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2013年 2月号 居宅サービスでの利用者の疾患への安全配慮義務
居宅サービスでの利用者の疾患への安全配慮義務

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ヘルパーが注意を怠ったので病状が悪化した?

《ケース1》高血圧の利用者が長湯で失神

 在宅利用者のAさん(男性)は高血圧症の持病があり、同居の娘さんはヘルパーに「本人は長湯が好きだけれど絶対に長湯をさせないでくれ」と強く言われていました。ある時、ヘルパーがAさんに「お約束の5分経ちましたからお湯から上がって下さい」と促しましたが、「5分くらいじゃ風呂に入った気がしない」と言って上がりません。少しすると突然Aさんが失神し、救急車を呼びました。娘さんは「長湯を止めさせなかったヘルパーの責任だ」と主張しています。

《ケース2》糖尿病の利用者の病状が悪化

 在宅利用者のBさん(女性)は2型糖尿病の患者で、独居ですが敷地内に娘さん夫婦が住んでいます。ヘルパーは低カロリー食を提供をすることになっており、娘さんは「母には絶対甘いものをあたえないで下さい。もし甘いものを見つけた場合は廃棄して下さい」と強く要求します。ある時、Bさんの病状が悪化して入院した時、戸棚から大量のお菓子が見つかり、娘さんは「あれだけ甘いものを食べさせないように言ったのに、ヘルパーの責任だ」と主張しています。

ヘルパーに利用者個別の疾患に対する安全配慮義務はあるか?

■利用者の健康や疾患に対する安全配慮義務はサービス種別によって異なる

(1)居宅サービスの場合
居宅サービスは入所施設と異なり24時間利用者の生活を管理している訳ではないので、生活全般にわたる健康管理の義務はありません。また、ヘルパーは医療的な知識も持っていませんから、入浴介助や食事介助における個別の疾患に対する安全配慮の義務も基本的には無いと考えられます。ただし、ケアプランにより食事形態やカロリー制限などの調理上の指示があればこれを守ることになります。従って、「高血圧なので長湯をさせない」「糖尿病なので甘いものを管理する」などの、個別疾患に対する生活面での医療的管理は家族の役割であり、このような要求はサービス提供開始時に断わらなくてはなりません。ただし、独居の利用者や認知症の利用者については、踏み込んだ対応が必要になることがあります。

(2)デイサービスの場合
デイサービスにおいても生活全般にわたる健康管理の義務はありませんが、デイサービス利用に適した体調であるかを来所時に看護師が判断し、家族に対する受診要請などの適切な対応をしなければなりません。また、入浴介助や食事介助においても、その利用者の個別の疾患に配慮したサービス提供が求められますし、レクリエーションや行事の参加に対しても体調のチェックが必要です。デイサービスの看護師は、デイサービスでのサービス提供に対する標準的な医療的配慮は必要になりますが、重度な疾患や特殊な疾患に対する専門的な配慮は求められません。

(3)入所施設の場合
入所施設では常時適切な健康管理が要求されていますので、予防的配慮も含めて生活全般にわたる医療的配慮が必要になります。当然、入浴介助や食事介助などにおいては、個別疾患に対する専門性のある医療的配慮が求められます。しかし、重度な糖尿病患者などで常時医師による専門的な医療的管理が必要な利用者に対する配慮は要求されていませんので、このような利用者は入所判定で判断することになります。

※体調急変についてはその対応者の医療的判断能力に応じた対応が求められます。医療資格のないヘルパーは、誰が見ても病変や発作が疑われるような場合には医療機関への搬送の処置が求められますが、専門的な医療的判断は求められません。

サービス種別ごとに可能な医療的配慮の範囲を明確に家族に伝えましょう!

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