介護RMニュース - バックナンバー

2014年 5月号 「私の不注意が原因でした」で済ませていませんか?
年に一度1週間の取組で大きな成果「危険箇所点検」

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ヒューマンエラーの原因究明は最優先で取り組みましょう

<事例>『移乗介助中に利用者を転倒させた』

 職員のTさんは、15年の経験があるベテランの介護職員です。ある朝、少し下肢筋力が低下してきた利用者のOさん(男性・92歳)をベッドから車いすへ移乗させようとして、転倒骨折させてしまいました。Tさんは事故報告書の事故原因の欄に『ベッドに腰掛けているOさんの上半身を抱え上げた時、Oさんが急にふらつきました。あわてて車椅子に座らせようとしたところ、Oさんの尻が車椅子の肘掛に引っ掛かかって、ブレーキが緩んでいた車椅子が動いてしまい床に転倒させてしまいました』と記入しました。

介助中の事故は過失を否定しにくい!

 「移乗介助中に利用者を転倒させた」など、介助中に起こる事故では過失を否定することが極めて困難と言われています。なぜなら、介護職員は利用者の動作を全面的に任されている状態であり、どんなことが起きても対処できるようにすべきと考えられてしまうからです。ですから、介助中に発生した事故はその他の事故とは区別して、徹底した原因分析と再発防止策の検討が必要になります。
 ところが、介助中に発生する事故は外見的には職員のミスと映るため、もっぱら職員の注意力不足として個人要因で捉えられてしまう傾向があります。しかし、ミスの裏にはミスを誘発する悪条件などの要因が隠れていることが多く、これら隠れた誘発要因が改善されずに放置されていると、何度も同じミスが誘発され同じ事故が起きるのです。では、このミスを誘発する隠れた要因は、どのように発見したら良いでしょうか?

~SHELL分析となぜなぜ分析で幅広く奥深くリスク分析~

●SHELL分析とは(介助中に起きたミスを5つの視点で分析する)

 人のミス(ヒューマンエラー)の原因分析に使われる手法として、SHELL分析という手法があります。
 人のミスが発生する要因を5つのファクターでチェックしていく方法です。

  1. S→ソフトウエアsoftware:介護手順や介助手法などの業務手順
  2. H→ハードウエア(hardware):福祉用具や介護機器などの用具や道具
  3. E→環境(environment):建物や設備などの介護環境
  4. L→人(liveware):業務を行う職員本人
  5. L→人(liveware):業務を行う職員以外の人(利用者や同僚や上司)

 上記の事故であれば、ミスの要因として次のような要因を挙げてチェック。
  「介助法に無理がある(S)」
  「車椅子の肘掛が上がらない(H)」
  「ベッドの位置が高すぎる(E)」
  「職員が夜勤明けだった(L)」
  「早朝で利用者が低血糖だった(L)」

●“なぜなぜ分析”で改善策が見えてくる

SHELL分析となぜなぜ分析を組み合わせる

 SHELL分析で5種類の原因をチェックしたら、その一つ一つの原因に対して、「なぜその原因が起きるの?」という要因を挙げてみます。「車椅子のブレー キが緩んでいた」という原因に対して、ブレーキが緩んでいた要因は何かをチェックすれば、「車椅子を点検するルールがない」という要因が挙げられます。「ベッドが高すぎて利用者がバランスを崩した」という原因があれば、「移乗介助の前にベッドの高さを確認していない、という」要因が明らかになり改善策が見えてきます。

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