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2013年 8月号 リフト浴チェアが昇降装置に固定されず浴槽に転落
リフト浴チェアが昇降装置に固定されず浴槽に転落

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固定装置に欠陥があればメーカーの責任では?

ある施設のリフト浴で転落事故が発生

 ある施設でリフト浴(移動式チェアを昇降装置に固定して沈めるタイプ)を操作中、利用者が乗った着脱式の移動式チェアを昇降装置に固定し、浴槽に沈めようとしました。すると、着脱式の移動式チェアが昇降装置から外れ、利用者ごと浴槽に転落しました。利用者は溺れた上、チェアが反転して身体を機械にぶつけてしまいましたので、すぐに病院に救急搬送しましたが、鎖骨骨折で入院となりました。
 施設では以前から同種の機械の固定装置が外れる危険があると聞いていましたので、すぐにメーカーに連絡を取り病院にも販売担当者を呼びました。施設では家族に対して「事故は製品の欠陥が原因で施設の責任はないので、補償についてはメーカーと交渉してほしい」と説明しました。しかし、家族は「欠陥がある危険な製品を使用していた施設にも責任があるのではないか?」と主張してきました。

製品の欠陥が原因でも施設は賠償する義務がある

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■製造物責任と債務不履行責任とどちらが優先するか?

 たとえ、施設が使用していた介護機器に明らかな製品の欠陥(製造物責任法に定義される製品の欠陥)があったとしても、施設は利用者に対する賠償責任を免れることはできません。ですから、家族に対して「メーカーと交渉してほしい」と言うことはできないのです。なぜなら、施設には利用者との間の契約において「安全なサービスを提供する義務(安全配慮義務)」を負っており、これに違反して事故を起こせば債務不履行責任として、賠償責任を問われるからです。ではメーカーはどのような責任を問われるのでしょうか?製品の欠陥が明らかであれば、施設はメーカーに対して製造物責任法に基づいて事故で支払った賠償金相当額を、求償することはできます。しかし、製品の取り扱いに職員のミスなどがあれば賠償金の全額を取り戻すことができないケースもあります。

■施設は介護機器や福祉用具の安全性を確認する義務がある

 上記のような、介護機器使用中の事故が起きるとその多くが、職員の取り扱いミスとして処理されているのが現状ですが、実はメーカーの製品安全に問題があるケースも少なくありません。ですから、施設は使用する機器の安全性に対しても高い意識を持って点検し、少しでも製品に危険な箇所があればメーカーに改善を求めなければなりません。現在消費者庁では、定期的に重大製品事故の情報を公表していますから、これらを参考にして施設内に重大事故につながる欠陥製品が無いかチェックしてみるのも効果的な方法です。

《参考》福祉用具の重大製品事故の情報
○日本福祉用具・生活支援用具協会ホームページ(事故情報)
 http://www.jaspa.gr.jp/accident/kouhyou.pdf
○事故情報<製品評価技術基盤機構公表>
 http://www.jaspa.gr.jp/accident/nite_accident_search.html
○厚生労働省通知(医療・介護ベッドに係わる事故の再発防止について(緊急依頼))
 https://www.pref.yamagata.jp/ou/kenkofukushi/090002/fukusiyougu/followup/kinnkyuuirai.pdf

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