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2021月6月号 4~6月は年に一度の危険箇所総点検の取組を!

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■ストレッチャーの転倒で重症事故
 
ある特養で利用者の入浴中に大事故が起きました。ストレッチャーで利用者の身体を洗っている時、利用者の身体が反転し端に寄った際に、バランスを崩して横転したのです。利用者は床に転落して頭部を強打し、重症を負う事故となりました。キャスターは固定されていましたが、横の力には耐えられませんでした。メーカーに事故を報告すると、「キャスターを横向きにすると横転しやすいので、キャスターは縦に向けて固定して欲しい」と回答がありました。重大事故につながったこともあり、施設では他のメーカーの安定の良いストレッチャーに買い替えました。驚いたことに、他の職員は「前からストレッチャーのバランスが悪く不安だったので、ホッとした」と口を揃えて言いました。職員の中には「洗体作業中は、自分の腹を押し付けて支えていた」という人もいたのです。 

 なぜ危険に気付きながら対策を講じなかったのか?

■危険な設備や用具によって重大事故が起きている

 古く安全性の低い介護機器を使用していることが原因で起こる、重大事故が数多くみられます。ツルツルの排水溝の蓋で職員が足を滑らせて利用者を転落させ、死亡事故に至った例もあります。事故が起きる前に対処していれば、大切な命は失われずに済んだ可能性が高いのです。職員は環境に慣れてしまっていて、危険な個所でも問題意識を持たなくなってしまうのです。どうしたら改善につなげられるでしょうか?

気付いた危険を記録する取組み

 危険に気付いたら書き留めておいて都度、報告すれば、事故が発生する前に危険が改善できるかもしれません。しかし、忙しい介護職員が業務中に感じた危険を、全て記録することは容易ではありません。そこで、前述の重大事故を経験した施設が取り組んだのが「年1回の危険箇所総点検の取組み」です。取組み方法はとても簡単です。全職員に危険箇所記入用紙を配布し、1週間仕事をしながら、「危ないな」と感じた箇所を書き留めてもらいます。1週間経ったら記入用紙を回収して一覧表を作り、優先順位を決めて1年間かけて改善に取り組みます。

見つける危険は2種類

 設備や用具の危険には劣化リスクと陳腐化リスクの2種類の危険があります。劣化リスクは長年使用することで起こる不具合や破損が原因の危険で、比較的容易に見つけることができます。しかし、陳腐化リスクは古い製品が新しい製品に比べて安全性が著しく劣ることの危険で、見つけることが難しいと言われます。本事例の古いストレッチャーも、現在の製品は改善された安定の良いものになっており、いつまでも古い製品を使っていることで危険性が高まることもあるのです。

危険を見つける新しい目に期待

 危険箇所総点検の取組は4~6月の年度の初めに取り組むと効果的ですが、なぜでしょうか?4月には法人内の人事異動や転職等で、新しい職員が施設に入ってくるからです。職場に慣れていない新しい職員は、危険を見つける新鮮な目を持っているのです。築3年の施設から築20年の施設に異動になった職員は、「え~今どきこんな用具使ってるの?」とビックリするそうです。これが難しい〝陳腐化リスクを見つける″ことにつながるのです。

「危険箇所総点検取組みマニュアル」を差し上げます。
別紙ファイルをご活用ください

 

監修 株式会社安全な介護 山田 滋                                                             
                                     
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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