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2013年7月号 景気上昇へのトレンドに対応しよう

景気上昇へのトレンドに対応しよう

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円安の猛攻をいかに交わすか…独自の工夫をもう一度!

イメージ01  全日本トラック協会は、平成25年1~3月期のトラック景況感を発表、“急激な円安に伴い自動車などの輸出関連企業には明るさが感じられるようになった”としました。株価も乱高下気味とはいえ、久々に活発な取引を展開、人々の表情にも景気への確かな期待感が表れ始めたように思えます。ただ、一部の個人投資家が潤い、高額商品などが売上を伸ばす状況を真の好景気と呼んでいいはずはありませんね。輸出が好調の裏では家計に直結する食糧なども輸入品の価格がすでに値上がりを始めています。有識者の試算によると政権交代前の為替1ドル=約80円が、1ドル=約100円になった時、日本の平均的な家庭の支出は1年間で約9,600円以上増加することになる、といいます。
家計を例に出さずともトラック業界関係者であれば、この円安が今後更なるコスト増につながってくる状況を、想像しないはずはありません。高止まりする原油価格に、円安が加わると、当然経営圧迫の要因が増えることになってきます。H24年11月の軽油インタンク納入価格は約106円(1リットル)、これがH25年3月になると約116円(1リットル)にまで上昇しました。当然燃料の高騰は運送費そのものを押し上げます。(この4ヶ月間で上昇した運送費は、約2%以上という計算に・・・)しかも御存知の通り、これら燃料費高騰分の運賃転嫁は依然として滞り気味であります。全ト協が3月に実施した調査を見ても全く転嫁できていない事業者は約87.8%にものぼっており、一部転嫁できているところでも多くは1%~2%の転嫁率をようやく確保している状況です。

 長い間受託産業を貫いてきたトラック業界には、一方で“何事も荷主に従う”という暗黙のビジネススタイルが、いまだ根底に残っているようにも思えます。時代の流れを味方に付けると同時に、他社より常に一歩先を行くための付加価値を全面に出し続けることで、適正な運賃に見合ったサービス商品を提供する…、この様な努力を多くの運送業者が積み重ねながら、少しずつ業界のしきたりも変えてゆく必要がありそうです。
冒頭のトラック景況感によると、判断指数は▲35で、前回より上昇したのは、まだ3ポイント程度とわずかです。また指数は改善していてもその内容を見ると、運送業者による景況感判断は、“好転した”とする答えが11%である一方、“悪化した”事業者が41%も存在しているのです。また景況感を左右する雇用状況を見ても相変わらずの人手不足が続いています。物量は少しずつ増え始めているというのに、人手(とくにドライバー)は減り続け、提示できる給料も、コスト増の影響で更に低くなる、悪夢のような連鎖反応でありますが、今年度後半戦を勝ち抜くためにも、いまひとつ上の工夫と知恵で、この課題を乗り越えておくべきでしょう。

 安定感には欠けるものの、景気は少しずつ上昇トレンドに向かっています。今後TPPを始めとする規制緩和などにも対応していかねばならない大仕事が控えている物流業界にあっては、ひとつずつ間違いのない選択をしていくことが重要であります。正しい情報収集と企業体力+現場力の強化にピントを合わせた戦略だけは崩すことなく、次世代に挑んで参りたいものです。

トラック運送業、予断を許さぬ経営環境

イメージ02  帝国データバンクはこのほど、運輸業者の倒産動向調査結果を発表しました。調査によると2012年度、トラック運送業の倒産件数(法的整理のみ、負債1,000万円以上)は282件(前年度比8.9%増)となり、リーマンショック以来4年ぶりに増加に転じました。軽油価格の高騰が主な原因と思われ、経営環境の悪化が脈々と続いていたことが明らかになりました。

