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2014年 6月号 「既存の『劣化対策』と『省エネ』案、7月に」
今月のポイント

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国が中古の流通量増加を狙い、既存の住宅性能表示の変更を検討

イメージ
新築戸建住宅のモデルハウス(イメージ)

 今回は国土交通省が進めている、既存住宅を対象とした住宅性能表示制度の変更に関する話をさせて頂きます。耐震等級、省エネなどの項目で、新築に対する住宅性能表示制度があることは、おそらくどなたでも知っていることでしょう。
 しかし、既存住宅向けにも住宅性能表示制度があることを、皆さんはご存知でしょうか。「え?中古にもあったの?」と、知らない方もいるのではないでしょうか。そこで、なぜ今、既存住宅向けの住宅性能表示制度の変更が進められているのか、そして、その具体的な変更点について、説明させて頂きます。
 住宅性能表示制度は2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく制度で、その最大の特徴は、耐震性・省エネなどを代表とする特定の性能に関する項目を設けて「等級11」・「等級2」・「等級3」といった具合にランクを設け、当該住宅の性能のレベルを客観的に表示することにあります。こうすることで住宅の専門知識を持たないエンドユーザーが住宅の購入を検討する際、「性能」で比較検討して買える環境を整え、より良い住宅の購入につなげてもらうことを狙いとしています。

新たに「劣化対策」と「省エネ」が付加される予定

 ところがこの住宅性能表示制度、新築・既存の両分野を対象に制度があるにはあるのですが、既存向けの性能評価項目には、新築向けにはある「劣化対策」および「省エネ」の項目が、現状はありません。これは住宅性能表示制度が制定された当時、住宅市場のメーンは新築で中古住宅はサブ的位置付けであったこと、また、新しい部資材で建物を建て性能を評価することが簡単な新築と比べ、既に完成している既存住宅は諸性能を確認・評価するシステムを確立することが極めて困難なため、その整備作業が棚晒しにされてきたことが理由です。
 しかし、国として、既存住宅の市場流通量を大幅に増やそうという方針に転換した今、既存住宅向けの住宅性能表示制度に「劣化対策」および「省エネ」の評価基準が無いことは、極めて不都合といえます。このため国は昨年度から、既存向けの住宅性能表示制度の見直しを「既存住宅に係る住宅性能の評価手法に関する検討会」を中心となって進め、「劣化対策」・「省エネ」を既存の評価項目に新たに付加すべく準備を進めてきました。

7月の長期優良住宅化リフォーム事業「クラスS」に案を盛り込む

 そしてこのほど、既存住宅を対象とした住宅性能表示制度に盛り込む「劣化対策」・「省エネ」の評価基準案が、公にされるスケジュールが決まりました。7月中に公募が始められる予定の国土交通省の補助事業・長期優良住宅化リフォーム推進事業の「クラスS」(仮称、全ての評価基準で新築の長期優良住宅とほぼ同等の性能基準を満たすことが要件)の事業活用要件として、現在検討中の既存向けの「劣化対策」および「省エネ」の評価基準案を、盛り込みます。
 国土交通省は常々、ある制度を正式決定する前に、事前に補助事業の活用要件としてその案を盛り込み、「今後、この案をベースとした新制度ができますよ」との業界への告知を行っています。新築向けの長期優良住宅制度が制度化される前、先導的モデル事業の名のもとに数年間にわたって補助事業が行われたのと同じです。
 来年度以降、新築同様に既存住宅を対象とした長期優良住宅認定制度が創設されることが、既に決定しています。このため、将来的には既存住宅流通の際に「劣化対策」・「省エネ」の性能が選択基準としてクローズアップすることは確実です。既存分野の事業領域の拡大を考えている事業者の方は、7月に公募される長期優良住宅化リフォーム推進事業「クラスS」の事業活用要件の「劣化対策」および「省エネ」の内容をよく把握し、それらを実現するための対応策を検討することをお勧めします。

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