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■30万円の羽毛布団を5セット購入した利用者

 

 Mさん(72歳女性)は慢性関節リウマチがある要介護1の利用者です。息子さんが海外勤務のため独居ですが、生活はほとんど自立しています。利用している介護サービスは、居宅介護支援と週2回の訪問介護で、同じ会社の併設事業所を利用しています。Mさんは年金が十分で生活に余裕がありますが、近所付き合いが少なく趣味の手芸に時間を使っています。
 ある日息子さんからケアマネジャーに電話があり、「母の様子がおかしいので帰国して調べてみたら、高額な羽毛布団を5セットも買っていた。気付かなかったのか?」と言いました。ケアマネジャーは「羽毛布団を買ったので良く眠れるとは聞きましたが、5セット買ったとは聞いていません」と答えました。その後、Mさんが多額の健康食品を購入した上、貴金属を不当な値段で買い取られていたことが分かり、息子さんは1200万円の被害届を警察に出しました。息子さんは事業所に「ケアマネジャーや訪問介護のヘルパーが頻繁に訪問しているのに、気付かなかったとは考えられない」とクレームを言ってきましたが、社長は「法的責任がある訳ではないから対応する必要はない」と言い、息子さんは市に苦情申立をしました。

介護事業者なら知っておきたい特定商取引の実態と規制

■介護事業者に本当に責任はないのか?

  社長が言うように、居宅介護支援事業者や訪問介護事業者に、利用者を悪徳商法から守る法的な義務がある訳ではありません。しかし、地域の高齢者を詐欺や特定商取引の被害から守ることは、介護サービス事業者として当然の社会的責任ではないでしょうか?
 オレオレ詐欺だけでなく、訪問販売などの悪徳商法による高齢者の被害は大きな社会問題になっています。高齢者を守る上で重要なことは、騙されていることに周囲が気づいて迅速に代金回収などの対応を取ることです。特定商取引に関する規制が厳しくなり、通常消費する量を著しく超える量(加量販売契約)であれば、1年間契約の解除ができます。また、貴金属などを不当な金額で買い上げる「訪問購入」についても、8日間のクーリングオフが可能です。ケアマネジャーやヘルパーがMさんの購入したものに気付いて早く対応していれば、被害の多くが防げたかもしれません。

■悪徳商法から高齢者を守ることも介護事業者の社会的使命

  銀行ではATMを使ったオレオレ詐欺の被害を防止するために、ATMコーナーに行員を配置して、挙動が不審な高齢者に対して声をかける活動をしています。騙されている高齢者に拒否されないように、声の掛け方の研修まで行っています。一方で高齢者の生活に最も近い立場で働いている、ケアマネジャーやヘルパーに対して、特定商取引の手口や実態、被害の回復のための法規制などを研修している介護事業者は聞いたことがありません。

  地域の介護事業者としての社会的責任を果たそうとすれば、悪質な訪問販売(特定商取引)やオレオレ詐欺(特殊詐欺)などの被害から高齢者を守るための努力も重要です。超高齢社会となり、判断力の低い高齢者が騙されて生活費まで詐取される事件が後を絶ちませんし、騙す手口もどんどん巧妙になっています。特殊詐欺と言ってもオレオレ(振り込め)詐欺だけではありません。介護事業者がもっと積極的に利用者や家族に情報提供し、未然に被害を防ぐ取り組みを行うべきではないでしょうか?

《特殊詐欺の手口》

オレオレ詐欺
電話を利用して親族、会社の上司、警察官、弁護士等を装い、会社での横領、トラブルや交通事故の示談金名目で、現金を預金口座等に振り込ませたり、宅急便や郵送などで送金させるなどの方法によりだまし取る詐欺をいいます。警察官、銀行協会職員等を装って電話をかけ、自宅等へ現金やキャッシュカードを受け取りに来る受取型の詐欺もオレオレ詐欺に分類されます。

架空請求詐欺(支払え詐欺)
身に覚えのない料金請求のことで、郵便、インターネット等を利用して不特定多数の者に対し、架空の事実を口実とした料金の請求や、偽の裁判通知などの文書・メールなどを送付するなどして、現金を預金口座等に振り込ませたり、宅配便や郵送などで送金させるなどの方法によりだまし取る詐欺をいいます。

融資保証金詐欺(貸します詐欺)
実際には融資しないにかかわらず、低金利で融資をする旨の文書等を送付するなどして、融資を申し込んできた者に対し、保証金や信用調査等を名目に現金を預金口座に振り込ませたり、宅配便や郵送などで送金させるなどの方法によりだまし取る詐欺をいいます。

還付金等詐欺(返します詐欺)
税務署や社会保険庁、市町村役場、電力会社、電話会社等をかたり、税金や保険料、医療費、利用料金等の還付等に必要な手続きを装って、電話で指示しながら被害者にATMを操作させ、被害者が知らないうちに、口座間送金により現金をだまし取る詐欺をいいます。

金融商品等取引名目の詐欺(もうかります詐欺)
実際にはほとんど価値がない有価証券(社債や未公開株等)や、架空の有価証券、外国通貨などの購入を、ダイレクトメール等であっせんし、その後、別の犯人が電話で「必ずもうかる」「3倍で買い取る」「あなたしか買えない」などと言って購入するように勧めてだまし、これらを買えば高額で買い取ってもらえると信じ込ませ、現金を振り込ませてだまし取る詐欺をいいます。この手口は「劇場型」と呼ばれ、複数の会社や人物が登場し、被害者をだまします。また、だましのネタは社債や未公開株等の有価証券に限らず、外国通貨、鉱物の採掘権などの権利関係のものや、パソコンソフト、仏像、金、ダイヤモンド等の物品、会員権、社員権であることもあります。

ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺(もうかります詐欺)
雑誌の広告やメールなどで、「パチンコ打ち子募集」「サクラのバイト」などと勧誘し、登録料や保証料の名目で現金を振り込ませたり、「パチンコ攻略法」や数字選択式宝くじの「当たり番号情報」、「競馬必勝情報」などで虚偽の情報を提供し、これを名目に現金を振り込ませ、だまし取る詐欺をいいます。

異性との交際あっせん名目の詐欺(紹介します詐欺)
雑誌やメール、サイト上で「女性紹介」などと掲載し、これに申し込んだ人に対して、虚偽の異性の情報を提供したりした後、会員登録料や保証金等の名目で現金を振り込ませたり、異性になりすまして現金を要求したり、サイト上で高額なポイント等を購入させ現金をだまし取る詐欺をいいます。                                                                             (長野県警ホームページより)


                                                                                       (大阪府消費生活センターホームページより)

 

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