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2012年 6月号 物流業の未来は、業界全体で切り開こう

物流業の未来は、業界全体で切り開こう”

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明るい未来へ導く源は、やはり“安全”!

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 光の速度で情報が行き交い、音の速度で人が空を飛ぶ現在、それでも国内輸送の9割をトラックが担っています。より早く、便利に世の中の仕組みが変わっても、人の営みはトラック物流なくして成立致しません。しかし明らかなこの現実とは裏腹に、トラック事業者の多くが、未だ経営危機に直面しています。景気後退に燃料費の高騰など、中小規模が多い物流業者にとって、世の中のわずかな揺れが全て死活問題に直結するのです。

 限界に近付いたこの苦境を訴えるため、5月15日「燃料価格高騰による経営危機突破全国統一行動」 が実施されました。トラック事業者2万人以上が苦しい経営への理解と対応を求め行進を行いましたが、行動当日が沖縄返還から40年の日と重なったこともあり、マスコミなどで報じられることも極めて少なく、そのアピールの効果は残念ながら今一つだったとの声も・・・。
 しかし経済・産業を支える大動脈としての物流は絶やしてなるまじ、という確実な動きも一方で始まっています。政府トラック議連のバックアップに加え、官民による研究機関、国土政策研究会(国政研)もトラック事業の「新しい運賃・機会のあり方」について、調査研究に乗り出しました。旧建設省の外郭団体として1970年に創設された国政研は、これまで国土建設関連の重要課題に取り組み成果を挙げていますが、当初はトラックドライバーの社会的地位向上などを目的に調査が始められました。しかしその労働環境を改善して行く取り組みには、どうしても給与や待遇問題を検証すべきと判断、その原資とも言える現在の低「運賃」からメスを入れることにしたものです。すでに業界内外に向け調査の網が張られ、国交省にある膨大なデータも活用した作業が進んでいる模様。結論が出れば、ダイレクトに国や社会に向けた問題提起ができそうです。ただし未解決の問題は「運賃」のみにあらず。消費税増税が現実となれば、これまた今の物流業界にとっては即死活問題であります。

 両手で抱えた頭に浮かぶ最後の砦は、やはり「安全」でしょうか。国や業界が新しい動きを始めた今、各事業所のレベルでできる数少ない有効策のひとつが、安全対策です。いかに素晴らしい法律や対策が出来上がれども、たったひとつの事故で水の泡になる可能性も。膨大なお金や信頼も消えてしまいます。日々の営みを確実に安全に消化してゆく、これだけは何が何でも続けて参りましょう。
 「物流業を選んで良かった」と全社員に思わせたい、結局多くの経営者の望みはこれに尽きるのではないでしょうか。道が開ける秘策も、きっとここにあると信じます。

価格と運賃転嫁のアンケート実施、7割が収益に影響全日本トラック協会、燃料

イメージ02  全日本トラック協会(全ト協)は今年3月度の「燃料価格と運賃転嫁に関するアンケート」をまとめ発表しました。調査によると、原油価格の高騰を受け、ローリー買いで1リットル110円55銭で取り引きされたことがわかりました。

 これによると、軽油価格の高騰分を「荷主に転嫁できていない」とする事業者が全体の77.8%にも達しており、依然として苦しい経営を強いられていることも再び明らかになりました。「ほぼ転嫁できている」(3.4%)と「一部転嫁できている」(18.8%)を足しても2割強。これを車両台数規模別で見ると、10台以下では83.4%が「全くできていない」と回答しています。また一部転嫁できている、とする回答者にどの程度転嫁できているかを詳しく調査したところ、20%未満が56.6%と過半数を占め、次いで20%超~40%未満が23.1%でした。

 燃料高騰による収益への影響を問う項目では、軽油価格の値上がりが「収益に大きく影響している」とする回答が69.5%を占め、「影響している」とする29.5%を加えると実に99.0%もの事業者経営に影響が及んでいることに。全日本トラック協会の調査でも燃料油脂費が支出に占める割合はここ数年15%~17%位で推移しており、高騰が収益の悪化を招いていることが推察されます。
 事業継続についての調査項目では、「経営努力にも限界があり、将来の事業継続には不安がある」とする回答が4割を占めていました。望まれる支援策として軽油価格の引き下げを求める声が最も多く、「軽油引取税の撤廃」を求める声が89.6%にも達していました。

全日本トラック協会、不正改造車排除運動実施

 全日本トラック協会は、6月1日から30日まで「不正改造車排除強化月間」とし、特に重点をおいて運動を実施します。

 法令に違反した不正改造車による走行は、安全を脅かし道路交通の秩序を乱すとともに排出ガスによる大気汚染や騒音等環境悪化の要因でもあります。国内の交通事故の現状を見ても、依然として改善が求められる状況にかわりなく、不正改造車両による走行が同じく大きな事故要因となっています。このような状況に鑑み、トラック運送業界としては全国的に不正改造車を排除するため、各都道府県トラック協会の協力を得て、積極的に不正改造車排除運動を展開することにしたものです。

 不正改造車両による走行は危険そのもの。当然法令による罰則が科せられることになります。不正改造の定義として主なものは、以下10項目に代表されます。

  1. 視認性、被視認性の低下を招く窓ガラスへの着色フィルム等の貼付
  2. 前面ガラスへの装飾板の装着
  3. 灯光の色が不適切な灯火器等の取付け(デコレーション、回転灯火等)
  4. タイヤ及びホイール(回転部分)の車体外へのはみ出し
  5. 騒音の増大を招くマフラーの切断・取外し及び基準不適合マフラーの装着
  6. 土砂等を運搬するダンプ車の荷台さし枠の取付け及びリアバンパ(突入防止装置)の切断・取外し
  7. 軽油タンク増設等不正な二次架装
  8. 大型貨物自動車の速度抑制装置(スピードリミッター)の取外し・解除又は不正な改造・変更等
  9. ディーゼル黒煙を悪化させる燃料噴射ポンプの封印の取外し
  10. 不正軽油燃料の使用 など。

 物流業の社会的地位向上のためにも、業界全体で排除に取り組みたいものですね。

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