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2018年3月号 国も後押し 中古買取再販事業

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 政府与党は、2018年の税制改正大綱を昨年の12月14日に決定しました。住宅分野では、既存住宅の流通を後押しする特例措置等が盛り込まれています。特に注目されたものとしては、中古買取再販事業の特例措置があります。これは、既存住宅を事業者が買い取り、一定のリフォームを行って販売する中古買取再販事業において、事業者の物件仕入れにかかる不動産取得税の減額を敷地部分にも拡充するというものです。国が中古買取再販事業の税制を優遇する狙いとしては、既存住宅の流通の促進、そして空き家の解消が考えられます。今回は国も後押しし、新規参入も増加している中古買取再販事業を見ていきます。

1. 各社におけるマンション・戸建住宅の中古買取再販状況

 

中古買取再販事業は、その参入障壁の低さから新たに参入する事業者が増えています。従来は、中古買取再販を専門に行う事業者が多いという印象でしたが、最近では、大手ハウスメーカーや、不動産業者、ビルダー・工務店が相次いで参入しています。一方で、従来から中古買取再販事業を行っている事業者も地方への拡大や業務提携、性能向上といった独自の戦略で事業拡大を図っています。
1990年代に設立されたA社は、年間1400戸超の中古マンションを買取再販する、業界の草分け的存在で、自社で購入しリノベーションした中古マンションを「リノヴェックスマンション」として販売しています。近年は、新規参入企業が増えたために、物件仕入れ価格が高騰しており、首都圏での物件仕入れを抑えています。その代わり、札幌、大阪、福岡、名古屋、仙台といった地方都市に拠点を置き、地方での事業展開を強化しています。また、マンションだけでなく、戸建住宅の取り扱いを始める等、事業内容を拡大し成長を続けています。
戸建住宅の中古買取再販事業で圧倒的な販売物件数を誇るB社では、直近年度で3451戸の中古住宅を買取再販しています。B社が実施するリノベーションは、中古マンションの買取再販を行う他の事業者と同様に、キッチン、バス、トイレといった水まわり設備については、ほぼ全ての物件で交換工事を実施しています。
戸建住宅での特徴としては、躯体の補修とシロアリ対策は必須という点です。また、畳はフローリングに貼り替え、押し入れはクローゼットに変更する等、住宅の古さを払拭し、現代の生活に合った内部の新しさを演出しています。また、地方の物件が中心となるB社の事業において、最も重要になるのが駐車場の有無です。地方は車社会であるため、駅からの距離よりも駐車場の有無が重要になります。そのため、B社では、庭や建物の一部を削ってでも駐車場2台分を必ず確保するようにしています。

2. リノベーションによる性能向上にこだわった戸建住宅の買取再販

リノベーションによる性能向上にこだわった戸建住宅の買取再販を行っているのが、中古マンションの一棟丸ごとでの買取再販事業を得意とするC社です。2017年7月には、ZEH化(※1)を達成した中古戸建のリノベーション住宅を発表しました。この取組みはC社と大手アルミ建材メーカーY社とが共同で行った実証プロジェクトで、Y社が開発した高性能樹脂窓や、開口部の耐震性を高めるフレームを取り入れることで、窓や開口部を減らさずに耐震等級3相当を実現しました。また、約300mmの断熱材を充填しており、これらも合わせ断熱性能は、2020年に義務化される予定の性能基準を超える、HEAT20G2レベルまで性能向上改修を行っています。さらに、太陽光発電を6.3kWを搭載し、HEMS(※2)や省エネ設備を設置、オール電化にすることで、ZEH化を達成しています。

(※1)ZEH・・・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略。住まいの断熱性、省エネ性能を上げ、太陽光発電等でエネルギーを創ることにより、年間の一次消費エネルギー量の収支をゼロにする住宅
(※2)HEMS・・・ホーム・エネルギー・マネジメント・システムの略。家電や電気設備とつないで、電気やガス等の使用量を「見える化」したり、家電機器を「自動制御」したりすることで、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム

資料作成:株式会社 住宅産業研究所

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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