支局表彰)を実施することにもしています。さらに次のステップとして、業界の多層構造是正や事業の更新制についても検討していくことにしています。

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