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2016年 9月号 市場好調な賃貸住宅は差別化で空室を防ぐ
市場好調な賃貸住宅は差別化で空室を防ぐ

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 相続税対策や、低金利等による恩恵を受け、好調な賃貸住宅市場。国交省が発表した2015年度の住宅着工統計では、持家や分譲住宅に比べ、貸家が前年度から最も高い伸び率を記録しました。今年度も好調を維持すると考えられる賃貸住宅市場ですが、一方で、既存の賃貸住宅では、空室の問題が顕在化してきています。入居者に選ばれ続け、空室が生まれないことは、賃貸住宅オーナーの長期安定経営につながるため、住宅会社各社が様々な方法で差別化を図っています。今回は、住宅会社各社が力を入れる賃貸住宅の差別化事例をご紹介します。

1.好調な賃貸住宅市場を背景に、空室リスク解消のため各社が差別化に注力

 大手の住宅メーカーでは、女性を入居者に設定した賃貸住宅商品の開発・販売に力を入れています。女性向けの仕様や設備を取り入れた物件は、入居者が物件を気に入れば、賃料が周辺の物件より割高になっても長期入居が期待でき、安定経営が見込めるためです。そこで住宅メーカーでは、商品開発の段階から女性による商品開発チームを設置し、女性ニーズを意識した商品づくりを行うケースが出てきています。

2.パナホームは女性チームによる女性入居者向けの賃貸住宅商品を開発

 女性視点の賃貸住宅をコンセプトにした賃貸住宅商品「ラシーネ」を販売しているパナホームは、社内研究組織として、パナホーム不動産、パナソニック、女性プロデューサー、女性建築家などで構成する「ラシーネ研究所」を2012年に設立しています。「ラシーネ研究所」では、女性視点で価値観やライフスタイル、ニーズなどを研究し、女性ならではのこだわりや理想に応え、暮らしの価値を追求する生活提案などを行っています。「ラシーネ研究所」の活動により、1坪タイプのバスルームや、カップルや夫婦で一緒に調理を楽しめる対面式キッチンなどが実際に物件に採用されたということです。

3.注目のDIY賃貸では新たなサービスの導入で、他の物件との差別化を図る

 近年、賃貸住宅市場で注目されているのが、入居者が自分好みに部屋の壁紙を張り替えたりできるDIY賃貸です。このDIY賃貸にもより入居者のニーズを反映した新たなサービスを取り入れ、他の物件と差別化する動きが表れています。
 従来のDIY賃貸では、リノベーション工事前の物件を紹介し、その後は入居者が自由にカスタマイズするというものが一般的でしたが、水まわりの工事や、床・壁の張り替えなどが必要なものが多く、入居者が工事費用の負担や工事中の家賃を負担しなければならず、入居者の負担が大きくなるという問題がありました。そこで、東京のグッドルーム株式会社では、入居者の費用を従来の約半分に抑え、より手軽に自分好みの部屋作りができる「“途中からDIY”賃貸サービス」をスタートさせました。

 「“途中からDIY”賃貸サービス」は、解体や水まわりの補修・交換などの基礎工事は物件のオーナーが実施し、床や壁の仕上げといった入居者の好みを反映させたい部分は、入居者がDIYで仕上げ、仕上げの工事期間に相当するフリーレント2カ月分をセットで提供するというものです。
 また、山梨県の甲府市内では、市内の工務店・建築家・企画デザイン制作会社が参画する共同企業体の「ゆたかな不動産」が、手軽に個性的な部屋に住みたいという入居者ニーズに応え、不動産・設計・施工をワンストップで行うサービスを開始しました。
 間取りと内装を入居者が決めることができ、入居者は、建築家が事前に用意した3つの内装プランから気に入ったものを選びます。さらに壁の色の指定や、造作家具などの追加オーダーにも対応することができるということです。特徴は入居決定から実際の入居まで期間が従来のDIY賃貸に比べて短く、最短で3週間で入居することができるという点です。改修費用は、原則物件オーナーの負担で、退去時には、入居者の過失がなければ、そのまま退去することができます。
 第1弾となる、甲府市宮原町の物件は、インターネットで入居希望者の募集を開始し、約3週間で入居者が決まったということです。今後も入居者のニーズに沿った新しい賃貸住宅の提案が増えれば、空室対策の有効な一手となるかもしれません。

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