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2016年 7月号 ある行方不明事故の再発防止策を検証する
ある行方不明事故の再発防止策を検証する

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■行方不明発生時のマニュアルどおりに対応したのだが…

 ショートステイの認知症の利用者Sさんが、利用開始2日目の13時30分に行方不明となりました。マニュアルどおりにフロア内と施設内を迅速に所在確認しましたが発見できず、20分後には周辺を捜索しました。結局、職員では発見できず翌朝午前2時に、施設から10km離れた場所で警察に保護されました。行方不明は見守りだけでは防げないので、迅速な初動対応を重視してマニュアル化していましたが、保護することができず家族からも「再発防止策を文書で提出して欲しい」と求められてしまいました。
 施設のリスクマネジメント委員を中心に話し合い、「“職員が不審に思った時のフロア内の所在確認”とその後の“施設内の捜索”にムダな時間を割いてしまっている。もっと素早く施設周辺を捜索できれば発見できたかもしれない」と課題が浮かびました。どのようにしたら施設内の所在確認などに要する時間を割かずに、迅速に周辺の捜索ができるでしょうか?

不審に思った時フロア内確認と施設周辺のチェックを同時に行う

◆不審に思ってすぐ施設外を調べていたら

 Sさんの所在不明に気付いた時の初動対応を、表にしてみたら(右表)ある疑問が湧きました。仮にSさんが廊下で姿を確認された直後に施設を抜け出し、建物から道路に出るのに10分かかったとすれば、13時30分にはまだ施設周辺の道路にいたことになります。実はA職員が不審に思った時には、施設前の道路に出たばかりで、施設内の所在確認に時間をかけているうちにSさんはドンドン遠くへ離れて行ったのかもしれません。もしA職員が不審に思った13時30分に、他の職員が施設前の道路を探したら見つかっていたかもしれないのです。そこで、この施設では、初動対応のルールを次のように変更しました。

◆所在不明を疑ったらすぐ2名が外に出て探す

 右の地図で分かるように、不審に思った時施設の周辺の道路をチェックする(AB両地点まで行って施設に戻って来る)には10分あれば十分なのです。ただし、このルールに変えると「不審に思った時点で外へダッシュしてチェックし戻ってみたら、本人がフロアに居た」という空振りが起こるのです。職員たちが「空振りが何度起こっても利用者の安全の方が大切だ」と考えたから、このルール変更ができたのです。みなさん、本当にご苦労様!

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。
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