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2019年10月号 利用者を取り違え間違った食事を提供し誤えん事故に

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■ソフト食の利用者に普通食を提供

 ショートステイの介護職Bさんは、デイルームに居た認知症の山田さんを食卓へ誘導して、食事介助をしました。ところが山田さんに誤えんが発生し、看護師が吸引などの救命対応、その後救急搬送されましたが、残念ながら病院で亡くなりました。ところが、連絡を受けて搬送先の病院に駆けつけてきた息子さんが、「この方は父ではない」と言います。施設で確認をすると、なんと亡くなったのは“山田さん”ではなく“山野さん”だったのです。すぐに山野さんの家族に連絡しました。病院が警察に通報したことから、警察の事情聴取で事故の原因は、利用者を取り違えてソフト食の利用者に普通食を提供したことであると判明しました。すると、その後介護職のBさんは業務上過失致死の疑いで警察の取り調べを受けました。

 食事と服薬は一体的業務として一元的に管理すべき

■利用者の取り違えで誤薬はたくさん起きている・・・

 本人確認を怠り利用者を取り違える誤薬事故がたびたび起きています。同様に利用者を取り違えて間違った食事を提供する事故も起きています。このように、提供してはいけない食材を提供してしまう事故を、「誤食・誤配事故」と言います。このような誤食・誤配事故は食物アレルギーの児童がたくさんいる幼稚園や保育園では大きな問題ですが、なぜか高齢者施設ではそれほど大きな問題と捉えられず、事故扱いにさえならないことがあります。

 なぜ高齢者施設では、誤食・誤配事故が問題にならないことがあるのでしょうか?食物アレルギーが命にかかわる高齢者は少数と思われますが、ソフト食の利用者に普通食の食事を提供すれば、誤えん事故につながる危険は高まります。また、服用している薬などの関係から禁忌食(食べてはいけない食材)もあります。単純な誤えん事故として処理されている事故には、利用者の取り違えて、食事形態の異なる食事を提供して誤えん事故に至っている事例もあると考えられます。では、どのように誤食・誤配事故を防いだら良いのでしょう?

■食事も服薬も一元的に管理すべき

 入院病棟では利用者の腕にバーコードを付けて、食事も服薬も全てバーコードを読み取って確認しているため、食事も服薬も間違えることは極めて稀です。高齢者施設の利用者一人一人にバーコードを付けるのは難しいですが、このチェック方法はヒントになります。

 まず、食膳には必ず食札が付いていますので、この食札に利用者の顔写真と薬の写真を載せます。利用者を食事の席にお連れし、食札の氏名を読み上げて顔写真を確認します。食事介助が終わって服薬の時間には、薬をお薬ボックスからピックアップして席に戻り、服薬直前の最終チェックを行います。手に取った薬を食札の薬の写真と照合し、利用者の顔と食札の顔写真を照合します。


この方法であれば、食事をする前に食事と利用者を一致させることがきますので、誤食・誤配と誤薬を同時に防げると考えます。もともと食事介助と服薬介助は一体的な業務なので、一元的に管理することで事故の軽減につながるのです。


 監修 株式会社安全な介護 山田 滋             ※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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