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■家族からのハラスメント

 Mさんの息子さんは、自分に気に入らないことがあると大きな声を上げ、時には介護職員を小突いたりする事があります。怯えた介護職員から「何とかして欲しい」と声が上がっていたため、主任は「職員に対して暴力的なことは止めて下さい」と息子さんへ注意をしました。すると、息子さんは「俺は間違ったことは言ってないし、俺はお客様なんだよ」と言って、テーブルを叩きながら怒りをあらわにしました。ある時、Mさんの水分補給の時に、介護職員がお茶をこぼしたのを見て、土下座して謝るよう要求し、従わない介護職員に「お前ぶっ殺されてえのか」と言って目の前の椅子を蹴飛ばしてきました。見かねた施設長が、「他の利用者の迷惑にもなるので止めて欲しい」と息子さんを説得しましたが聞き入れてはくれません。施設長は「退所して下さい、と言う訳にもいかないし。根気よく説得するしかない」と言います。職員も不満は積もるものの、「対抗手段がないのだから施設長だけ責める訳にもいかない」と困惑するばかりです。

犯罪行為による被害はサービス提供拒否の正当な理由

■ハラスメントは犯罪行為になるケースも多い

 利用者・家族の要求にはその人なりの言い分があるかもしれません。しかし、暴力的・威圧的な要求手段に正当性があるとはいえません。ですから、家族からの要求と暴力的・威圧的な要求(=ハラスメント)は区別をして、ハラスメントを止めさせる対抗手段を執らなくてはなりません。では、家族によるハラスメントを止めさせるにはどのようにしたら良いのでしょうか?

 いじめやハラスメントは、人権侵害行為であると同時に、その発言や振る舞いが犯罪行為となるものが少なくありません。たとえば、「お前殺してやる」と脅せば"脅迫罪"、相手の頭を小突く行為は"暴行罪"にあたる可能性があります。職員が受けている被害が犯罪行為だとすれば、警察へ行って告訴することも可能になるかもしれません。本事例のケースでは、施設だけの対応にとどまらず、法人としての対応に切り替え、その是正を求めた上で、"ハラスメント"が犯罪に該当することを指摘し、「是正されなければ法的な手段を執る用意がある」と文書で警告すべきでしょう。加えて、職員が家族からの犯罪行為で被害を被れば、サービス提供を拒否する正当な理由になることも伝える必要があります。


 監修 株式会社安全な介護 山田 滋             ※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。


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