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2016年 6月号 大手住宅メーカーの’15年度決算に見る、住宅業界の現状と今後
大手住宅メーカーの’15年度決算に見る、住宅業界の現状と今後

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 大手住宅メーカー8社(※)の2015年度決算が出揃いました。
 今回は、この決算データから2015年度の動向を改めて振り返るとともに、2016年度の見通しについても解説します。
 ※積水ハウス・大和ハウス・積水化学工業・ミサワホーム・パナホーム・住友林業・旭化成ホームズ・三井ホーム

1.2015年度は戸建実績でマイナス目立ち、2年連続で厳しい結果に

 それでは、大手各社の2015年度の実績を見ていきましょう。
 この住産ニュースをお読みの方の中には、2015年度は、前年度に続き苦戦したとお考えの方が多いのではないでしょうか。大手各社も、戸建販売・受注については苦戦したところが多いようです。
 戸建販売戸数(棟数)は、8社すべてが前年比でマイナスとなりました。過去の受注残のおかげで▲1.6%で踏みとどまった旭化成ホームズを除いては、おおむね▲4~10%程度のマイナス幅となっています。
 8社すべてがマイナスとなったのは、2014年度に続き、2年連続のことです。2014年度の落ち込みは消費増税の駆け込みによる反動減でしたが、2015年度に入ってもこの下落基調を脱していないことが、改めて浮き彫りになりました。
 一方、アパート販売戸数(棟数)は、8社のうち4社が前年比でプラスとなりました。戸建とは対照的に、相続税増税が追い風となって、富裕層などの積極的な動きが続いています。8社のうち7社がプラスだった2014年度に比べるとやや落ち着いているようですが、依然として好調であることは変わりません。
 そして、戸建・アパート合算での受注戸数(棟数)は、公表している7社(積水化学を除く)のうち、過半数の4社が前年比でマイナスとなりました。前年比プラスは積水ハウス・大和ハウス・パナホームの3社ですが、多層階商品などが好調だったパナホームを除く2社は、戸建受注(請負・分譲の合計)は前年比マイナスで、好調のアパートが戸建のマイナス分を補う形となっています。
 受注については持ち直しつつあるとの声も一部で聞かれますが、大手各社の決算データを見る限りでは、戸建は厳しい環境が続いていると分かります。

2.2016年度予測はプラス予測が目立つものの、大幅反転は見込めず

 民泊需要を見込んで設立したリフォーム会社が東京都渋谷区のエイムズです。エイムズでは、老朽化し入居者がつかなくなった賃貸物件のオーナーに対して、単純なリフォームをして、再び賃貸として運用するのではなく、海外旅行者向けのホテルとして再生させるという提案をしています。造作キッチン、クロス、タイルなどを一新させ、料金が100万円のパックを開発・提案しています。同社では年間100部屋の受注を目指しているということです。
 今後、さらに多くの海外旅行者が日本を訪れることが予想されることから、国や自治体は民泊の規制緩和を促進し、民泊に対応した施設は増加していくと考えられます。それに伴い住宅関連会社でも民泊ビジネスに参入する会社が増えるでしょう。しかし、一方では民泊によるトラブルも増加すると考えられるため、宿泊者、近隣住民の双方が快適に過ごせる建物やサービスを広めていくことが、行政や建物を提供する住宅業界に求められています。

3.積極的な集客仕掛けと「いま契約」の具体的な訴求が必須に

 大手各社の予測を見ると、2016年度の住宅市場は、多少は上向きの兆しが見えると言えそうです。ただし、市場の大幅な反転は見込みづらく、かつ消費増税という不確定要素にも左右されます。直近の住宅展示場などの来場動向を見ても、前年同期を多少上回る程度で、大幅な客足回復には至っていないようです。また、商談の長期化や契約の先送りの傾向も続いています。
 このような状況下でお客様を確実に捉えるためには、積極的な集客仕掛けが重要であることは言うまでもありません。加えて、集客したお客様が「いま契約する」メリットを具体的に感じられるよう、丁寧で納得感のある説明も求められます。特に、マイナス金利による住宅ローン金利の低下は、現在の住宅検討者における最大のメリットであり、返済シミュレーションや資金計画は必須であると言えるでしょう。
 また、今後も大幅な棟数回復が見込みづらい市場下においては、単価アップの取り組みも忘れてはいけません。大手各社も、棟数の大幅な持ち直しが見込みづらい中で、高額帯の強化などによる単価アップに着手しています。大手メーカー以外の住宅会社においても、魅力ある住宅商品・オプション商品の開発と積極的な提案が求められています。

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。
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