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2012年 7月号 「高齢者ケアのための“くすり“の知識」を活用しよう
「高齢者ケアのための“くすり“の知識」を活用しよう

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高齢者の服薬見直しの方法から現場の取組事例まで

「高齢者は服用を避けた方が良い薬」に続く

 2008年4月に国立保健医療科学院疫学部の今井博久先生が、「高齢者は服用を避けた方が良い薬剤」というリストを発表しました(日本版ビアーズ基準)。以前から、高齢者は一般の成人と異なり代謝機能の衰えや様々な持病などから、薬の弊害が多いと言われてきましたが、具体的な薬剤名とその根拠が明らかにされたのは初めてです。
 このリストの発表以来、私たちは高齢者施設を中心に利用者の服薬の見直しに取り組んできましたが、この見直しの効果には驚きました。特に神経や精神に作用する薬剤や血圧降下剤、糖尿病薬などは、転倒や誤えんだけでなく、認知症利用者の周辺症状を引き起こしている薬もありました。

 さて、本書はこのリストの活用方法も含め、訪問医療・看護の現場での取組が具体的に掲載された、大変貴重な書籍です。特に、第3章の「くすりの変更でここまで変わった」の事例については、今さらながらに高齢者の多剤服用の実態に驚かされますし、在宅での服薬見直しの難しさを痛感します。施設のみでなく、在宅での高齢者の服薬の見直しにつながる貴重な書籍ですので、活用をお勧めします。

※ビアーズ基準とは:1990年代前半にアメリカのマーク・ビアーズ教授の提案により、高齢者に処方を避けたほうが望ましい薬剤が選考されビアーズ基準とされました。現在では全世界で使用されている基準です。

《日本版ビアーズ基準》 =高齢者は避けた方が良い薬=

2008年4月国立保健医療科学院疫学部の今井氏が、約70品目の高齢者は服用を避けた方が良い薬のリストを公表しました。青壮年層とは異なり高齢者層では「服薬による弊害(転倒や問題行動など)」が多いので注意が必要と、以前から指摘されていましたが、国の研究機関が薬剤の実名を公表したのは初めてです。

http://www.niph.go.jp/soshiki/ekigaku/

「コミュニティケア」2011年12月臨時増刊号
 巻頭言:高齢者にたくさんの“くすり”は必要か
「コミュニティケア」2011年12月臨時増刊号
  1. 高齢者の服薬支援をどう考える?
  2. 在宅・施設での服薬支援の現状と今後のあり方
  3. くすりの変更でここまで変わった
  4. 在宅・施設で高齢者によく使われるくすり
  5. 高齢者ケアで押さえておきたい服薬に関する知識
  6. 多職種連携で実現する最適な服薬管理

著者:日野原重明、今井博久、一瀬邦弘 他

発行:日本看護協会 注文:0436-23-3271
 ホームページ:http://www.jnapc.co.jp

避けた方が良い薬剤はリスト以外にもたくさんある

日本版ビアーズ基準を作成した今井博久先生は、本書で次のように述べています。

『リストに掲載されている薬剤と同様な薬効(特に副作用)を持つ同類薬剤群の薬剤は「それが掲載されていなくても同等に扱い、特別な理由がない限りは避けるのが望ましい薬剤」になります』

つまり、本リストで具体名の挙がっていない薬剤であっても、抗コリン作用・錐体外路症状・CNS副作用などは、種類を問わず多くの薬剤に見られ高齢者への副作用につながるおそれがあるからです。

これら広範囲の薬剤に見られる作用については、次のサイトで詳細情報を検索できます。

【独立行政法人医薬品・医療機器総合機構】 医療用医薬品の添付文書情報
http://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html
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