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2017年 1月号 送迎車リフトからの転落事故は交通事故か?

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■デイサービスの送迎車のリフトから転落

 デイサービスの送迎車が利用者をお迎えに行き、デイサービスのエントランス前で利用者の降車介助をしていました。車椅子の利用者をリフトで降ろそうと、リフトを操作している時に事故が起きました。リフトに固定したはずのワイヤーが外れて、利用者が車いすごと転落したのです。頭部を打撲した利用者はすぐに救急車で搬送され、幸い命に別状はありませんでしたが骨盤骨折の重傷事故となってしまいました。デイサービスの管理者は入院の手続きの援助など、一日中家族対応などに追われました。翌朝の申し送りでも、利用者の乗降解除の手順を確認するなど安全管理を徹底しました。ところが、その後警察から電話で呼び出され警察署に行くと、「交通事故発生時には迅速な警察への届出が必要、この義務を怠ると“3か月以下の懲役または5万円以下の罰金”であると厳重な指導を受け、再度事故に関わった職員を連れて、事故の届け出に行くことになってしまいました。

交通事故発生時に警察への届出を怠ると懲役?

◆運行中の事故でなくても警察への届け出必要

 自動車で道路を運行中に交通事故を起こせば、警察への届出が必要なことは誰でも知っています。この届出を怠ると、事故証明書が発行されず自動車保険の適用にも支障が出るということも知らない人はいません。しかし、自動車の運行中でない時に発生した事故についての加害者の義務について正確に知っている人はあまりいません。
 道路交通法72条には、交通事故の加害者の義務として「被害者の救護義務」と「警察への届け出義務」が定められています。また67条2項では『交通事故の定義』が定められております。しかしながら現在、「交通事故とは、道路または道路外で自動車やバイク、自転車などの軽車輛(略)などの交通に関係している人の死傷または物の損壊をしてしまった場合をいう」と広義に解釈をされており、道路でない場所や自動車の運行中でない乗降中なども全て交通事故とみなされることが大半です。
 つまり、道路でない場所で車両の乗降に際して起きた加害事故であっても交通事故と扱われ、救護義務だけでなく、警察への届出が必要になってきます。
 警察への届出と同時に保険会社への連絡も忘れないで下さい。車両の乗降中の事故も自動車保険の対象ですから、60日以内の報告をしないと保険金が支払われないこともありますから。 

                                                                

◆自動車保険は補償範囲が広い 
 道路交通法では道路上でなくても、車両の交通に関する事故は乗降介助時を含み交通事故とみなされることがわかりました。では、自動車保険(任意保険)の人身事故の対象となる事故は、同じように車両の交通に関する事故なのでしょう か?自動車保険の約款には人身事故について、「契約する車両の所有・使用・管理に起因して他人を死傷させたこと」と記載があります。
 つまり、 自動車保険の事故の範囲は通常私たちが考える「交通事故」「自動車事故」という一般的な観念よりも広いことになります。過去には、送迎車から利用者を降ろ し忘れて炎天下の駐車場に放置し死亡させる事故が起きましたが、この事故も車両の管理に起因していますから、対人賠償保険の対象になります。
 送迎車の使用管理においては様々な事故が発生しますから、「警察の届出が必要かな?」「自動車保険の対象になるのかな?」など疑問が生じた時は、保険代理店に相談すると良いでしょう。

                                                               

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