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2014年 11月号 「東日本大震災からの復興に取り組む住宅会社」
今月のポイント

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いまだに仮設住宅等の避難者は約19万人

イメージ
「ワンデイワンコインハウス」外観写真

 東日本大震災の発生から3年半。復興庁によると、いまだに岩手、宮城、福島の3県で仮設住宅等に暮らす避難者は約19万人とされています。毎日新聞社が行ったアンケートでは、この被災3県の42市町村長のうちの半数近い19人が「復興で遅れているもの」として「住まい」と回答しています。今回は、住宅会社が行っている東日本大震災からの復興への取り組みをご紹介します。
 自力での住宅再建が難しい被災者のため、建設が進んでいるのが災害公営住宅(復興住宅)です。岩手、宮城、福島の3県で約2万9000戸の建設が計画されていますが、7月末時点で完成した戸数は全体の1割程度となっています。
 特に津波被害が大きかった岩手、宮城両県の沿岸部での遅れが目立っています。

大手ハウスメーカーは自治体等と連携、早期復興を後押し

 大手ハウスメーカーは、自治体等との協定を締結し、早期復興への取り組みを強めています。
 積水ハウスは、福島県の川内村と買い取り型災害公営住宅整備事業の基本協定を締結しました。この協定は、積水ハウスが川内村の村有地に25戸の復興住宅を建設し、建設した建物を村が買い取るというものです。建物は、75平方メートルの平屋20戸と、80平方メートルの2階建を5戸で、1戸当たりの売買見込み価格は約1900万円となっています。来年1月に着工し、6月上旬の入居を予定しています。
 パナホームは、宮城県石巻市による復興公営住宅の事業者公募において、最優秀応募者に選定されました。パナホームの提案は、面積約2,850平方メートルの敷地に、木造軸組構造の戸建住宅9棟と長屋2棟を計画したものです。街区の中心には、住民が自由に集まり語らうことができる交流の場「コミュニティ広場」を設け、安らぎや人・自然とのふれあいを感じることができるようになっています。居室の大半は南向きとし、吹き抜けや天窓、開口部の工夫等により、自然の光と風を採り込む設計としました。今後、石巻市との契約締結を経て、来年1月に着工し、8月の引き渡しを予定しています。

地元ビルダーは、低コストの復興住宅を商品化

 大手ハウスメーカー以外の地元ビルダーや工務店では、低コストの復興住宅を商品化するという動きが進んでいます。宮城県内の設計事務所や工務店等でつくった県地域型復興住宅推進協議会は、延床面積35坪で、税込1650万円の標準価格に抑えた住宅を商品化しました。標準価格には、食洗機付きIHキッチンやエコキュートといった設備のほか、カーテン代や照明代、設計代も含まれています。低コスト化の要因の一つが「蔵工法」と名付けた新工法です。日本古来の土蔵を参考に、通常1メートル間隔の柱を50センチ間隔にすることで筋交いが不要となり、作業の短縮化が可能となりました。工期が約2カ月半と従来の半分程度となったため、人件費をカットできたというわけです。また、設備や建材の共同購入、良心的な工賃設定など各社間の協力も低コスト化の要因となっています。
 宮城県東松島市の花坂ハウス工業では、震災復興住宅として「ワンデイワンコインハウス」の販売を開始しました。花坂ハウス工業では、これまで本体価格1000万円の半規格住宅である「パズルハウス」の販売を行ってきましたが、新商品である「ワンデイワンコインハウス」は、本体価格600万円とさらに低価格な商品となっています。商品名は、1日500円玉1枚(35年間)=約640万円で建てられる家づくりということから由来しています。平屋建と2階建の2つのプランに限定し、コストカットを図っています。延床面積61平方メートルの2階建プランは、1階に水まわりとLDK、2階に個室を配置しています。平屋建プランも延床面積46平方メートルに抑え、コンパクトな間取りとしました。また、社内に大工15人等の職人を抱え、外装工事を削減したこともコストカットに寄与しています。実際の費用は消費税や付帯工事費もあり、計算通りにいかないケースもありますが、東松島市では、条件によっては支援金が500万円支給されるため、それらを活用できれば補填可能と試算しています。
 いまだ道半ばである東日本大震災からの復興において、生活の根幹となる住宅再建は非常に重要であり、住宅会社の担う役割は大きいと言えます。

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