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2014年 8月号 「約10年後の着工は62万戸と約4割の減」
今月のポイント

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大手シンクタンクの野村総合研究所が予測

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 今回は大手シンクタンクの将来の住宅着工予測を紹介させて頂きます。長期的に新築住宅市場が縮小していくことは機会があるごとに報道されていますが、この大手シンクタンクの調査結果でも傾向は同じでした。以下、概要を書かせて頂きます。

 野村総合研究所は先月上旬、今から約10年後となる2025年度までの新設住宅着工戸数の予測値を公表しました。これは既に減少局面に入っている総人口に加えて、総世帯数も2019年をピークに減少に転じることを見込み、さらに経済成長率、既存住宅の長寿命化などの要素を加えたベースを基に推計したものです。まず、目先の今後数年の予測を見てみましょう。

予測2025年度約62万戸は、2013年度実績比で約4割の減少

 今年度である2014年度は、消費税8%前という「第1の駆け込み」があった2013年度比で約8%減となる、約91万戸の予測です。そして「第2の駆け込み」が確実に起きるであろうとみられている2015年度は、2014年度比で約4.4%のプラスとなる約95万戸が予測されています。

 しかし2015年度から後は、対前年度比でプラスとなることはもはやなく、ひたすら減少が続きます。消費税10%の駆け込みが終わった翌年度の2016年度は2015年度比で約1割減となる85万戸の予測。以後は対前年度比で約3~4%の減少率を毎年度ごとに予測し2017年度は約82万戸、2018年度は約80万戸、2019年度は約78万戸と、ジワジワと着工数が減り続ける傾向を予想しています。そして今から約10年後となる2025年度は、直近の実績である2013年度の約98万7千戸から約4割減となる、約62万戸を見込みました。この「2025年度約62万戸」は、バブル崩壊後の着工のピークとなる1996年度の約163万戸と比べ約6割減、消費税10%の駆け込みで恐らく最後のプラス着工となる2015年度の予測約95万戸と比べると約3割強の減少予想です。このように市場規模が縮小するなかで、新築をメーン事業とする住宅会社が仮に事業構造を変えずに生き残りを図っていこうとすると、その対策は物件あたりの粗利を上げるという手もありますが、手っ取り早いのは市場全体の需要というパイが減るなかで自社の市場シェアを上げること、つまり競合他社に競り勝ち、他社に回る仕事を奪って自社の受注とすることです。こうなると当然、仕事量が減り損益分岐点を割り込む事業者が出始めます。いわば市場規模の縮小に合わせ、住宅事業者の数が市場原理で減らされるのです。

 おそらく今年度の各住宅会社は、まだ昨年度の受注の積み残しがあるため受注量が多少減る結果となっても、業績的に致命的な傷手を負うことはないでしょう。しかし「第2の駆け込み」が終わったあとは、国内のどの住宅事業者もこれまでに経験したことのない、ひたすら新築の市場規模が減り続けるという世界が待ち構えています。状況が悪化してから対策を打っても所詮は泥縄、実効が上がらないことは言うまでもありません。消費税が10%に上がる前に、消費税10%後の市場対応が完了していない事業者の行く末は、住宅業界であれ、他の業界であれ、推して知るべしです。

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