 トラック運送、運輸付帯サービス、道路旅客運送、海運を合わせた倒産件数は合計420件で、うちトラック運送が67.1%を占めています。420件分の負債総額は2,271億円ですが、昨年7月に会社更生法の適用を受けた三光汽船を除くと713億円(前年度比13.3%減)で、負債1,000万~5,000万円未満が全体の41.2%を占めることに。依然として中・小規模倒産が主体となっていることがわかります。負債5億円未満の倒産は9割以上に達しており、中堅企業で倒産増加の兆しがあるとも指摘しています。倒産件数とディーゼル燃料の価格とは高い相関関係を示しており、景気が一段と冷え込んだ昨秋から年末にかけて一時的に倒産が急増したのも燃料高騰が大きく関わった、とされています。現在景気回復が期待されているとはいえ、エネルギーの輸入価格が昨年12月3日から今年3月4日まで13週連続上昇しており、運輸業者の事業環境は「必ずしも好転したわけではない」としています。運輸業倒産の他の要因は、「販売不振」が78.8%を占め、「企業系列、下請けの再編成」「経営者の病気・死亡」を入れるとこの3項目で84.2%となり、事業者の体力低下に伴う再編機運の高まりが影響しているとの分析。たとえ景気回復が現実のものになっても、経営者の高齢化、供給過剰、業界再編の必要性など構造問題は残るとみられています。運送業の倒産は地域別には関東、近畿、中部で全体の71.1%を占めています。

全ト協、燃料高騰で決起大会

イメージ03  全日本トラック協会(星野良三会長)は5月23日、都内の自由民主党本部で「燃料価格高騰経営危機突破全国総決起大会」を開催しました。全国のトラック運送事業者等約800人が参加したほか、細田博之自由民主党トラック輸送新興議員連盟会長、鶴保庸介国土交通副大臣、西村明宏自由民主党国土交通部会長など多数の国会議員も参加しました。

 冒頭、挨拶に立った星野会長は「昨年末以来アベノミクスによる円安の影響により、軽油価格の高騰はもはや非常事態といえる状況に陥っている。平成21年3月と比較して、業界全体で年間約6,800億円ものコスト増を強いられているという、危機的な状況。特に長距離輸送を行っているトラック運送事業者においては、燃料コストは運送経費の実に4割を占めており、影響はより甚大だ。軽油価格の異常な高騰は、経営収支や労働条件の一層の悪化を招き、今や多くの事業者がまさに廃業の危機に直面し、悲痛な声をあげている」と窮状を訴えました。その上で、「燃料費を補填する補助金の創設」「燃料サーチャージ導入の促進」「燃料価格監視の徹底」「軽油引取税緊急減税の実現」という大会決議の実現を求めました。挨拶に立った細田会長は、「アベノミクスの成果はまだこれからで、様子をみている状況。その中で、燃料価格が高騰してトラック事業者が苦しい経営を強いられていることはよく承知している。トラック輸送は不可欠の社会基盤であり、その発展が大事なことは言うまでもない。そのために対策のとりまとめを急いでいるところ。しっかりした取り組みをすることを約束する。」と応えました。
また鶴保氏も、「わが国のライフラインを担っているトラック業界は全体の99%が中小零細企業。今回の燃料価格高騰は自助努力では乗り越えられない。問題はコスト増分を荷主に転嫁すること。燃料サーチャージ導入を後押しするとともに、5月28日には荷主団体である日本経済団体連合会と日本商工会議所(29日)に協力をお願いにいく」と約束しました。また他にも「トラック業界は日本経済の屋台骨。燃料価格については、元売り会社をヒアリングする一方、全国の2,000のサービスステーションでチェックしている。航空業界などで導入が進んでいるサーチャージについても、トラック業界はわずか一割しか浸透しておらず、今後荷主にも負担の協力を求めていく」と理解を示しました。さらに、石破茂自由民主党幹事長の激励メッセージを同連盟の赤澤亮正事務局長が代読。大会決議の後、参加者全員によるシュプレヒコールで幕を閉じました。

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