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2013年5月号 新たな変化をどう受け止める?

新たな変化をどう受け止める?

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TPPが日本物流業界にもたらすものは―

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 中枢には“物流”が存在しました。直近の大震災時にも全ライフラインが寸断された中、いち早く復旧に向けての行動を開始し、損得抜きの社会貢献に寄与したのは、被災地を中心とした運送業者達です。“黒子”という立場にいかほどの不満もございませんが、いま少しその働きが世の中から認められれば世の若者達の興味や関心もこちらへ向き、再びの活気も戻るだろうにと、思いを巡らすばかりです。

 新年度早々、業界にとってため息の洩れる要因はまだ他にもありますね。相変わらず高騰の続く燃料価格問題もそのひとつでしょう。燃料サーチャージも進まぬ中、荷主側から生産コストの増大を理由に、さらなる運賃値下げを要求されるケースが出てきています。まさに根拠もいわれもない理由ですが、問題はここからさらに発展することも。荷主からのこのような要求を、現場の配車担当者やドライバーなどが容易に受けてしまい、赤字の仕事を抱えることになった、という事例も発生しました。運賃の設定は運送会社、荷主メーカー側双方にとって、事業計画を左右する重要事項です。このような交渉は必ず経営者レベルで行ない、取り返しのつかない事態におちいらぬよう注意したいもの。いずれにせよ“今を切り抜けるだけ”の安易な交渉がつもり積もれば、さらに物流業界全体の地位を下げてしまうことにつながってしまいます。全産業においての存在価値を高めるという崇高な目標に向かって業界が努力を行なっている中、業者のプライドを忘れることなく、慎重な行動を心がけたいものであります。

 2013年は政界・経済界にとっても未知数の多い年。注目を集める重要な案件の中、とりわけTPPに関する問題は物流業界においても関心度が高いものです。このまま行けばほどなく7月頃にはそのTPP交渉に参加する予定の日本。大胆な金融政策に踏み切ったばかりの日銀と協調姿勢を取る形で、政権は一気に経済の活性化を推し進めることでありましょう。TPP締結が物流業に与える影響は、間接的なものに過ぎないとの認識がまだ多数を占める運送業界ですが、実はその一方で港湾地区の物流施設に少しずつ海外からの投資が集中し始めている、という事実もあります。安く運用できる海外資本の物流業者が増加すれば、他社との差別化が図れていない場合、その経営はこれまで以上に厳しくなってくるはずです。現在、対海外との物流量は、国際総量の2割程度。しかしTPP加入による輸出入の増加で、これらの物流形態も変化していく可能性があります。例えば、物流ネットワークが港湾や空港を中心とするものに転換することも考えられます。様々な角度から経営を強化しておかねば、海外から押し寄せる安価かつ最先端本格的な春の訪れとともに迎えた新年度。春闘で久々の勝利を勝ち得た大手を中心に、日本企業はまずまずのスタートを切った―、かのようにも見えます。ただ、常に光を浴びる表舞台の陰では、数多くの中小零細企業が黒子のごとく駆け回り、その成功を支えているという事実も忘れてはなりません。その“黒子”の形容に、もっとも近い気がしてならないのが現在の日本物流業界です。日本経済が発展しても、衰退しても、常にそののサービスに、立場を奪われてしまうことにもなりかねません。まずは情報収集を早期に行ない、いくつかの対策を備えておきましょう。大きな衝撃も分散することで被害は最小限に抑えられる、というもの。“寝耳に水”だけは避けたいものですね。

日本通運、NECロジとパナソニックロジを傘下に

イメージ02  日本通運とNECは3月27日、グローバルな物流サービス事業の強化に向けて戦略的業務提携を結ぶとともに、日通がNECの物流子会社「NECロジスティクス」に出資し、合弁会社化することを発表しました。日通による出資はことし10月と来年10月をメドに2段階で実施され、最終的に日通が51%を保有して連結子会社化する予定です。

 NECが物流子会社の株式を譲渡することに踏み切った理由は、今後海外展開を積極化する際に海外の物流に強みを持つ日通と組むことによって、事業拡大を円滑化する狙いがあったからです。日通にとっても、NECロジスティクスがIT業界向けの物流に強みを持っていることから、NECロジを子会社化することにより、同分野へ事業を展開しやすくするメリットがあるとしています。NECは、複数の物流会社からオファーがあったことを明らかにしていますが、国内外で統合メリットが見込める日通をロジスティクスパートナーに選定し、昨年後半から協議を本格化させてきました。またNECロジについて「グループの物流を委ねる大切な会社であり、今後も積極的に結びつきを維持していきたい」としており、今後もNECロジの株式持分49%を維持する、としています。NECロジの2012年3月期の売上高は627億8000万円で、このうち3割がNECグループ以外の荷主企業との取引となっています。この提携により、NECロジは第1回出資後の10月をメドに、社名も「日通NECロジスティクス」となります。

 また3月28日、日本通運はパナソニックの物流子会社「パナソニックロジスティクス」の株式66.6%を取得し、子会社化することに合意した、と発表しました。パナソニックは5月末をメドに株式譲渡の最終契約書を締結する見通しで、パナソニックロジは7月から日通グループ入りし、社名を「日通・パナソニックロジスティクス」に変更する予定。パナソニックは、日通にパナソニックロジの株式を譲渡することで、日通が持つ豊富な海外ネットワークや国内の物流網を活用、物流効率を高めていく狙いです。株式譲渡後もパナソニックロジの株式の3分の1は継続保有する方針で、パナソニックグループに対するパナソニックロジの物流サービスレベルも維持する考えです。パナソニックロジの売上高は、2012年3月期で730億円となっており、NECロジスティクスの売上高627億円と合わせると、日通の売上高はおよそ1350億円増加する見込みです。日通によると、今回のパナソニックとの交渉は昨年秋ごろから開始されており、NEC交渉とほぼ同時期に行なわれていたことになります。両方のケースに共通するのは、相手方の親会社(NECとパナソニック)が、今後も継続的に物流子会社の株式を保有する方針を示している点で、日通としては両子会社を存続させたまま、拠点の統廃合などによってコスト削減メリットを創出していく考えです。

国交省安全規則改正、全事業所運行管理者選任義務付け

 国土交通省は3月29日、貨物自動車運送事業輸送安全規則を改正し、特殊輸送などの場合を除き、すべてのトラック事業者の営業所で運行管理者の選任を義務付けると発表しました。

 これは同省の「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」で、トラック産業の安全対策の徹底、市場構造の健全化などに向け、「5両未満の保有車両で事業を運営する者への運行管理者選任の義務付け」や「適正化事業実施機関の事業者への指導業務の実効性の確保」などの必要性が提言されたことを受けた措置です。また適正化事業実施機関(都道府県トラック協会)に対し、悪質性の高い営業所を国へ速報するよう通達も行ないました。これは、トラック協会が行うトラック事業者に対する巡回指導で、事業者の改善の徹底を図り、指導業務の実効性を確保するため、「点呼を全く実施していないと疑われる営業所」などが認められた場合は、速やかに国交省に通報する措置などを行うよう通達したものです。同省では、この通報内容を監査などに積極的に活用していく方針です。このほかに検討会が提言した「参入基準の強化」や「取引の書面化」などの対策についても、具体措置を検討しており、段階的に実施していく考えです。

 全営業所を対象とした運行管理者の設置は、3月29日付で省令改正を公布し、5月1日から施行します。またトラック協会による、悪質営業所の国への速報は同日に通達を発し、今年10月1日から適用することにしています。

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