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2016年 8月号 居宅介護事業者に正確な服薬管理を要求するケアマネジャー
居宅介護事業者に正確な服薬管理を要求するケアマネジャー

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■飲まないより重複して飲んだ方が良いと娘が判断

 Aさんは、腎機能不全、脳腫瘍など多くの疾患があり多剤服用ですが、妻が亡くなり独居となって服薬管理がおぼつかなくなりました。以前から利用していた訪問介護・訪問看護事業者に対して、ケアマネジャーがAさんの服薬管理を徹底するよう要望しました。訪問看護師と娘で相談して服薬カレンダーを作り、ジップケースに日付と朝昼晩と書き込んで、飲み間違いがないようにセットしています。
 ある日ヘルパーが朝食後の服薬介助の後、娘の連絡ノートを読むと、「翌朝分を前の晩に飲んでしまった」とあり、服用が重複したことが判明しました。事務所では娘と医師に連絡が取れなかったので、訪問看護師に指示を仰ぎました。訪問看護師は、影響度は少ないと判断、ヘルパーは業務を終了しました。ケアマネジャーから服薬管理の徹底の指示があり、娘に確認すると、前夜に誤って翌朝分も飲んでしまっていたので「飲まないより重複して飲んだ方が良い」と判断して、娘が朝の薬を用意したことが分かりました。

独居で認知症があれば、服薬ミスが起こる前提でその影響度を把握

◆独居の認知症利用者に正確な服薬管理は可能か?

 ケアマネジャーは娘の希望もあり、訪問介護・看護の両事業者に正確な服薬管理を援助するよう要求していますが、果たして可能でしょうか?どんなに事業者が関わっても、独居のAさんの服薬管理に正確を期すことは困難であり、娘・訪問介護・看護師など関わる者が多くなるほど、間違いが起きやすくなります。もちろん、恒常的に服薬管理がメチャクチャで疾患の悪化につながるようでは困りますが、時折り起きる服薬ミスは防げません。ケアマネジャーは事業者により多くの努力を求めるより、医師に「服薬ミス発生時の影響度と対処方針」の意見を求めるべきなのです。
 例えば、上記事例では朝食分を過量服用をしてしまっているのに、「影響なし」と訪問看護師が判断してヘルパーが業務を終了していますが、危険はないのでしょうか?娘が言うように、飲まないより重複して飲んだ方が良いのでしょうか?居宅での服薬ミスのリスクをチェックしてみましょう。

◆Aさんの服薬ミスによるリスク

 居宅での服薬ミスは本人自身の薬を「飲み忘れる不服薬」と「重複して服薬する過量服薬」の2つのケースが問題になります。まず、処方薬は一般的には、飲み忘れによる影響と重複服薬による影響では、後者のリスクが高いとされますから、事例の娘の判断は間違いです。また、2つのケースの服薬ミスの影響も、薬の副作用によって重篤な容態になるなどの「直接リスク」と、ふらついて転倒するなどの「間接リスク」に分ける必要があります。一覧表にすると次のようになります。

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。
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