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2021年3月号 利用者の顔写真をSNSに投稿したデイの職員

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■「認知症のおばあちゃんは可愛い」

 5月のある日、デイサービスさくらでは認知症の利用者5名と一緒に、近くの公園に散歩に行きました。入社2年目の女性職員Mは、久しぶりの外出行事でとても楽しそうでした。ところが、公園に着いてしばらくすると、職員Mと利用者Yさんの姿が見えません。主任が公園の裏手を探すと職員Mと利用者Yさんが二人きりで歩いています。主任は「ダメじゃない、勝手に離れちゃ」と注意し、みんなが居る場所に戻しました。1週間後、Yさんの娘さんが血相を変えて所長に面会を求めてきました。娘さんは自分のスマホを所長に見せて、「デイの職員のインスタに上がってたのよ、どういうことなの!」と詰め寄りました。インスタグラムにはM職員とYさんが頬をくっつた母の写真が投稿されており、「認知症のおばあちゃんは可愛い」とコメントがしてありました。

 新任研修で「やってはいけないこと」に加え罰則を教える

■再発防止策は人権擁護研修?

 処理に追われました。また、Yさんの娘さんがデイサービスの運営法人本部に、職員の処分を要求してきました。このように大きな不祥事となり、市から再発防止のための対応を報告するように求められたため、法人本部では全職員に対して人権擁護研修を行うことにしました。
  しかし、人権の大切さを研修することが再発防止策になるのでしょうか?企業は組織ですから、組織としてのルールを明確にしてルール違反に罰則を設けることで規律を保っています。個人の倫理観のみに頼ることだけでは、組織の規律は保てないのです。ですから、新任研修では〝やってはいけないこと″を具体的に示して、罰則を教えなければなりません。では、Mさんの行為はどのような規則に違反するのでしょうか?

■どのような規則に違反するのか?

1.個人情報保護法に違反する
 利用者の顔写真を本人の職だくなしにSNSに投稿することは個人情報の漏洩です。事業者は個人情報の漏洩防止措置を講じる義務があり、これを怠って個人情報を漏洩すれば個人情報保護法違反となります。

2.人権侵害として不法行為となる
 本人の了解なく他人の容姿を撮影することは人権侵害にあたり、民法上の不法行為となります。投稿しなくても「無断で撮影すること」だけで人権侵害となる場合もあり、注意が必要です。

3.就業規則の懲戒事由に該当する
 一般的な企業の懲戒規定では、次の懲戒事由に該当する可能性があります。
・故意または過失により事故を起こし会社に損害を与えたとき(被害者から賠償請求された時)
・不法行為をして会社の信用を害したとき
・会社の業務上の秘密を外部に漏洩したとき
・服務規律に違反した時(服務規律に「会社の信用を毀損しないこと」とあれば該当します)

4.契約違反で債務不履行となる
 通所サービス契約書には必ず「秘密保持」という条項がありため、契約違反となります。

監修 株式会社安全な介護 山田 滋                                                             
                                     
※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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