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2017年12月号 大手住宅メーカーの’17年度中間決算にみる、住宅業界の現状と今後

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【今日のポイント】 

1.上半期の実績、注文住宅を中心に戸建は苦戦続く。アパート市況もブレーキ
2.通期予測、下期での巻き返しを期すも、通期ではマイナス避けられない模様
3.市場の大幅回復は難しい。「自社の説明+いま買う理由の説明」でお客様の後押しを

大手住宅メーカー7社(※)の、2017年度の中間決算が出揃いました。今回はこの決算データから、2017年度上半期の動向を振り返るとともに、今後の見通しについても解説します。(※Sハウス・Dハウス・S化学工業・Mホーム・S林業・Aホームズ・Mホーム。Sハウスは1月決算、その他は3月決算。なお、これまで本紙で取り上げてきた「Pホーム」は、上場廃止・P完全子会社化により、決算での販売・受注棟数の開示を行っていません)

【上半期の実績、注文住宅を中心に戸建は苦戦続く。アパート市況もブレーキ】 

 まずは、大手各社の'17年度上半期の販売実績を、戸建・アパートそれぞれで見ていきましょう。
 各社の主力である戸建の販売件数(請負+分譲)は、7社のうち4社が前年比プラス、3社が前年比マイナスとなりました。
 プラスが2社にとどまった前年度の上半期よりは、いくぶん復調したとも言えるでしょう。しかし、消費増税後から各社とも前年割れが続いたことを考えると、まだ本格的な市場回復とは言い難い状況です。とりわけ請負に限定すると、今回も前年度割れが過半数(4社)となっており、注文住宅は特に回復の遅れが鮮明です。
 一方、アパートの販売件数は、7社のうち4社が前年比プラス、3社が前年比マイナスとなりました。プラス社数は戸建と同じですが、アパート販売はここ数年好調だったため、この実績も十分好調であったと言えるでしょう。それでは、この半年間の顧客の動きを示す、受注の状況はどうでしょうか。S化学を除く6社が、実績を開示しています。
 戸建の契約件数は、前年比で+0.3%とわずかに増加したS林業を除く5社が、前年比マイナスとなっています。Dハウス(▲12.0%)・Aホームズ(▲11.8%)・Sハウス(▲9.1%)など、10%内外のマイナスが目立ちます。
 前年度の上半期は、マイナス金利などによる住宅ローン金利低下の影響で、やや受注が持ち直しましたが、それでも決して好調とは言えませんでした。今年度の上半期は、その実績をさらに下回っており、非常に厳しかったことが分かります。
 戸建以上に落ち込みが目立つのがアパートです。Mホーム(+3.0%)を除く6社が前年比マイナスとなり、特にボリュームの大きいSハウス(▲10.2%)、Dハウス(▲12.3%)の2社が、ともに2ケタ減となりました。前年度のハードルが高いということもありますが、アパートローン審査の厳格化に加え、各メディアで空室問題が取り上げられたこともあり、好調だった市場にブレーキがかかったと言えそうです。

【通期予測、下期での巻き返しを期すも、通期ではマイナス避けられない模様】                 

 今度は、各社の'17年度通期の業績予想を見ていきましょう。
 まずは、販売件数の予測です。Sハウス・Mホームを除く5社が開示しています。
 戸建は、5社のうち3社が前年比マイナスの予測を出しています。マンションも、受注が比較的好調だったMホームを除く4社がマイナス予測です。戸建・マンションとも、厳しい受注実績を反映した予測と言えそうです。
 では、今後半年間の顧客の動きを見込んだ、受注の予測はいかがでしょうか。Sハウス・Mホーム・S化学を除く4社が開示しています。
 戸建は、上半期の受注が好調であったS林業はプラス予測ですが、残る3社は前年比マイナスと予測しています。下半期での巻き直しを期しているものの、上半期のマイナスが大きいことから、通年での受注件数はマイナスを見込んでいます。
 アパートは、上半期好調だったMホームも含め、全社マイナス予測です。これまで好調だった市場の潮流に変化が生じたことを、色濃く反映していると言えそうです。

【市場の大幅回復は難しい。「自社の説明+いま買う理由の説明」でお客様の後押しを】

 足元の戸建受注を見ると、直近の10月も、大手住宅メーカーでは前年割れが目立ちます。来年度には消費増税を見据えた市場回復も見込めますが、今年度内は目立った回復要因が無く、しばらくは苦戦が避けられないでしょう。
 一方で、集客には大きな落ち込みが見られません。10月は台風の影響で苦戦したものの、今年に入り集客数は堅調に推移しているようです。
 ここ数年言われていることですが、やはり、お客様が決断を先送りにする傾向は、今なお続いています。住宅ローン金利の低さや土地価格の上昇傾向など、後押し要因は決して少なくないのですが、動きは鈍いままです。
 住宅を検討中のお客様に対しては、自社の特長を理解いただくことも重要ですが、一方で、「いま家を買う理由」を明確に説明し、お客様の気持ちを盛り上げる必要があるでしょう。特に住宅ローンの低金利による具体的なメリットは、検討初期のお客様は意外と知らないものです。営業担当者が分かりやすく説明することで、一気に話が進むかもしれません。

             

資料作成:株式会社 住宅産業研究所

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

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