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2015年 1月号 「住宅業界の富裕層戦略」
今月のポイント

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住友林業 富裕層向け「邸宅設計プロジェクト」を本格始動

イメージ
(写真)住友林業
駒沢展示場エントランス

 2014年4月に消費税が5%から8%に増税したことにより、苦しい状況が続く住宅業界では、各社が富裕層をターゲットにした高価格路線を拡充しています。そこで今回は、住宅各社の富裕層戦略、また異業種から富裕層を狙って参入した百貨店のケースをご紹介します。
 大手ハウスメーカーでは、住友林業が2014年10月に富裕層向けの「邸宅設計プロジェクト」を本格始動させることを発表し、プロジェクトの第一弾となるモデルハウスを都内の駒沢展示場にオープンさせました。また、第二弾となるモデルハウスを名古屋の八事展示場にオープン予定で、2015年1月には、両モデルハウスを基にした新商品の発売を計画しています。

大和ハウス 戸建最上位商品の受注好調で増産体制へ

 駒沢モデルハウスは、「都市に建てる日本の風情」をテーマに、敷地いっぱいに外壁を建て、その中に静寂と日本の四季を感じることが出来る空間を演出しています。日本の山野に自生する樹木を中庭に配置し、中庭が各部屋とつながることで、比較的小さい敷地でも内に開く空間を実現させました。さらに、日本の伝統技術である左官技術を活用した塗り壁を始め、漆塗り、金箔、銀箔、組子障子等を随所に取り入れ、高級感とデザイン性を向上させ、こだわりの強い富裕層が満足する住まいを追求しています。
 一方、八事モデルハウスでは、ゆったりとした敷地の特性を生かした外に開く間取りの提案を行うということです。
 大和ハウスは、2014年1月に発売した「ジーヴォシグマ」の生産能力を強化することを発表しました。ジーヴォシグマは同社の戸建住宅の最上位商品という位置付けで、価格は主力商品より約4割高く設定されています。巨大地震が繰り返し発生しても初期性能を維持できるエネルギー吸収型耐力壁等の新工法を採用し、構造躯体を強化したことによって、業界最高クラスの天井高2.72メートル、開口幅最大7.10メートルの大空間を実現しました。
 月間販売目標100棟のところ、2014年4月~9月の受注が660棟と好調なことから、生産ラインを強化することになりました。現在、唯一生産を手掛けている岡山工場に自動化設備を導入し、月100棟の生産能力を150棟まで増やすほか、栃木県の工場にも製造ラインを設置し、月200棟の生産を開始し、2015年夏までに月産能力を350棟まで引き上げる計画です。 ジーヴォシグマは従来の「ジーヴォ」より約20万円高く、坪76万円からとなっています。大和ハウスでは、今後さらに高級路線に注力し、1棟あたりの単価を上げていくほか、建替え率の向上も目指していくということです。

百貨店は独自ルートで富裕層市場を開拓

 富裕層の個人向けリフォーム事業に乗り出したのが大手百貨店の高島屋グループです。2014年5月に高島屋グループの「高島屋スペースクリエイツ」内に一般住宅向けのリフォーム部門を発足させました。
 百貨店でのリフォームといえば、従来は店舗内で壁紙を販売したり、売り場の一角に相談コーナーを設け、リフォーム会社へ取り次ぐというケースが一般的でした。今回、高島屋では、帝国ホテル等の大型ホテルの内装工事を手掛ける完全子会社の高島屋スペースクリエイツが個人向けリフォームの施工を行うことで、完全に自社でリフォームを行うことが可能となりました。
 家具売り場にリフォームカウンターを併設するほか、リフォーム受注を獲得するのは、外商マンによる営業活動です。富裕層の顧客と密接なパイプを持っている外商マンが、自宅の老朽化や生活面での不安、不便な箇所等の相談を受け付け、グループ内の内装工事技術やノウハウを生かしたリフォームを提案します。様々な商品に精通している外商マンの強みを活かすことで、より顧客の希望に近い設備機器やインテリアを集めることが出来るということです。
 今後、消費税増税による反動減が落ち着きを見せたとしても、中長期的に見れば世帯数の減少などによる市場の縮小は避けられません。販売戸数や工事件数減少の影響を緩和し、収益を確保するため、高級路線展開による富裕層市場の開拓は急務と言えます。

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