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2015年 12月号 『大手住宅メーカーの’15年度中間決算にみる、住宅業界の現状と今後』
『大手住宅メーカーの’15年度中間決算にみる、住宅業界の現状と今後』

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 大手住宅メーカー8社(※)の2015年度決算が出揃いました。今回はこの決算データから、2015年度上半期の動向を振り返るとともに、今後の見通しについても解説します。
(※積水ハウス・大和ハウス・積水化学工業・ミサワホーム・パナホーム・住友林業・旭化成ホームズ・三井ホーム。積水ハウスは1月決算、その他は3月決算)

1.’15年度上半期の実績はアパート好調も戸建苦戦、反動減の回復に遅れ

 まずは、大手各社の'15年度上半期の販売・受注実績を見ていきましょう。
 各社の主力である戸建販売戸数(棟数)は、8社合計で前年同期比▲11.1%でした。’14年度の中間決算は8社合計で前年比▲3.7%だったため、前年よりマイナス幅が拡大したことになります。消費増税駆け込みの反動減が長引き苦戦した2014年度の受注状況を、そのまま反映する結果となりました。
 メーカー別でも、8社すべてが前年比マイナスです。積水ハウスが▲20.6%となったのをはじめ、積水化学・ミサワホーム・住友林業・三井ホームが2ケタのマイナスとなっています。
 一方、アパートの販売戸数(棟数)は、8社合計で前年同期比▲4.4%でした。前年比マイナスではありますが、’14年度の中間決算が前年比+25.0%と非常に好調だったことを考えると、引き続き好調を維持していると言えます。相続増税の影響で、都市部・富裕層を中心にオーナーの動きが活発であったことを反映しています。
 メーカー別でも、住友林業が+16.0%と2ケタ増を記録したほか、大和ハウス・旭化成ホームズも前年比プラスとなっています。 それでは、受注の状況はどうでしょうか。戸建・アパート合算での受注戸数(棟数)は、公表している7社(積水化学を除く)の合計で、前年同期比+3.2%という結果です。’14年度の中間決算が前年比▲16.7%だったため、2年前と比べると▲13.5%程度の水準となります。’13年度の上半期が消費増税駆け込みのピークであったため、単純比較することはできませんが、反動減からの回復は、当初の想定以上に時間が掛かっていると言えそうです。また、ここで掲げている受注戸数(棟数)の実績は戸建・アパート合算であり、後述する’15年度通期の販売予想を見ると、各社とも「戸建苦戦、アパート好調」の傾向が極めて明確です。
 メーカー別に見ると、大和ハウス・住友林業・積水ハウス・パナホームの4社が前年比プラスとなっていますが、伸び率トップの大和ハウスが+8.2%と、2ケタ増となったところはありません。一方で、残る3社は前年比マイナスとなっています。各社とも2014年度の受注が前年比マイナスだったことを考えると、2015年度は回復傾向にあるとはいえ、依然として厳しい受注環境が続いていると言えそうです。

2.’15年度通期の業績予想、戸建販売はすべてマイナスに

 今度は、上半期の販売・受注実績を織り込んだ、各社の'15年度通期の業績予想を見ていきましょう。販売戸数(棟数)・受注戸数(棟数)の予想を公表している6社(大和・ミサワ・パナ・住林・旭化成・積水化学)のデータです。
 戸建販売戸数(棟数)は、6社すべてが前年比マイナスの予想です。期初時点では前年比プラスの予想を出していたメーカーもありましたが、いずれも下方修正でマイナス予想に転じています。
 一方でアパート販売戸数(棟数)は、6社のうち4社が前年比プラス予想で、うち2社(住林・旭化成)は2ケタ増を見込んでいます。
 戸建・アパートそれぞれの販売予想を見ると、前述した「戸建苦戦・アパート好調」の現状が明確になります。戸建については、受注の戻りが大幅に遅れているうえ、急速な受注回復の要因も乏しいことが、各社の予想に反映されているようです。一方でアパートは、一時期ほどの勢いは失われているものの、引き続き富裕層を中心に需要があり、多くのメーカーにおいて強気の予想が目立ちます。戸建のマイナス分を、アパートがカバーしているという構図です。
 下半期の受注予想を織り込んだ戸建・アパート合算の受注戸数(棟数)は、ミサワホームを除く5社が前年比プラス予想です。受注に占めるアパートのボリュームが大きい大和ハウス(+6.3%)、アパートの強化を進める住友林業(+5.0%)など、好調のアパートにおける受注が見込める会社は、プラス幅が大きい傾向にあります。ただし、プラス幅が最も大きいパナホームも+6.9%と、比較的保守的な予想が目立ちます。やはり、現状の販売環境では強気の予想が難しいようです。

3.厳しい受注環境も回復の兆しあり、積極的な集客・営業活動が必須

 以上のように、大手ハウスメーカー各社は、特に戸建において厳しい受注・販売環境が続いており、今後の予想も楽観的ではありません。これはハウスメーカーに限らず、ビルダー・工務店も同様ではないでしょうか。
 一方で、足元の集客においては、エリア・企業により波はあるものの、9月のシルバーウィークごろから回復が見られるという声が聞かれます。消費税10%増税に伴う経過措置の期限(2016年9月末日)に向け、徐々に集客・受注が回復することも予想できます。
 厳しい環境ではありますが、徐々に回復が見込まれる市場を確実に捉えるため、積極的な集客活動や、接客・商談の工夫が求められています。

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。
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