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2020年2月号 目に見える直接原因の奥に隠れたリスク要因

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■車椅子のブレーキが緩んでいて車椅子が動いてしまった

 ある朝、介護職のA子さんは、左半身麻痺の利用者Sさんを、ベッドから車椅子に移乗しようと離床介助を行いました。Sさんは離床介助の時に時々ふらついて転倒しそうになるので、慎重に上半身を支えて車椅子に身体を運びました。ところが、車椅子に座る寸前でSさんが突然ふらつき、健側の右足がフットレストに触れました。すると、ブレーキが緩んでいたせいで、車椅子が大きく動いてしまい、Sさんを床に転倒させてしまいました。その結果、Sさんは、尾てい骨を骨折する重傷事故となってしまったのです。A子さんは、事故報告書の事故原因の欄に「車椅子のブレーキが緩んでいるのに気付かなかったこと」と記入し、再発防止策の欄には「今後は移乗介助の前に車椅子のブレーキを確認する」と記載しました。しかし、翌々月にも同じ原因で、他の介護職員が移乗介助時に利用者を転倒させる事故が起きてしまいました。事故原因はどのように分析すれば良いのでしょうか?

なぜなぜ分析を活用すれば再発防止策につながる

■事故の原因は一つではない

  事故の原因は一つではありません。事故は必ず複数の原因が絡み合って起こるので、多角的にいくつもの原因を検証しなければなりません。簡単な方法は、次の3つの視点から少なくとも一つずつ原因を抽出してみることです。本事例の場合、次のような原因が考えられます。

   ①利用者側の原因➡早朝の転倒につながる処方薬を服用しているかもしれない。
   ②介護職側の原因➡移乗介助前にブレーキの利き具合を確認する習慣が無い。
   ③介助環境の原因➡車椅子のブレーキが緩んでいたこと。

直接原因の奥に隠れた要因とは

 さて、多角的に直接原因を分析したら、次にそれら直接原因の奥に隠れた要因を探します。なぜ車椅子のブレーキは緩んでいたのでしょうか?車椅子の点検をしなければ、ブレーキはいつか緩みます。なぜ、点検をしなかったのでしょうか?車椅子点検というルールが施設に無いからです。

                                                                  ※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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