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2011年 10月号 排泄時に便座から転落して死亡事故に、その対策は?
排泄時に便座から転落して死亡事故に、その対策は?

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介護用のトイレは麻痺側が広く転落の危険が大きい
左片麻痺で全盲のKさんが便座から転落

左麻痺用トイレ・・・麻痺側(右手前)が広く危険
左麻痺用トイレ
麻痺側(右手前)が広く危険

 左片麻痺の女性利用者Kさんは、視覚障害もあり介助には細心の注意を払っています。ある時、トイレの介助のためKさんを車椅子でトイレにお連れをして、便座に移乗しました。「終わったら呼んで下さい」とお願いしてドアを閉めました。ドアの前で待っていると、突然“ゴツン”という鈍い音が聞こえたので、すぐにドアを開けると Kさんが便座から麻痺側の左前方向の床に転落していました。頭から床に転落したようです。
 介護職員はすぐにナースを呼び、ナースが応急手当を試みましたが、既に意識が無かったため、救急車の要請をして病院に救急搬送しました。 Kさんはそのまま意識が戻らずに、硬膜下出血で2日後に亡くなりました。施設では家族に事故の状況や発生時の対処をていねいに説明し誠意をもって対応した結果、家族も「排泄の最中まで側で見守る訳にもいかない ので仕方がありません」と理解を示し、幸い訴訟などのトラブルにはなりませんでした。


右麻痺の利用者に左麻痺用のトイレを使うことも
最新式の介助用トイレを検討

 Kさんの死亡事故を重く受け止めた施設では、今後絶対に同様の事故を起こさないために対策を検討しました。まず、古くなったトイレの設備を最新式の介助用トイレに変えることを検討しました(施設は築20年)。しかし、予算の手当てがつかず各フロア1ヶ所だけの設置となり、座位の安定の悪い人に使用することになりました。

最新式の介助用トイレ
最新式の介助用トイレ


足台の設置など便座での座位の安定

 次に小柄な人のために高めの足台を設置して、便座に座った状態で足がしっかり踏ん張れるようにしました。最初は高さ5センチ程度の足台を設置しましたが、少し膝が上がるくらいの高い足台の方が安定することが分かりました。


右麻痺の利用者に左麻痺用トイレを使うケースも(写真上)

 足台を設置しても便座上でふらつかないという保証はありません。そこで、ある介護職員がアイディアを出しました。左麻痺用トイレを右麻痺の利用者に使ってみようというのです。左麻痺用トイレに右麻痺の利用者が座ると、右側(L字手すり側)の壁が近いため直接床に落ちません。健側の左手で可動式の水平バーをつかんでもらえば更に安定します。ただし、L字手すりが麻痺側になり手すりを使えませんから、立ち上がりが自立している利用者は除き、立ち上がりに介助が必要な利用者に試しました。 転落しない工夫も大切ですが、転落しても大ケガをしない工夫も必要なのです。

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