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■ある法人の事故事例検討会で

 社会福祉法人Mでは1カ月に1回、リスクマネジメント委員会主催で事故事例検討会を開いています。実際に起きた事故の事例に対して、原因分析と再発防止策をグループで討議しているのです。ある時、デイサービスの送迎車の車両・物損事故の事例を検討することになりました。「あるマンションに利用者をお迎えに行き、駐車場内で方向転換しようとハンドルを左に大きく切った時に、高さ1メートルくらいの鉄製のポールに、助手席ドア付近を接触してしまった」という事故事例でした。 車両もマンションのポールも大きな損害ではありませんでしたが、マンションの管理組合には申し出て、車両は修理することになりました。軽微な車両・物損事故の事例だったため、討議は「添乗員が車を降りて誘導すべきだったか?」という議論となりました。しかし、車両・物損事故の再発防止策を検討することも大切ですが、「もし衝突したのがポールでなく幼児だったら」という視点で検討したら全く違った討議になったのではないでしょうか?車両・物損事故を検討する時は、もしも人身事故だったらという視点を忘れてはいけません。

もし衝突したのがポールではなく居住者の幼児だったら

■マンションの敷地内には背の低い幼児もいる
  まず、送迎車がポールと接触した場所を調べてみましょう。事故発生場所の見取り図は右図のようになっていて、事故発生時刻は午前9:30です。家事に追われている母親が気付かない間に、建物から2歳くらいの幼児が歩き出してくることもあるかもしれません。衝突場所のすぐ近くにブランコなどの遊具のある小さな公園が隣接していますから、母親と遊んでいる幼児が送迎車の近くに歩いてくるかもしれません。

2歳児は身長が80㎝くらいですから、送迎車が衝突したポールと同じように運転席からは見えません。周辺状況や時刻から考えれば送迎車がマンション居住者の子供を轢いていた可能性もあるのです。送迎車がマンションの敷地内で幼児を轢いてしまったら、その地域で介護事業者として仕事が続けられるでしょうか?「添乗員は降りて周囲を確認して送迎車を誘導する」というのは、当たり前の安全確認であり議論の余地は無いのです。

 ■送迎車はマンションの敷地内に入って良いか?

送迎車がマンションの敷地内に侵入することを前提に考えれば、「添乗員が車を降りて安全確認と誘導すべき」という結論になります。しかし、そもそもマンションの敷地内にデイの送迎車は侵入しても良いのでしょうか?利用者の居宅が一戸建ての場合は、送迎車は居宅前の路上に停車して利用者を迎えに行きます。なぜ集合住宅の敷地に送迎車が侵入して良いのでしょうか?
 集合住宅と言えども、住居の敷地内であることには変わりありませんから、幼児の母親やお年寄りは公道とは異なり、車両に対してそれほど注意を払っていません。このように考えれば、マンション前の路上に停車して、利用者を迎えに行くべきではないでしょうか? 通常事故事例検討会では、実際に起きた事故に対して原因分析や再発防止策を検討しますが、最悪のケースを想定して防止対策を検討することも重要なのです。                                                                  

  監修 株式会社安全な介護 山田 滋             ※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

 

 


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