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2012年 4月号 急変対応の緊急出勤の途上で看護師が交通事故
居宅サービス事業者の皆様へ

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通勤途上の事故として政府労災の給付申請をしたが・・・。
深夜に利用者の体調急変で施設に緊急出勤

 M特養では、夜勤帯の利用者の体調急変に備えて、看護師のオンコール当番を決めています。当番になった看護師は深夜でも利用者に体調急変などが発生すれば、緊急出勤しなくてはなりません。看護師のHさんがオンコール当番の時、午前2時に施設から出勤要請がありました。ある利用者が急に高熱を発し呼吸も苦しく、夜勤の介護職が当番のH看護師に緊急連絡をしてきたのです。

 H看護師は、施設に出勤するためいつものようにマイカーで施設に向かいました。ところが、看護師はスピードを出していたため、施設の手前のカーブを曲がり切れず電柱に激突してしまいました。看護師は自ら救急車を要請し病院に救急搬送され、重度の頚椎捻挫で1ヶ月の入院治療が必要とされました。しかし、退院後もすぐには出勤できず、しばらく自宅での静養が必要となりました。

 施設では、通勤途上の災害として労災保険の給付を申請した上で、就業規則の私傷病のための休職制度を利用して、ゆっくり療養してもらうことにしました。その後、傷病休職の期間が終了となり、本人は職場復帰を希望しましたが、手の痺れや軽いめまいなどが残り、「以前の業務に支障がない程度に回復したとは言えない」として職場復帰が認められませんでした。施設ではやむを得ず看護師を解雇しました。

急変時対応で緊急出勤する途上の事故は業務上災害です
通勤途上の事故が業務上災害とされる要件

 労働基準法では、通勤途上の災害は労災保険の給付対象とはなりますが、業務上災害とは区別され私傷病として扱われます(ただし、給付対象の通勤途上の災害と認定されるためには「通勤経路を逸脱していないこと」などの要件があります)。

 しかし、通勤途上の事故であっても、その通勤が「使用者の業務命令によって、通常とは異なった時間や経路・通勤方法によって出勤した場合」には業務遂行性があるとされ、業務上の災害として取り扱わなくてはなりません。ですから、労災保険の給付申請による、治療費や休業補償の給付はもちろんのこと、休職や解雇についても、私傷病としてではなく業務上災害として取り扱わなくてはなりません。では、業務上災害によって従業員が休業した場合については、労働基準法上どのような制約があるのでしょうか?

業務上災害における解雇などの制限

 労働基準法では、従業員が業務上災害で傷病を負った場合には治療費と休業補償を、障害が残った場合には障害補償を、死亡した場合には遺族補償と葬祭料を使用者が支払うものと定めています(治療が3年を超える場合は一時金の支給も可)。また、療養のための休業期間中及びその後30日は解雇できないことになっています。

 職場復帰の可否については、判例などから「以前の業務に支障がない程度に回復していない場合」であっても支障が軽度な場合は、使用者は「軽度な業務の他職場への配転」や「軽度な業務から通常業務へ徐々に復帰させる」などの、職場復帰への対策を講じる努力義務があるとされています。

労働基準法第19条(解雇制限)

使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間(中略)は、解雇してはならない。
ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。

【罰則:6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金】

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