介護RMニュース - バックナンバー

2011年 5月号 要介護度は低いが転倒のリスクが高い利用者
要介護度は低いが転倒のリスクが高い利用者 ADLは高いのになぜリスクが高いのか? 要介護1のショート利用者が顔面骨折、その原因は? Hさん(85歳・男性)は2ヶ月前よりショートステイを開始した、要介護度1の比較的ADLの高い利用者でした。今回は2回目の利用でしたが、本人も比較的お元気で気分も良さそうでしたので、少し安心していましたが、2日目の早朝に…。
要介護度は低いが転倒のリスクが高い利用者

オリジナルファイルのダウンロード(PDF)

◆要介護1のショート利用者が顔面骨折、その原因は?
Hさんは要介護1でADLも高いはずだったが・・・

Hさん(85歳・男性)は2ヶ月前よりショートステイを開始した、要介護度1の比較的ADLの高い利用者でした。利用者の状況は次の通りです。

■利用者の状況
【既往症】高血圧・糖尿病・狭心症・硬膜下血腫・アルツハイマー型認知症
【服薬】バイアスピリン錠・プラビックス錠・メルビン錠・シンメトレル錠・ノルバスク錠・アリセプト錠・ドルナー錠
【ADL】歩行器で移動(要見守り)、夜間のみポータブルを使用

今回は2回目の利用でしたが、本人も比較的お元気で気分も良さそうでしたので、少し安心していましたが、2日目の早朝に居室で転倒してしまいました。事故状況は次の通りです。
朝5時ころ、居室で大きな物音がしたため職員が訪室すると、Hさんがポータブルトイレの脇の床に倒れていました。どのように転倒したのか聞きましたが、答えられません。
オンコール当番の看護師に連絡しすぐに出勤してもらい、手当てをしてもらいました。朝食後に顔の打撲箇所が腫れてきたため受診すると、鼻骨1ヶ所、頬骨3ヶ所の合計4ヶ所を骨折しており、念のためCTなどの精密検査のために入院することになりました。
介護職はすぐにカンファレンスを開き、事故の原因と再発防止策を検討し、家族にていねいに説明すると同時にていねいに謝罪しました。事故原因はセンサーマットを敷くべきところこれをしなかったこと。再発防止策は、センサーマットの導入と夜間見回りを頻回にすることとなりました。

◆要介護度が低くても、持病や服薬が多いと事故のリスクも高い
Hさんの転倒の原因と考えられること

Hさんは手を突かずに顔面から転倒しています。認知症のある利用者であっても、覚醒して意識がハッキリしていれば、転倒する場面では本能的に手は床に突くのが通常です。このことから、Hさんは意識混濁の状態で転倒したと推測されます。では、意識混濁の原因は何でしょうか? これだけたくさんの持病があり服薬も多い利用者では、持病の悪化や服薬の弊害で意識混濁やせん妄などを起こすことが容易に考えられます。現在はほとんどの処方薬に添付されるようになった「高齢者への投与上の注意」欄を確認することで、弊害の多い服薬を避けることができます。上記のHさんの事故では、次の2つの服薬に問題があると考えられます。(「医療用医薬品添付文書」より) 

■シンメトレル:パーキンソン病薬
 ⇒興奮、見当識障害、幻覚、妄想、錯乱等の精神症状が現れやすく、低用量から慎重に投与すること
■メルビン錠:糖尿病薬
 ⇒低血糖症や乳酸アシドーシスを引き起こす怖れがあり、高齢者へは投与しないこと

《参考》高齢者は服用を避けた方が良い処方薬
2008年4月国立保健医療科学院疫学部の今井部長が、約70品目の高齢者は服用を避けた方が良い薬のリストを公表しました。以前から90歳以上の超高齢者を中心に、「服薬による弊害(転倒や問題行動など)」が多いとして、指摘されていましたが、国の研究機関が薬剤の実名を公表したのは初めてです。リストはホームページにアクセスして入手できます。http://www.niph.go.jp/soshiki/ekigaku/

TOPページへ戻る

おすすめコンテンツ

  • 地域AD倶楽部
  • ベルマーク運動
  • 運送ラボ
  • 建設ラボ
  • フード&アグリラボ
  • 保育・こどもねっと
  • ケア・フレンズ
  • ベストケアサポーターのご紹介
  • eco now
  • インターリスク総研