住産ニュース - バックナンバー

2014年 9月号 「古い地名と自然災害」
今月のポイント

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広島の土石流災害で、古い地名と現在の地名の違いを指摘する報道

イメージ
広島の土石流災害現場
(出展=国土地理院)に
(イメージ写真)

 今回は住宅業界の動向紹介という通常の内容からはずれ、自然災害と住宅に関するお話をさせて頂きます。「自然災害」といってすぐ頭に浮かぶのは、8月下旬に広島で発生した大規模な土石流(土砂崩れ)ではないでしょうか。多数の死者・行方不明者を出した痛ましい出来事で連日ニュースにより報道されたため、皆さんもご存知のことと思います。この一連の報道の中で、住宅業界に携わる皆さんの記憶にぜひ留めて頂きたいトピックがありましたので、既にご存じの方もいらっしゃるかと思いますが紹介させて頂きます。
 産経新聞は8月27日1面のコラム「産経妙」で、自然災害と地名との関係について触れました。広島の土石流災害の中でも特に被害が大きかった安佐南区八木地区の地名について、放送キー局の情報番組の報道内容を引用し、当該地区が「蛇が降(り)るような水害が多かったので」悪い谷との名が入った八木蛇落地悪谷(やぎじゃらくじあしだに)とかつて呼ばれており、それが「八木『上楽地芦谷(じょうらくじあしや)』」と改名され、現在は地名に八木だけが残った」というものです。コラムでは地名に入る「蛇(ジャ)」の字を、土砂の流出を表す「崩落地名」のひとつとも紹介しています。

古い地名の中には、自然災害との関連を含むものも

 コラムが引用した情報番組の内容は、地元住民の談話をもとに構成したもので、談話の内容そのものが正しいかを検証した上で放送したかどうかは、残念なことに筆者にはわかりません。しかし、古い地名には、土地特有の歴史や気候・自然条件といった風土を反映したものがあり、それがある時を境に変わる可能性があると言うことはできます。
 古くからの地名が新しい地名に取って代わられることは、今から10年程前に全国で頻繁に行われた市町村合併の過程で、対象とする両地区の名のどちらかを生かす場合と共に、新しい地名が付けられことがありました。また、土地売買に長年携わっている方なら耳にしたことがあるかと思いますが、不動産開発の過程で、開発地に新しい地名が付けられることもあります。
 いざとなったら逃げられる上部空間が身近かつ広く、また、固い地盤に基礎を固定することが建築の必須条件となっているマンションと異なり、戸建住宅が土砂災害や不同沈下の被害を受けるかどうかは100%、立地条件が関係します。そして立地に対するこれらの影響を知る手段には、国土地理院の治水地形分類図や土地条件図・明治前期の低湿地データ図、各行政単位で公表しているハザードマップなど、無料で活用できる・参考になるものが、数多くあります。
 図書館などで調べればわかる古い地名も、そのひとつです。古い地名の多くは先に述べたように、当該地の歴史文化や土地の風土を反映しています。もし、皆様が住む周辺の古くからある地名で、水関係の地名(「さんずい」辺や、水関係の表現・意味が含まれている地名)がある場合、上記の治水地形分類図や土地条件図・明治前期の低湿地データ図などと当該地を照合してみて下さい。おそらく何らかの関連性が浮かび上がるはずです。

地図や古地名情報の提供で、信頼度アップを

 新築戸建を建てるエンドユーザーの多くは、土地の入手も必要とします。皆さんの会社に、「この近くで家を建てたいのだけど、まだ土地のメドが付いていない」という見込み客が訪れたら、ここで紹介した地図情報や古い地名から類推できる土地情報を教え、不動産選定時の目安にすると良いことを話してみてはいかがでしょう。
 他社との差別化手段として、自社住宅の良さのみをアピールする会社がほとんどの現状の中、「この会社は建てる土地の安全性まで意識しているのだな」と、貴方の会社に対する信頼度向上に役立つことと思います。

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