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2016年 12月号 大手住宅メーカーの’16年度中間決算にみる、住宅業界の現状と今後

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 先頃大手住宅メーカー8社(※)の、2016年度の中間決算が出揃いました。
 今回はこの決算データから、2016年度上半期の動向を振り返るとともに、今後の見通しについても解説します。(※積水ハウス・大和ハウス・積水化学工業・ミサワホーム・パナホーム・住友林業・旭化成ホームズ・三井ホーム。積水ハウスは1月決算、その他は3月決算)

1.16年度上半期は販売「前年割れ」、受注「微増」、市場はいまだ活性化せず

 まずは、大手各社の'16年度上半期の販売・受注実績を見ていきましょう。
 各社の主力である戸建販売戸数(棟数)は、8社合計で前年同期比▲3.1%でした。昨年(‘15年度)の中間決算が8社合計で▲11.1%、一昨年(‘14年度)の中間決算は▲3.7%だったため、3年連続で前年比マイナスだったことになります。ほとんどのメーカーが前年比マイナスだった’15年度の受注実績を、そのまま反映する結果となっています。
 メーカー別で見ると、前年比プラスは積水化学(+2.4%)と住友林業(+2.2%)の2社。残る6社は前年割れとなり、積水ハウスは▲10.6%と2ケタ減となりました。一方、アパートの販売戸数(棟数)は、8社合計で前年同期比+3.6%でした。一昨年の中間決算で前年比+25.0%という高い伸び率を記録した以降は、昨年の中間決算は前年比▲4.4%と小幅なマイナスにとどまり、今年は再び前年を上回っています。都市部・富裕層を中心に、オーナーの動きが引き続き活発であったことを反映しています。メーカー別で見ても、8社のうち6社が前年比プラスとなっています。アパートのボリュームが大きい積水ハウス(+7.8%)と大和ハウス(+3.4%)がともにプラスとなったほか、近年アパート実績を伸ばしている住友林業が+20.0%と、昨年(+16.0%)に続いて2ケタ増を記録しています。
 それでは、今年度の売上を大きく左右する、受注の状況はどうでしょうか?
 戸建・アパート合算での受注戸数(棟数)は、公表している7社(積水化学を除く)の合計で、前年同期比+1.2%という結果です。昨年の中間決算が前年比+3.2%だったため、2年連続での前年比プラスではありますが、消費増税の反動減で苦戦した一昨年が前年比▲16.7%だったことを考えると、2年連続で小幅な回復にとどまっており、市場が活性化しているとは言い難い状況です。 メーカー別で見ると、積水ハウス(+3.0%)・大和ハウス(+4.7%)・パナホーム(+4.9%)の3社が前年比プラスです。ただし、この3社が公表している、戸建請負・戸建分譲・アパートの部門別受注戸数(棟数)を見ると、アパートを除いた戸建部門の受注は、積水ハウスを除く2社が前年割れとなっています。戸建の受注回復遅れを、好調が続くアパートでカバーしているという構図です。

2.16年度通期の業績予想、販売はマイナス予想目立つも受注は持ち直し見込む

 今度は、上半期の販売・受注実績を織り込んだ、各社の'16年度通期の業績予想を見ていきましょう。
 戸建販売戸数(棟数)は、公表している6社(積水ハウス・三井ホームを除く)のうち、積水化学・住友林業・パナホームの3社が前年比プラスの予想です。全社がマイナス予想となった昨年度よりは前向きな予想であるものの、期初時点の通期予想からは下方修正が目立っており、戸建て受注が伸び悩んだ上半期の実績を反映しています。
 一方でアパート販売戸数(棟数)は、6社のうち4社が前年比プラス予想で、このうち住友林業は2ケタ増(+14.0%)を見込んでいます。活況が続いている現状を受け、多くのメーカーにおいて強気の予想が目立ちます。
 それでは、下半期の受注予想を織り込んだ戸建・アパート合算の通期での受注戸数(棟数)はどうでしょうか。公表している6社(積水ハウス・積水化学を除く)のうち、旭化成ホームズを除く5社が前年比プラス予想です。戸建請負・戸建分譲におけるプラス予測も目立っており、各社とも下半期の持ち直しを期しているようです。

3.富復調期す下期も10月はマイナススタート、「いま建てる」仕掛けに全力を 

 メーカー各社とも下期の受注持ち直しを掲げていますが、足元の受注は厳しいようです。
 下期のスタートとなる10月の受注実績は、各社とも前年比マイナスが目立ちました。また、夏場は比較的好調であった来場も、秋に入ってからやや低調のようです。ここ最近では最大の後押し要因であった「マイナス金利」「住宅ローンの超低金利」が長期化の様相を呈し、新たな後押し要因も乏しいため、見込み客の検討長期化が顕著になっているとの声が多く聞かれます。国際情勢を反映した景気の不透明さもあり、当面は急激な受注回復が難しいことも懸念されます。

 

しかし、来場自体が極端に悪化しているとの声は聞かれません。そのため、来場したお客様に対して、「いま建てる」意識付けを徹底するための仕掛けが求められます。来場客に対する個別の資金計画シミュレーションなどを通じて、家づくりを「いまの自分に必要なこと」と考えていただくことが、見込み客化・契約客化へつながるでしょう。

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。
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