介護RMニュース - バックナンバー

2013年 3月号 ハンドソープのボトルが原因でノロの感染拡大?
居宅サービスでの利用者の疾患への安全配慮義務

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ハンドソープの注ぎ足し使用をしてはいけない!

感染対策を徹底しても感染拡大が止まらない

 ある病院の入院患者が感染性胃腸炎(ノロウィルス)を発症しました。この病院では感染症対策委員会を中心に感染症対策の徹底が進んでおり、このノロ感染者の発生も院外からの感染によるものと判断し、引き続きマニュアルの徹底を図ることを申し合わせました。ところが、1週間後には1号患者とは距離が離れた別の病棟の入院患者が3人もノロに感染し、その後も感染者の拡大が止まりません。感染症対策委員会の委員長の医師が中心となって、感染症対策マニュアルの再検証を行ないました。

 すると、マニュアルの通りに行なわれていない点があることに気付きました。マニュアルでは、「液体石鹸の注ぎ足し使用はしないこと。容器を再利用する場合は、残りの石鹸を廃棄し容器を洗浄し、乾燥させてから新しい石鹸液を詰め替える」とされているのに、注ぎ足し使用をしていたのです。感染症対策委員会では、詰め替え時の洗浄と次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を行なうことにして、すぐに実施したところ、ノロ患者の感染拡大が終息しました。

薬用ハンドソープや消毒剤の殺菌効果を正しく理解しよう

■ハンドソープのボトル内は清潔?(石鹸や消毒剤の殺菌効果とは?)

 殺菌・消毒と表示している薬用ハンドソープもたくさんあり、細菌やウイルスに対する殺菌効果がありそうに見えますが、果たしてどれくらいの効果があるのでしょうか?薬用ハンドソープのボトルの中は清潔なのでしょうか?これらの石鹸や消毒剤にはどの程度の殺菌力や抗菌力があるのか調べてみました。

(1)石鹸
石鹸は界面活性剤(陰イオン)が主成分で、手や身体に付着した汚れと細菌やウイルスを、水と一緒に洗い流すための液剤であり、石鹸自体に殺菌効果や抗菌効果はありません(ただし高濃度条件下では一部の細菌に殺菌力がある)。

(2)薬用石鹸(薬用ハンドソープなど)
通常の石鹸に、トリクロサン・イソプロピルメチルフェノール・塩化ベンザルコニウムを混ぜたもので、一部の細菌や真菌に対して殺菌・抗菌力を持ちますが、ノロを含む一般のウイルスには殺菌効果は期待できません。

(3)逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)
陽イオン界面活性剤で、結核菌・破傷風菌などの一部の特殊な細菌を除き殺菌効果があり、広く使用されています。

(4)擦式手指消毒剤(エタノール系消毒薬)
ほとんどの一般細菌やウイルスに対して殺菌力を持ちますが、破傷風菌・ボツリヌス菌やノロウイルスなどの脂質膜の無いウイルスには殺菌力がありません。但し、一部の商品は、ノロの代替ウイルスに対する殺菌効果が証明されています。

(5)塩素系洗剤(次亜塩素酸ナトリウム)
ノロウイルスを含むほとんど全ての細菌やウイルスに対して殺菌力があります。

(6)ヨード系消毒剤(ポピヨンヨード)
ノロウイルスや破傷風菌、ボツリヌス菌を除くほとんどの細菌やウイルスに対して殺菌力があります。

■ハンドソープの扱い方を見直そう

 上記のように、薬用ハンドソープであっても細菌やウイルスに対する高い殺菌効果がある訳ではありません。ですから、ハンドソープを使用する時は「ノズルの先に手を触れない」「詰め替える前に容器を洗浄する」などの取扱いを徹底しないと、容器内に細菌やウイルスが侵入し感染源になるおそれがあります。

■ある老健での対応策

 高いレベルの衛生管理を求められる病院では、ハンドソープの詰め替え時に容器を必ず洗浄しなければなりませんが、生活の場である高齢者施設では手間がかかり難しいのが現実です。そこで、ある老健では「平常時はそのまま注ぎ足しでも良いが、ノロの利用者が発生した時のみ洗浄して詰め替え」というルールに変えました。

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