住産ニュース - バックナンバー

2017年 6月号 大手住宅メーカーの’16年度決算に見る、住宅業界の現状と今後

オリジナルファイルのダウンロード(PDF)

【今日のポイント】

1. 2016年度実績、戸建はやや上向くも、引き続き厳しい環境
2. 2017年度予測、販売はマイナスも、受注は強気の予測が目立つ
3. 4月受注もマイナス目立つ、「いま決断」を促す工夫が必須

大手住宅メーカー8社(※)の2016年度決算が出揃いました。今回は、この決算データから、2016年度の動向を改めて振り返るとともに、2017年度の見通しについても解説します。

(※積水ハウス・大和ハウス工業・積水化学工業・ミサワホーム・パナホーム・住友林業・旭化成ホームズ・三井ホームの8社。積水ハウスのみ1月決算、他は3月決算)

1.2016年度実績、戸建はやや上向くも、引き続き厳しい環境

 それでは、大手各社の2016年度の実績を見ていきましょう。まずは販売の実績です。戸建販売戸数(棟数)は、8社のうち3社が前年比プラス、残る5社が前年割れとなりました。
消費増税の駆け込み後、2014年度・2015年度と2年連続で8社すべてが前年割れとなっていましたが
2016年度は幾分持ち直しています。しかし、プ ラス組が前年1%台の増加にとどまっている一方で、マイナス組は▲2~8%となっており、厳しい状況が続いていたことは間違いありません。
一方、アパート 販売戸数(棟数)は、8社のうち5社が前年比でプラスとなりました。プラス社数は2015年度(4社)より増加しており、大和ハウス・住友林業は2ケタ増 と好調です。戸建とは対照的に、依然として好調だったと言えるでしょう。
今度は、受注の実績です。積水化学を除く7社が公表しています。戸建受注戸数(棟 数)は、xevoΣ(ジーヴォシグマ)が好調だった大和ハウスが前年比+0.8%とプラスでしたが、残る7社は前年割れとなりました。2016年度は、前 半はマイナス金利による住宅ローン金利の低下、後半は株価上昇やローン金利の先高感など、住宅検討者の後押し材料は比較的多かったのですが、商談の長期化 傾向は改善しておらず、重い動きが続いていると言えます。
一方、アパートの受注戸数(棟数)は、前年比プラスは7社のうち3社にとどまり、マイナス組のほ うが多い結果となりました。
ここ数年は都市部・富裕層を中心にオーナーの動きが活発で、2016年度も戸建よりは活況であったと言えます。しかし、顧客が一巡したことに加え、空室問題などが報じられた影響もあり、やや勢いに翳りが見られるようです。

2. 2017年度予測、販売はマイナスも、受注は強気の予測が目立つ

 今度は、各社の2017年度の業績予想を見ていきましょう。戸建・アパートそれぞれの販売・受注戸数(棟数)の予測を公表している4社(大和ハウス・ミサワホーム・住友林業・旭化成ホームズ)のデータです。まずは販売の予測です。戸建販売戸数(棟数)は、2016年度の受注が好調だった大和ハウスが前年比プラスの予測ですが、残る3社はマイナス予測です。前年度の厳しい受注環境を、そのまま織り込んだ予測です。 
 一方、アパートの販売戸数(棟数)は、4社すべてがプラス予測です。2016年度の受注がプラスだった大和ハウス・ミサワホームのほか、マイナス幅の小さい住友林業、昨年後半になって受注が回復した旭化成ホームズも、プラスを見込んでいます。プラス幅は縮小しつつあるものの、戸建とは異なり活況であることは間違いありません。
 続いて、各社の2017年度の市場分析を反映した、受注の予測です。戸建受注戸数(棟数)は、4社すべてが前年比プラス予測です。マイナス金利・株価上昇などのトピックスがあった2016年度とは異なり、新たな後押し材料には乏しいのですが、各社とも受注が緩やかに改善することを見込んでいるようです。
 また、アパート受注戸数(棟数)も、やや勢いが失われつつある市場環境ではあるものの、4社すべて前年比プラス予測です。特に住友林業・旭化成ホームズの2社は2桁のプラスを見込むなど、強気の予測が目立ちます。

3. 4月受注もマイナス目立つ、「いま決断」を促す工夫が必須

大手各社の前向きな予測が目立っていますが、足元の環境は引き続き厳しいようです。2017年度のスタートである4月の受注は、ほとんどのメーカーが前年を下回っており、2ケタのマイナスも見られます。
  一方で住宅展示場などへの来場は、大きく回復しているとは言えないものの、比較的堅調な動きが続いています。ただし、ここ数年の商談の長期化傾向が今も続いており、受注回復の妨げになっています。
  過去にもこのニュースでお伝えしましたが、2017年度も、住宅検討客に「いま決断」していただくための工夫が重要です。イベント・見学会・キャンペーンによる来場・再訪の動機づけや、今買うべき理由を示す資料・商談内容のブラッシュアップなど、動きの重いお客様を後押しするための仕掛けをどれだけ用意できるかが、今年度の明暗を分けることになりそうです。

                        

                  
                  

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。

TOPページへ戻る

おすすめコンテンツ

  • 地域AD倶楽部
  • ベルマーク運動
  • 運送ラボ
  • 建設ラボ
  • フード&アグリラボ
  • ケア・フレンズ
  • ベストケアサポーターのご紹介
  • eco now
  • インターリスク総研