運送RMニュース - バックナンバー

2013年4月号 あらゆる側面から、事業継続を考える

あらゆる側面から、事業継続を考える

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災害対策と同時に行ないたい、人材確保

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 年度末を間近に控えたこの時期整理しなければならない問題が、再び膨らんで参りました。中でもまず頭に浮かぶのが、東日本大震災からまる2年を迎えるにあたって取り組みを確認しておきたいBCPなど、災害対応のマニュアル。災害は津波のみにあらず、という現実をつい先日も東北・北海道地方の豪雪災害で我々は目の当たりにいたしました。異常気象や老朽化道路決壊事故等によるサプラチェーンの分断などは、いつどこで起きても不思議ではありません。どれほど痛い思いをしても、やがて記憶は薄れてゆく、それが普通の人間であります。このような機会(時期)を利用しながらでも、意識を“事故”に向けることは必要なこと。次なる地震・災害は確実に近づきつつあることを全員で、改めて認識し、BCPマニュアルの見直しを協力し合いながら必ず実施しておきましょう。

 さて、次に控える問題と言えば、やはり“人材確保”でしょうか。競争激化の今、荷主や社会からの評価はそれだけでも存続をかけた重要な付加価値につながるものです。安全でエコ・法令遵守に加え、今は良いドライバーを多く抱えているかどうかも、その評価の重要なポイントに加わるようです。ただ御存知の通り、このところ慢性化状態とも言える人手不足、さらに今年に入り、この状態がさらに顕著化してきているとの声も多く聞かれるようになりました。働き手の意識変化や低賃金など、表向きの理由はストレートにも聞こえますが、実はその裏に、複雑な業界事業が絡み合っているのです。

 例えば、4月からさらに規制が厳しくなる労働時間違反。これがトラックドライバーにも適用されると、労働時間の短縮による賃金の低下につながります。ただでさえ少ない給与がさらに減るとなれば、当然辞めてしまうドライバーが増えていくということです。それをくい止めるには、賃金を上げるか、ドライバーに頭を下げ、すがってでも引き留めるか、(あるいは法令違反を放置しておくか…)この場合皆様ならどれを選択されるでしょう?新たな人材を募集で募る、というやり方に限界を感じている経営者は、現在とても増えています。苦しい経営の中、それでも何とかドライバーを確保したい一心で泣く泣く賃金を上げ、求人に臨む企業もあるとのこと。しかし法令による293時間という労働拘束時間を守ることで、“稼げなくなるから”と、とたんにやりがいも感じられなくなる職場であれば、たとえ運送業でなくとも辞めたくなってしまうかもしれません。とは言え、長距離運行に待ち時間、加えて予期せぬ渋滞などトラックドライバーに降りかかるアクシデントはそれだけでも並の仕事では有り得ないストレスを生むことでしょう。入社後1年未満で会社を辞めてしまうドライバーに、退職の理由をたずねると、“賃金の低さ”同様“やりがいを感じられない” “この先どうなるのか不安”など精神面での辛さを訴える答えも目立っています。“この仕事を選んで良かった”と皆が感じられる職場作りの必要性をひしひしと感ずる結果でありました。
毎回数十万円の広告費を削りつつ後ろ向きの結果を待つよりは、コンプライアンスにも乗っ取った社内の体制を整えることが得策のような気が致します。常から申し上げておりますように、まずは現場での提案や、悩みなど折に触れ吸い上げ、“やりがい”としてお返ししていくこと、これを繰り返し行ないながら、社員のメンタル面での充実をはかってみませんか?とにかく物流業経営の根幹は“人”。何が起きてもこのことをまず頭に思い浮かべることで、その先の判断は正しい方向により近づくと思われます。

第3回物流施策大綱の有識者委員会開催、物流コスト競争力向上を

イメージ02  新しい総合物流施策大綱の策定に向けた有識者検討委員会が2月19日に開催され、物流コストと人材育成に焦点を当てた議論が行なわれました。特にコスト問題は「サービスレベルが決め手であり、(ただ単に)一層のコスト低減を、とする意見は疑問がある」との考えも示されました。

 これまでの議論をもとに、今回の論点も示されたものですが、特にコストについては「産業競争力強化に向け物流の一層の効率化を目指すべき」としつつも、「企業の物流コスト低減に資する施策を重点的に推進すべき」「過剰な物流サービスが当然とされる風潮の中、物流事業の現状を踏まえ施策を推進する必要がある」「トラックの手待ち時間などがコストとして認識されておらず、コスト構造を明確化し、効率化の方策を荷主と物流事業者が丁寧に議論する必要がある」などの意見が提示されました。コストと見合いのサービスにも言及がなされ「過剰な物流サービスというが、小口・多頻度にも意味はある。物流側でそれはダメと言っても受け入れられない」との意見に、「消費者や荷主の期待に応えるためにコストを上げている」との反論もありました。物流人材の育成にも焦点が当てられ、委員から「国立の大学で物流学部をつくるくらいのビジョンを鮮明にして行くべきだ」との提案に対し、「物流学科はアメリカで180、ドイツで45、中国で200あるのに、日本は数校。社会がその気にならないし、就職を考えたときに二の足を踏んでいる状況」との現実が示されました。

 新たな物流大綱では、アジアに進出する製造業を物流面でサポートすることが重要であり、日系物流企業が進出する際の課題解決がテーマにもなっています。そこで「若い世代こそ、グローバル化した物流に応えられるはず。このためには、これからの5年間で日本の物流企業が東アジアで覇権をとれるか、日本標準を植え付けられるかが日本の産業界にとっても重要になる」との方向付けが示されました。有識者委員会は、今後3回会合を開き、4月30日の第7回委員会で提言をまとめる予定です。

東京賃貸貨物施設市場、6四半期連続で上昇へ

 東京のロジスティクスマーケット(物流市場)では、賃料が第4四半期で前第3四半期に比べて0.2%上昇、前年比では0.7%上昇しました。これで賃貸施設の賃料は6四半期連続の上昇となりました。

 このところの投資市場は、新規上場したJ-REITがけん引したと考えられています。GLP投資法人は全国に立地する30棟の物流施設を取得し、このうち東京圏に立地する物件は13棟1252億円となりました。

 向こう12か月間は、物流効率化の流れや通信販売・小売業販売額の上昇傾向を受け「3PL業者や通信販売業者の旺盛な需要が引き続きみられる」と予測されています。
一方、開発用地は引き続き稀少となることから、新規供給も限定的となる見通しを示しています。このため、東京ベイエリアの賃料は「緩やかな上昇を継続していくだろう」とみられています。

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