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2016年 2月号 絶対になくそう、離職にもつながる介助中の事故
絶対になくそう、離職にもつながる介助中の事故

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●機械浴の移乗介助中の転落事故

 機械浴からストレッチャーの移乗介助を職員が二人介助で行った際、一人が足を滑らせてふらつき利用者を浴室の床に転落させる事故が起こりました。利用者は頭部を強打し救急搬送され病院で亡くなりました。施設は『事故は職員のミスが原因』として家族に謝罪を行いました。家族は『施設には良くしてもらった』と賠償を求めませんでしたが、事故に関わった二人の職員は共に退職しました。

●排泄介助中の便座からの転落事故

 ある老健で利用者のトイレ介助中、職員は「終わったら呼んで下さい」と言ってカーテンを閉めて待っていました。すると“ゴン”という鈍い音がして利用者が便座から転落していました。職員はすぐにナースを呼びましたが、意識不明で救急搬送され病院で亡くなりました。施設では「事故は介助中であるため職員のミスが原因」として家族からの賠償請求に応じましたが、職員は退職しました。

●食事介助中の誤えん事故

 開設20年目の古い特養でのこと。100名近くの利用者が大食堂で一斉に食事をするので、看護職も食事介助を手伝っています。ある看護師が食事介助を手伝っていると、後ろの利用者の介助が必要になったため席を離れました。食事介助に戻ると介助中だった利用者がグッタリしてチアノーゼが出ています。看護師は慌てて吸引を施行しましたが改善せず、救急搬送された時には亡くなっていました。事故原因は看護師が目を離したこととされ、看護師はすぐに退職しました。

介助中の事故の原因は職員以外の環境要因なども分析する

◆介助中の事故は最優先で防ぐべき事故である

 介護の事故防止活動では、防ぐべき事故(過失のある事故)に対してきちんと事故防止対策を講じることが重要とされます。なぜなら、「過失のある事故」は介護のプロとして防止責任の最も重い事故だからです。そして防ぐべき事故の中でも最も防止責任が重い事故が、介助中の事故です。ですから、介助中の事故に対しては、他の事故と区別して徹底した原因分析を行い万全の再発防止策を講じなければなりません。特に、見守りのような間接的な介助に比べ、直接利用者を介助する移乗や食事介助などの事故では、職員の心理的負担から離職につながることが多いので万全の再発防止策が求められます。

◆介助中の事故の原因は職員の不注意か?

 では、実際には介助中の事故の防止対策はどのように扱われているのでしょうか?介助中に事故が起きると、ほとんどが職員のミス(職員の不注意)が原因として処理されてしまい、ミスの要因も含め事故の原因を多角的に捉えるようとしていません。ですから、再発防止策も「もっと慎重に移乗介助をする」となってしまっています。上記3事例の事故原因は介護職員の不注意なのでしょうか?

「職員のミスにも原因がある」という考え方を定着させよう
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。
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