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2017年 5月号 住宅会社のアジア進出事例

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【今日のポイント】
1.将来的な住宅着工減少に備え、住宅会社各社の海外進出が相次ぐ
2.旭化成は住宅領域の海外展開を発表し、まずは台湾でのマンション開発を検討
3.経済成長が著しく、注目の東南アジアには住宅以外で事業展開する企業も

1.将来的な住宅着工減少に備え、住宅会社各社の海外進出が相次ぐ

国土交通省が1月31日に発表した建築着工統計調査によると、2016年の新設住宅着工戸数は、前年比6.4%増の約97万戸となりました。相続税の節税対策でアパートなどの貸家の着工が全体をけん引する中、注文住宅などの持ち家や分譲住宅も前年を上回り、好調に推移しています。しかし、国内では少子高齢化が進み、将来的に住宅着工戸数も減少していくと予想されており、住宅業界では、各社の海外進出が相次いでいます。今回は、住宅業界の海外戦略の中でも、高い経済成長と人口の増加が続く東南アジアなど、特に注目されているアジア地域での進出事例をご紹介します。

2.旭化成は住宅領域の海外展開を発表し、まずは台湾でのマンション開発を検討

  2016年5月、旭化成は2018年度までの3年間の新中期経営計画を発表しました。新中期経営計画の中で、旭化成ホームズや旭化成建材が主要事業会社となる住宅領域では、海外事業の推進が実行施策として挙げられました。 海外事業の進出先として、アジア、オーストラリア、アメリカなどの市場を対象にしており、まずは台湾でのマンション開発を検討しているということです。同社では、海外展開においては、地域の気候や風土、生活習慣を考慮した住宅の供給が必要という考えのもと、現地パートナーとの事業展開を行っていく方針を取っています。具体的には、子会社の旭化成不動産レジデンスによるマンションの建て替えや、現地駐在の日本人向けに家具やキッチン、食器などが完備されたサービスアパートメント事業を検討しており、戸建の展開は行わないということです。旭化成では、住宅領域の海外・シニア事業の合計で、2025年度の売上高1000億円程度を見込んでいます。

3.経済成長が著しく、注目の東南アジアには住宅以外で事業展開する企業も

近年、住宅会社が新たに事業展開する海外エリアとしては、著しい経済成長を遂げている東南アジア諸国が挙げられます。東南アジア諸国は、日本から様々な分野の企業進出が相次いでおり、住宅会社各社では、駐在員向けの住宅を供給する会社も増えています。 積水化学工業は、2009年からタイのバンコクで住宅事業展開を行っています。さらに2013年には、タイにユニット住宅の量産工場を竣工しており、タイでの住宅事業を本格的に展開しています。工場の生産能力は年間1000棟で、工場見学「ファクトリーツアー」も開催しており、同社の工場生産の強みと短工期を訴求しています。

 また、2014年には工場の敷地内に施工研修センターを設置し、自社で本格的な施工を行うことができる施行者の育成も開始しました。2015年度は戸建住宅と集合住宅で300戸の生産実績を上げており、今後は分譲住宅を強化し、さらなる受注拡大を目指しています。パナホームは、2016年5月に現地企業と協業し、富裕層向け戸建住宅272戸の建築請負を受注したと発表しました。これは、パナホームの子会社であるパナホームマレーシアが現地の大手開発事業者が手掛けるプロジェクトの建築請負を受注したものです。

 パナホームがASEAN地域向けに、日本の壁式プレキャストコンクリート構造をベースに開発した「W-PC構法」による建設期間の短工期化や、優れた防水性、安定した施工品質が評価されたということです。「W-PC構法」を採用することで、レンガ壁を積み上げていくASEAN地域の一般的な工法と比べ、約3カ月の工期短縮が図れるということです。 また、パナソニック製の最新のホームネットワークシステムや外出先からでも来訪者を確認することができるビデオインターコムを採用し、安心・安全面を追求しています。さらに、家全体をきれいな空気にする独自の換気システム「ピュアテック」と、天井断熱を採用し、健康・快適・省エネの設備・仕様も取り入れているということです。戸建住宅やマンションなどの住宅以外の事業でも、海外展開を積極的に行っている住宅会社もあります。国内で戸建分譲事業や注文住宅請負事業を手掛けるビルダーの三栄建築設計は、ベトナムのホーチミンでホテル開発事業に参入することを発表しました。ホテル開発事業を手掛ける現地法人の株式を既存株主からの購入と第三者割当増資により取得し、ホテル開発事業を行っていくということです。 建物は、延床面積3000㎡で、地下2階地上10階建てを計画しており、24~31㎡の部屋を60室程度供給するということです。2018年夏の運営開始を予定しています。

 また、2016年9月には、ベトナムでの住宅開発のため、プレサンスコーポレーションと共同で新会社プロスエーレを設立し、分譲住宅開発事業にも参画することを発表しています。同社は、中長期的な成長戦略の一つとして、「海外戦略」を掲げており、今後はベトナム以外にもASEAN近隣諸国での事業を積極的に展開する計画だということです。

                        

                  三栄建築設計 ホテル外観イメージ(ベトナム・ホーチミン)
                  

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