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2018年1月号 送迎車から降りてこない利用者に気付き後部座席点検

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■降車時の後部座席の点検で命が救われた利用者

 Hさん(82歳男性)は脳梗塞による半身麻痺がある要介護2のデイサービスの利用者です。送迎車内では、いつも静かに過ごしているので送迎車のドライバーはあまり気にしたことがありません。ある朝、お迎えに行った利用者を乗せてデイサービスに到着し、送迎車から降りた利用者はエントランスに入って行きました。その時、ドライバーはふと「Hさんは降りたかな?」と思い、外から車内を見ましたが人の姿は見えませんでした。気のせいかなと思い、いつものように後部座席の点検のために車内に上がり最後列のシートを見て驚きました。なんと、シート上にHさんが横たわっていたのです。ドライバーは大声でデイの看護師を呼び、看護師はHさんをそのまま動かさずに救急車を呼びました。5分後には救急車が到着し、病院に救急搬送されました。その日のうちに、Hさんの娘さんからデイに連絡が入り、Hさんが脳梗塞の発作を起こしたが、幸い搬送が早かったことから症状は軽度であると分かりました。娘さんは、わざわざ送迎車のドライバーにお礼を言いに来所され、ドライバーは「もし後部座席を点検しなかったらと思うとゾッとする」と言いました。

熱中症だけじゃない送迎車からの利用者降ろし忘れリスク

■送迎中でも体調急変は起こる
 平成22年7月にデイサービスで発生した送迎車の降ろし忘れ死亡事件では、駐車場に駐車しようと送迎車を移動させた運転手が車内の利用者に気付きませんでした。本事例と同様に、被害者は送迎中に体調不調でシートに横たわってしまったため、車外から見えなくなっていたと考えられています。直接の死因は熱中症でしたが、見落とされた原因はシートに寝ていたことだったのです。 

 本年7月の知的障害者施設の利用者降ろし忘れ事故も、死因は熱中症でしたから、真夏を過ぎれば送迎車の降ろし忘れで死亡事故につながることはないと考えがちです。しかし、脳梗塞の既往症がある利用者はたくさんいますから、送迎中に脳血管障害の発作を起こさないとは限りません。本事例ではドライバーが後部座席の点検を怠っていれば、脳梗塞の発作に襲われたHさんは手遅れになり亡くなっていた可能性が高いでしょう。

■冬季は車内の温度はどれくらい下がるか?

 もし真冬に送迎車の降ろし忘れ事故が発生した場合、送迎車の車内の温度はどれくらい下がるのでしょうか?JAFが長野県で行った冬季の車内温度の実証実験があります。外気温-10.2℃の時に車内温度を25℃まで温めた後エンジンを停止したところ、1時間後には車内温度が10℃に低下し、3時間後に氷点下にまで下がったそうです。
 冬季に日中でも気温が氷点下になる地域では、真夏同様に人の生命を脅かす車内温度になるようですから、どんな季節でも後部座席点検を怠りなく実施して下さい。

 

 

                                                                      

  監修 株式会社安全な介護 山田 滋               ※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

 

 

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