住産ニュース - バックナンバー

2015年 8月号「amazonだけではない!リフォーム業界で盛り上がるネット販売」
amazonだけではない!リフォーム業界で盛り上がるネット販売

オリジナルファイルのダウンロード(PDF)

ネット通販大手のamazonがリフォーム分野に本格参入し、大きな話題になっています。今回は、このamazonの動きをはじめとした、リフォーム業界におけるネット販売の動向を紹介します。

amazonがリフォーム事業を本格化、過去実績を踏まえ事業拡大図る

 今回、amazonが開設した「リフォームストア」には、積水ハウス(積和建設)・大和ハウスリフォーム・ソニー不動産・ダスキンの4社が参画しています。クリックのみで決済が完了するネット通販のスタイルをそのまま踏襲し、各種リフォーム工事はすべて材工込の定額パッケージ商品として販売しています。7月30日時点での掲載商品数は5,500点以上にのぼります。キッチン・洗面などの水回りリフォームが掲載商品の8割を占めていますが、その他にはサッシの断熱リフォーム・ハウスクリーニング・インスペクションなども扱っています。実は、amazonのリフォーム事業は今回が新規参入というわけではありません。2009年にスタートしたDIY・工具・ガーデン事業を発展させ、2012年に「新築・リフォームストア」をオープンしていました。DIYや施主支給のニーズに応えるための設備・資材販売が中心で、水栓・ドアホン・郵便受けなどが売れ筋でした。しかしその一方で、物置・システムキッチン・ウッドデッキなど、ネット通販としては比較的高額の商品も売れていました。また、畳の表替えやトイレの便器交換など、ごく小規模な工事を伴うパッケージ商品も取り扱い、一定の成果を挙げていたようです。
 今回話題になっているamazonのリフォーム事業は「市場の将来性を見越した新規参入」ではなく、「過去の実績を踏まえた事業拡大」と言えます。これまでの成果をもとに「高額リフォームもネット通販で売れる」という判断を下したことになります。ネット通販の巨人が下したこの判断は、住宅業界全般における今後のネット販売においても、大きな意味を持つものと言えそうです。

リフォームのネット販売は「匿名商談」が活況、年間10億以上を成約
する会社も

 ところで、リフォーム業界のネット販売では、以前から、注文住宅や不動産などとは異なる傾向が見られます。それは、検討客と企業のネット上における「匿名商談」が活況を呈しているという点です。
 匿名商談サイト最大手の「ホームプロ」を例にとって、仕組みを説明しましょう。リフォーム検討客はホームプロに対し、検討中のリフォーム内容と物件所在地を登録します。
 登録情報はホームプロのシステムを通じて、加盟する1,000社以上のリフォーム会社に届きます。検討客との商談を希望する会社は、ホームプロのシステム上で検討客に連絡を取り、ヒアリングや概算見積もりを行います。この段階では、検討客の個人情報は公開されていないので、匿名のお客様と商談を行うことになります。打ち合わせが進むと、検討客の個人情報を公開したうえで現地調査と正式な見積もりを行い、契約に至ります。
 2014年度、このホームプロを介して成約に至ったリフォーム工事は1万件を超え、成約高は178億円に上っています。平均工事単価は176万円で、1,000万円を超える大型案件も少なくないということです。「ネット上での匿名商談」と言われてピンとこない方も多いかもしれませんが、実際にはこれだけの工事が、匿名商談をきっかけにして成約に至っています。
 一般的な住宅情報サイトで見られる、物件や会社への「資料請求」「お問い合わせ」に比べ、「匿名商談」は対応難易度が高いように思えるかもしれません。しかし、リフォーム業界においてはこのスタイルが主流となっています。とりわけリフォーム専業会社は、匿名による難易度の高い商談を重ね、経験を蓄積しているところが少なくありません。中には匿名商談だけで年間10億円以上を売り上げている会社も存在します。

IT大手のリフォーム参入は今後も進む、住宅業界全体へ波及の可能性も


Amazonが開設したリフォームストアページ(amazonサイトより)

 今回紹介した「amazon」「ホームプロ」に加え、リフォーム業界ではIT大手の参入が相次いでいます。ここ1年で、GREEがリフォーム元請サービス「リノコ」を、DeNAが情報サービス「iemo」を、それぞれ買収しました。前述のホームプロも、住宅情報サイトSUUMOを擁するリクルートグループが運営しています。
 これらIT大手の相次ぐ参入は、リフォームだけではなく注文住宅などへ波及する可能性もあります。これまでネット販売において他業界に比べて後れを取っていた住宅業界は、IT業界にとって数少ない「未開拓の市場」です。新規参入組の実績次第では、新たな新規参入を招き、住宅の販売手法そのものを大きく変化させるかもしれません。
 リフォーム会社はもちろん、新築・注文住宅がメインの会社も、ネットを活用した販売活動への積極的な取り組みが、今後の生き残りの鍵になりそうです。

※本ニュースを無断で複製または転載することを禁じます。
TOPページへ戻る

おすすめコンテンツ

  • 地域AD倶楽部
  • ベルマーク運動
  • 運送ラボ
  • 建設ラボ
  • フード&アグリラボ
  • ケア・フレンズ
  • ベストケアサポーターのご紹介
  • eco now
  • インターリスク総研